フェニックス3
ニクスを撫でつつ、必死に頭を働かせるが、そう都合良く解決案など思い浮かばない。
そんなユーリオンに対し、ニクスがため息をこぼす。
「……助けてあげましょうか?」
「え?……なにか、良いアイデアがあるの?」
「私が直接姿を見せれば、変な疑いも晴れるでしょ」
「それは…そうかもしれないけど、これまで姿を隠してきたのは、目立たない為でしょ?」
「いつの時代も面倒な輩はいるでしょうしね。そんなのに、今の生活を崩されたくないもの」
「だったら」
「でも、貴方の助けになるのなら、表舞台に出るのも、やぶさかじゃ無いわ」
「…ニクス……」
「それに」
「それに?」
「変なのが来ても、護ってくれるでしょ?」
「うん…うんッ! もちろんだよ!!」
ユーリオンの返事に満足したニクスが飛び立とうとする。
「ニクス」
「ん?」
「ありがとう」
「ええ」
人知れず、ニクスが街の外へと飛び去って行く。
そして、遠くの空から本来の姿で、ゆっくりと戻って来る。
最初に気付いた者は誰だったのか?
徐々に、だが確実に、こちらへと飛んで近づいて来る何かに住民達が騒ぎ出す。
「おい、何だアレは?」
「…鳥……いや、デカいぞッ!」
「今度は何だってんだよッ!?」
「赤いワイバーン…?……いや違う、燃えている」
「おいおいおいッ! まさか、まさかじゃないよな!?」
「……フェニックス……」
直接見た事がある者はいなくても、特定するのは難しくなかった。
幻獣種にして、数々の伝説や伝承を持ち、憧れられつつも恐れられる存在。
長い間、その姿が見られなくなってからも、人の知識からは決して消えなかったもの。
恐ろしい程に美しく、幻想的な炎を纏った巨大なフェニックスが、街の上空を旋回する。
まるで、住民全てに自らの存在を伝えるかのように、優雅に飛ぶ。
そして、それに対する住民の反応は大きく別けて2つだった。
1つは、フェニックスという存在を知らない者達。
その者達は、ただひたすらに、その美しさに魅了され、圧倒されていた。
感動して、涙を流している者も居る。
「…奇麗……」
「すげー! すげー!! すげー!!! 上手く言葉に出来ないけど、スゲーッ!!」
「…ふつくしい……」
もう1つは、フェニックスという存在を知っている者達。
その反応は、先の者達とは対極的だった。
「ああ、終わりだ」
「……きっと、いや、間違いなく、この街は燃やし尽くされるのだろう」
「やはり、幻獣種の名など、使うべきでは無かったのだッ!!」
「ああ、でも、あの炎で焼かれるなら、これ以上の冥土の土産は無いかもな」
感動または恐怖から祈る者、膝から崩れ落ち動かなくなる者、あまりの事態に気を失う者。
当然ながら、誰もが、突如現れたフェニックスに釘付けだった。
そして、街の上空を何周かしたフェニックスが、領主邸の屋根の上に止まる。
「ああ、領主様の御屋敷から燃やされるんだ」
「この街全てが炎に包まれる」
「……なあ、おかしくないか?」
「何がだよ?」
「だって、街を旋回していたのに、どこも燃えてないだろ」
「…確かに。その気なら、誰も逃がさないよう、外側から燃やすべきだ」
屋根の上のフェニックスが、翼を大きく広げ、街の端まで届くように鳴き声をあげる。
それを2度、3度と繰り返すと、最後に領主邸の上空を旋回し、どこかへ飛び去って行くのだった。
「……なあ、これ、どういうことなんだ?」
「俺が知るかよ」
「もしかしてなんだけどよぅ、領主様が、この街が認められたって事じゃねーか」
「おいおいおい、マジかよ…」
「俺達の領主様スゲー」
「もしかして、その街に住んでる私達も凄い?」
「……かもな…いや、やっぱ凄いのは、フェニックスに認められた領主様だろ」
「ちげーねぇ」
暗かった雰囲気が払拭され、街中で歓声が鳴り響くのだった。
宮城のきつね村に行ってきました。
100以上が放し飼いで、触れられるほどの距離で写真撮り放題。
特に抱っこ体験は控えめに言っても、最高でした。
抱っこして写真撮ったら終わりかと思いきや、2分くらいは抱かせて貰えました。
モモちゃんは大人しくて凄く良い子だったので、良い思い出になりました。
この作品にも早くキツネ出したいです。




