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灯る炎  作者: エッグ
少年編
2/15

第一話 今までとこれから

この話は連載した灯る炎の第一話になります。


深夜の東京の小さな会社に2つ明かりが付いている。

もう、日付が変わっている、これじゃあ終点が無いな。

今日も会社泊まりか。嫌だな。いや、嫌ではないな。

なぜなら、それは俺だけじゃないからだ。

俺と一緒に残業をしている紫木姫乃も同じだ。

今日もこいつと居酒屋に行って、会社泊まりだ。


「調子はどうですかぁ?」

少し声が裏返ってしまった。恥ずかしい

「そうね、やっと今終わったところよ。」

この言いようは、もうとっくの前に終わっていた言いようだな。

「それなら帰ったら先帰っても良かったのに」

「それじゃあ、あなたが1人で帰ることになるじゃない」


姫乃はいつもこうだ、俺が残業の時はいつも俺の事をたすけてくれる。

が、優秀な姫乃は自分の仕事はもうとっくにおわっているのだ。


俺、夏目順と紫木姫乃は、小学校からの仲で家も近く、なぜか、俺と同時に東京に上京してきた。


昔から家が厳しく、いつも窮屈そうだったが、東京に来てからは何かが吹っ切れたようで、いつも楽しそうだ。

そんな姫乃を見てて俺も楽しい。


俺たちは会社から出て、真っ直ぐ居酒屋へ向かった。

途中の道で上司の悪口を死ぬほど言ってきた。

居酒屋は深夜とは思えないほど以外に人が多かった。


姫乃はお家柄、礼儀正しく食べる姿勢もとても綺麗だ。

俺たちはまた嫌な上司の話をしたり、高校生時代の話なんかもした。


「あの時は姫乃が先輩後輩関係なく、みんなから告白されていたな。一日に10人から告白されていた時もあったっけ?」


俺も少しは告白されていたが、なぜか全員1週間かそこらで、向こうから別れようと言われていた。

しかし、その女の子全員が少し怯えていたのを覚えている。

「そうだった?私は男の人は全員芋にしか見えないから。もちろん、順は入ってないよ!」


慌てて付け加えたように言った。

長くて、黒い髪がフワッと揺れた。


「わかってるよ。じゃなきゃ、俺とこうやって飲むなんて事しないだろ?」

なんてかっこいい男ムーブだろう、これでメロメロに、、、、なんてならないか。

「そういうことじゃなくて、、、、」

姫乃がモゴモゴと言った。


「?」

「もういい!飲も!?」

そう言ってお酒の入ったグラスを突き出してきた。

「そうだな。」

カーンと音をたてて、乾杯した。


そこから、夜が明けるまで飲み明かした。


俺はベロベロに酔っぱらっていたが、この後からまた仕事がある。

飲んでいた事がバレないよう、ブレスケアを飲んだり、トイレで思いっきり吐いたりして全て流したが、姫乃は酒豪なためこんなもんじゃ酔わない。


そんな、会社への帰り道。

外は夜が明けていて朝日で輝いていた。

「あー、この後からまた仕事かー。」

「しょうがないよ、まだ仕事全然終わってないんだもん。」


「それになんでうちはまだ、紙なんだよ!ペーパーレスにしろよな!?」

「それ、さっきも飲みながら言ってたよ?」

「まじか、もう認知症に入ったかなー。」

冗談交じりにそういった。


「私たちまだ、24だよ?」

懐かしいなこんなやり取り高校生の時もしてたっけ。

「もう1回高校生に戻りたいな。」

「そうだねー、、、、、」

「私は高校生に戻らなくていいから青春したいなぁ」


交差点の信号が赤になって止まった。

家が厳しすぎて、姫乃は部活も遊びもテレビでさえ、使えなかった。

が、唯一あったのが、連絡用のスマホだけだった。

それで俺たちは話せてた。


「そっか、でもまだ俺たちは24だ。楽しいことはこれからいっぱいできる。

だから、元気だせって!」

「ありがとう。ちょっと元気出たよ」


俺ができるのは今まで辛かった事を思い出させることじゃなく、これからの楽しい新しい事を考えてもらうことしかできない。

「まぁ!また、今度に見に行こう。」

「そうね、楽しかったし。私はまだまだ飲み足りないわ」


そうそう、紫木姫乃はこうでないと!


「またいつか行ける日があったら行こうね!」

「ああ、また行こう!」

交差点が赤になった。


「さぁいこ!」

そう言った瞬間だった。居眠り運転のトラックが姫乃目掛けて突っ込んできた。

「姫乃!」

俺はとっさに姫乃を突き飛ばした。


俺は車に引かれた。

意識が朦朧としていて、姫乃が見えない。

姫乃は、、、どうなった、、、俺はまだ、、、死ねない、、、姫乃と飲みに、、、いか、、ない、、と、、、。

俺の意識はそこで途切れた。













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