謎が謎を呼ぶ
ヴェルトに連れられ光一達は騎士団のテントへ移動していた。
ヴェルト「まずは、今回の集団暴走を止めて下さりありがとうございます」
ヴェルトは光一達に深く頭を下げた。
ちゃんと国家騎士団長をしているヴェルトを見て光一は少し驚く。
光一「ヴェルトって、本当に国家騎士団長なんだね...」
ヴェルト「え?――今まで何だと思ってたんですか!?」
ヴェルトは戸惑いを隠せず一瞬でいつも通りのヴェルトに戻ってしまった。
光一「そういえば外に溢れ出したゴブリンはどうなった?」
光一は思い出したかのようにヴェルトに聞いた。
ヴェルト「それなら大丈夫です。光一さん達がボスを討伐してくれたのでゴブリンは全員消滅しました、溢れ出たゴブリンは冒険者と騎士団で止めたので町への危害はありません」
光一「そっか、じゃあ大丈夫そうだね!」
町に被害がないことを知り光一は安心した、だがヴェルトの顔はあまり明るくなかった。
ヴェルト「今回皆さんに話したいことがありまして...」
ナリ「―――期間がおかしい事ですね」
光一「どういうこと?」
何一つ分からない光一にナリオスはゆっくり教えた。
ナリ「集団暴走には大小関係なく100年以上のスパンがあります。ですが今回は前回の集団暴走から80年程しか経っていないんです。」
光一「何でそうなったの?」
ナリ「――分かりません」
光一「そっか...」
場が静まり気まずい空気が流れた。
光一が集団暴走について考えているとヴェルトがボソッと呟いた。
ヴェルト「"例の情報屋"なら...」
光一「情報屋?」
光一はすかさず聞き返した。
ヴェルトは少し考え答えた。
ヴェルト「オピドムには天才の情報屋がいる"そうなんですよ"」
光一「そうなんですよ?何で不確定なんだ?」
そう聞くとヴェルトは気まずそうに答えた。
ヴェルト「―――会ったことがないんですよ」
光一「別に会ったことがないだけで不確定にすることないじゃん」
光一は軽く聞いたがヴェルトの顔は暗く、思い詰める様なり静かに答えた。
ヴェルト「――誰も会ったことがないんです」
さらに分からなくなり光一は詰め寄るかの様にヴェルトに聞く。
光一「本当に誰も会ったことがないの?」
ヴェルト「騎士...いや、国に関わる人で情報屋に会った者は一人もいないんだ...まるで避けるかのように」
✳ ✳ ✳ ✳ ✳ ✳
時は経ち光一は宿のベッドの上で横になりながらヴェルトの会話について考えていた。
光一 (ナリオスは今回の集団暴走の期間がおかしいって言ってたけど、でも起こったことは事実だし... そもそもどういう原理で集団暴走が起きてるんだ?――)
光一は深く考えてるうちにいつの間にか寝てしまった。
目が覚めると日の光は高く上がり外はもう昼になっていた。
アルとノアとレインは孤児院に遊びに行き、ナリオスは今回の集団暴走についてヴェルトと話すため、光一だけが宿に取り残されてしまった。
光一「―――暇だしギルドで依頼でもしよう」
軽く準備を整え光一はギルドへと向かった。
✳ ✳ ✳ ✳ ✳ ✳
ギルドに着き扉を押し開けるとギルドの中から賑わう声が聞こえた。
よく耳を澄ますとその賑わいは全て光一を褒め称える声で出来ていた。
何故こうなっているのか分からず少し怖くなり受付嬢が居る場所へ逃げるように向かった。
光一「これってどういう状況?」
光一が小さな声でひっそりと聞く
受付嬢「光一さん達"だけ"で集団暴走を終わらせたからですよ」
光一「それってそんなに凄いの?」
受付嬢「異例ですよ!」
受付嬢は受付台を強く叩き少し声荒げた。
光一「すいません...」
受付嬢「謝らなくて大丈夫ですよ、強い冒険者を排出出来ればギルド側も助かりますし」
受付嬢「で、今日はどうされたんですか?」
光一「適当な討伐依頼でも受ようとうと思いまして」
それを聞くと受付嬢は棚から一枚の依頼書を持ってきた。
そこには少し離れた森にスライムが大量発生したのでそれを討伐する ランクE
と書かれていた。
✳✳✳✳✳✳✳
馬車に揺られること約2時間、光一は目的地の森に到着していた。
光一「やっと着いた...」
馬車の中でずっと座っていた光一は森に着いてすぐに体を伸ばした。
光一「よっし、行こ」
光一は森の方へと歩き出した。
森には確かにスライムがいたが大量発生しているとは思えない数しかいなかった。
このままでは流石にまずいと思った光一は森のさらに奥へと進む。
だが相変わらずスライムはいなかった。
そのまま森をウロウロしていると奥の方に一人の人影が歩いているのが見えた。
光一「こんな所に人?しかも一人...」
光一は少し警戒しながらその人影の後をつける。
人影が大きなローブを着ていて気づかなかったが、その人影の背丈がレインやノアに近く小さいことが分かる。
光一「子供?何でここに?」
バレないように木の影を点々と移動し様子を伺う。
だが突如その少年が足を止める。
光一は何故止まったのか分からず木陰から顔を出したその瞬間、目の前にナイフが飛んでくる。
急いで木陰に顔を隠しナイフを避け安心したも束の間、その少年が話し出した。
少年「誰ですか、さっきから僕の後をつけてる人は」
オピドムは中心に、
領地様(貴族)の城、城の周りに国民、国民の周りに外壁
っと言う感じで全体的に城を囲う感じになっている。




