第十二話 ソフィアの本音
今回はソフィア・キュリアー視点からお送ります。
混乱しないでね!
もう!!なんなの!?
みんなしてジュンっていうやつと、ニコって言う奴を褒めちぎって!
私は!入試首席にして、この学校のあるこの街の領主の娘なのよ?
なのに…!
ジュン・クリスティア!!あいつは私の目指していた筆記実技1位という夢を壊した!
貴方の力はまだ何かあると思う。なら、こっちも奥の手を隠してやるわ!
それに、貴方は私の戦いを見ていなかったけれど、私はばっちり見てた。
だからこそ。こっちは奥の手を隠しながら全力で戦ってやる!!
今回のテストで実力の差を見せつけてあげる!
そんな、意気込みを心の中で呟いていた私はジュンがニコを撃ち抜いてその傷を治している騒動に気が付かなかった。
「ソフィアさん?何してるの?」
クラスメイトが話しかけてきた。
「え?あぁぁ!なんでもないわよ?ただ次の試合の計画を練っていただけですよ。」
「さすがソフィアさん!こんな小さなテストでも全力で取り組むなんて!」
何を言っているの?このテストはものすごく重要なのよ?分かってないの?
まぁ、いいわ。これで私の町長の娘という肩書きとイメージは守れたわね。少し取り乱したけれど立て直せたわ。
さて、私も次の試合の準備でもしますか。
私とジュンの試合が今始まる。
辺りはギャラリーが多く、より緊張が高まる。
「開始!」
先生の合図と共に二人共が後ろに退いた。
そして、二人共がこう思った。
相手は遠距離型!!
相手の実力を試すようにジュンは火の玉を3方向に投げた。ひとつは速くその他は遅い玉で、速い火の玉でちょうど隠れる。
ひとつの速い球で避けた先に遅いたまをぶつける魂胆ね手馴れているわ。序盤にしては確かに強い。けれど、私が相手じゃなきゃね!
ソフィアは火球の下に潜り込むように滑り込んだ。
こういうのは予想外を取るのが正解なのよ!
(残念!)
ジュンは心からそう思った。
入り込んだ先の足場にはジュンが地面を伝い細工をしていた。
「へ???」
「地下爆発」
ソフィアの足元が光り、爆発を起こした。
(簡単な逃げ道を作るとそこに直ぐ入る。初心者向けの罠に掛かるんだ……。
まぁ、威力はかなり落としたから若干火傷した程度だろう。)
ジュンは残念そうにため息を着いた。
「ハァー。」
煙が漂いソフィアの姿が見えない。
「さてと治療しますかね。」
煙が漂う場所に近づいていく。
すると、煙の中から氷の刃が飛んできた。
ジュンは咄嗟に体を捻り避けた。
「チッ、これも避けるの?」
ソフィアは氷のカゴのような場所から打ってきていた。
(氷で防がれたか!!なるほどさすが入試首席と言うべきか。)
ジュンはニコォっと不敵な笑みを浮かべた。
なに笑ってんのよこっちは満身創痍だってつうの。ん?満身創痍ってどうゆう意味だったっけ?
まぁいいわ、戦いはまだ始まったばかりなんだから。
ジュンは腰に掛けていた木剣を取り出し、ソフィア向かって走り出していた。
ここに来て近距離戦に出るの!?
いいわ、向かい打つ!
ソフィアは後ろに後退しながらジュンの方向に向けて何本もの氷の刃を放つ。
「アイスランス!」
しかし、ジュンは切り裂いたり、受け流したりして避ける。
なんで、木剣で私の氷が切れるのよ!?
(父さん程ではないが、一撃一撃が重い!)
ジュンが後退するソフィアに追いついた。
(よし、これで終わ……ヴッ)
追いつく寸前にソフィアは手から氷の柱をジュンの腹めがけ伸ばした。
その勢いでジュンとソフィアの間の距離が遠のく。
(ふん!こっち来ないでよ)
急な事でジュンは体制を崩した。
「あら!どうしたのかしら?」
ソフィアが煽るような言葉を放つ。
(煽りやがって……!)
ムカついたジュンは足に魔力を集中させ、脅威的なスピードで空中から着地して体制がしっかりしていないソフィアに近ずく。
コイツ!
まさか、今まで魔力を使っていない素の身体能力で戦っていたの!?
振れば剣が届く距離に近ずき、剣を振るった。
ソフィアは小さな氷を集中させ剣の軌道上に置いて、剣を弾いた。
(なんだ!?氷!?)
ソフィアはその一瞬の隙を見逃さなかった。
懐にしまっていた短剣を素早く取り出し、
ジュンに胴切りをした。
ここだぁぁぁぁ!
「そこまで!」
先生のうるさい声が響いた
致命傷を与えられた想定で戦いを終わらされた。
実際は撫でられた程度で服さえ切れていない。
「やったぁー!!!」
(クソやられた。しかし、コイツ短剣術に関してはいい動きをしていた。
魔術師型にしては短剣術が上手いな。こっちでもいいと思うのに。剣に魔力が籠ってなかったのは手加減したな……。)
私は知らない間にジュンを敵対視していたらしい。ジュンに勝った今とっっっっても嬉しい!
小躍りしてしまいそう!
「どう!?負けた気分は!」
あまりに嬉しすぎてこんなウザったらしい言葉を言ってしまった!
マズイ!私のイメージがぁ!
そんなアタフタしている私を横目に
「あはははは!
そんな言葉言うとは思わなかった!あははは!いいね。そっちの方が俺は好きだなぁ!!」
え?いいの?
私領主の娘だからしっかりしていないといけないのに?白い髪は迫害されがちなのに?
私の頬が熱くなった。うなじも熱くなって……
って!私どうしちゃったのよ!
「どうした?」
「いえ、なんでもないわ」
心臓の鼓動がうるさい……。
この街、スウィーンは国家規模の学校冒険者学校があるのでとても経済が潤っています。
なので、町長はとてもお金持ちです。さらに、人もいいのでその娘にあたるソフィアはとてつもないプレッシャーがかかっていました。
また、白髪は古来より迫害の対象でしたが、白髪の魔王の評判がとてもよく、だんだんと着実に迫害は少なくなってきました。
しかし、根付いている迫害の意識は残っています。




