ケモノとバケモノ7
1時間ほど経過し、少し肌寒くなってきた頃、ヴィルトが目を覚ます。
ちょうどピエリスが、馬の回収に向かっているタイミングであった。
「……血生臭ぇ…」
「体調と気分は?」
「身体に問題はねーよ、気分は最悪だがな」
仰向けの体勢のまま、気だるげに答える。
本人の言う通り、肩の傷は既に治っていた。
「戻ったら、凶悪なモンスターから街を救った英雄だね。
僕も領主として何かお礼をしないと、何か考えておいてね」
ユーリオンが努めて明るく振る舞う。
「ハッ、何も救えてねーよ……なにもな…。
ガキが妙な気遣いすんな、気持ちわりぃ」
「……ヴィルト…」
「俺が殺らなかったって、お前なら殺れただろーが。
これは誰の為でも無い、俺がムカついて、俺の為に殺っただけだ」
ヴィルトが吐き捨てるように言う。
その、普段とはまるで違う、悲し気な、淋し気な様子に、ユーリオンが戸惑う。
「死体は?」
「ほとんどミンチだったけど、討伐した証拠を見せないと、みんな不安だろうからね。
いくつかの部位を回収して、勝手ながら、後は燃やして処理させてもらったよ」
凄惨な死に様だった為、元々素材として使えそうな部分は少ない。
しかしながら、ソロで討伐したヴィルトには、それをどうするかの権利が有る。
それでも、ユーリオンがヴィルトに相談せず、早めに死体の処理をしたのには理由が有った。
高レベルなモンスターほど、死後、アンデッド系に派生する可能性が高まるからだ。
あくまでも可能性の話で、絶対では無いし、環境による影響も大きい。
しかし、ヴィルトは気を失っていて、いつ起きるのか定かでは無かった。
つまり、〝もしも〟が起きてしまうと、倒れたヴィルトを護りながらの戦闘になる。
それは危険すぎるので、念を入れておきたかった。
もっとも、あんな殺され方をしたのだ。
死後、もう一度立ち向かう覚悟が、あの獣たちに合ったとは思えないのだが。
「そっちじゃねェ、人の方だ」
「頭部1つと、混ざり合って誰のかも分からない骨は回収したよ」
「……そうか、ならいい」
「立てる?」
「…ああ」
ヴィルトがゆっくりと立ち上がる。
「この世界はクソだ」
「……」
「また思い知らされたよ」
「…ごめん、同意できないや」
「ハッ、だろーな。 むしろ、適当に同意してきてたなら、ぶっ飛ばしてたぜ」
背を向けたまま語るその姿には、実際の距離以上の距離感を感じるのだった。
「帰ろうか」
「ああ」
ドタバタして名古屋に行き、温度差や疲れが出たのか、体調を崩してしまいました。
またまた更新が遅れてしまい、すみません。
名古屋で最初に驚いたのが、道端に落ちているタバコや空き缶の数が凄い事でした。
治安悪そうとビビってたのですが、まったくそんな事はありませんでした。
サラリーマンに店を聞けば、おススメの店を丁寧に紹介してくれたり、
道に迷って困ってた時、見た目チャラい6人組も、グーグルマップを開いて教えてくれました。
名古屋の人は親切な人が多いのだと、感動しました。
また行きたいです。




