見下ろす者達1
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ユーリオン達に気付かれず、上空からコロッセオ内の出来事を見ていた者達がいた。
探知に引っかからなかった事からも、その実力が窺える。
1人は10歳くらいの美少女で、身長は140㎝ほど。
金色の細く美しい髪は、足首の辺りまで伸びている。
少し心配になるほど色白な肌をしており、耳もエルフのように長い。
血のように真っ赤な瞳で、コロッセオを見下ろしており、その表情は暗く冷たい。
その容姿も目立つが、黒いゴスロリ服に黒い日傘も合わさって、とても特徴的な外見だ。
もう1人は20代前半くらいの男性で、身長は175㎝前後。
こちらも金髪であり、短く切り揃えられている為、清潔感が有る。
白い肌に耳や瞳の特徴も似ている為、同じ種族と思われる。
美青年にも見えるが、その表情は判決を待つ罪人のように怯えている。
こちらはタキシードに黒いマントを着用している。
「終わりましたね」
「見れば分かるわ」
「……ッ!……申し訳ござ」
「謝罪なら不要よ」
無言に耐えられなかったのか、青年が口を開いたが、結果はすげなくあしらわれる。
この短いやり取りだけでも、明確な上下関係が分かる。
「……さて、どうしたものかしら?」
今度は少女の方から口を開く。
しかしながら、言葉は疑問形ではあるものの、そこに男に相談する意図は無い。
もしも男が勘違いをし、意見を出して少女の思考を邪魔したならば、不快にさせたかもしれない。
男はそれを理解しているようで、身動きにも気を配り、今度は無言を貫いている。
「今回の貴方のミス、想定していた以上に不味いわね」
「お言葉を返すようで申し訳ございません。
しかし、近くの街に被害は出たようですが、戦略的に重要な街でも無かったかと」
今度は、ニュアンスから会話を求められていると感じ、即座に返答する。
「……ハァ…勉強不足よ」
「ッ!? も、申し訳ございません!!」
少女の機嫌を損ねてしまったかと、男が慌てて謝罪する。
下げた頭を上げる勇気が持てず、冷や汗が止まらない。
「少し前なら、あそこに価値は無かったわ。
でも、グランファーレル王国の第3王子が領主になったのでは話が変わってくる。
ルナマリアの次代の聖女と婚約を結んでおり、実の母はフォレスティアの王女。
後は言わなくても分かるでしょ?」
男のただでさえ白い肌が青白くなり、汗も滝のように流れ落ちておく。




