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【異世界転生】理想の執事を目指します  作者: 夜空のスピカ
幕間
181/216

ピザ


 

 頂いた食材は、早速今日の夕食に使わせてもらおう。

 シチュー、チーズ入りのオムレツ、デザートにはプリンやアイスなんかも良い。


 色々と思いつくが、まだ昼だし、街で追加の食材を見てから決めても遅くはないか。


「昼食は街で済ませちゃおうか」

「そうですね、何か食べたいものはありますか?」

「うーん、僕は特に無いけど、エレナとピエリスは?」

「俺も特には」

「私もですね」

「じゃあ、見て回りながら決めようか」

 

 街まで戻ると、飲食店のある方へと足をのばす。 

 時刻は昼の2時で、やや昼食時を過ぎているものの、食欲を誘う良い匂いが漂ってくる。


 匂いを嗅いでいると、余計にお腹が空いてきちゃった。

 もうどこでも良いから適当な店に入ろうかな。


「お、そこのカッコいいお兄さん、食事ならウチにしときなよ」


 15、6歳くらいの女の子がピエリスに声をかけてきた。

 時間帯的に暇になってきたので、看板娘が客引きに出てきたのかな。


「おススメはなんですか?」

「ウチは揚げ物がおススメだよ、金に余裕があんなら、今日は海の魚も少し入って来てるよ」


 ……揚げ物かぁ。

 誤解の無いように言っておくと、別に揚げ物が嫌いなわけでは無い。


 ただ、この世界だと油の質がちょっと悪い。

 更には一般家庭で気軽に使えない程度には、値段もそこそこする。 

 その為、飲食店などでは油をギリギリまで何度も使い回す事が多いのだ。


 もちろん店によっては品質を保つため、油に気を遣っているだろう。

 しかし、初見の店を選ぶにしては警戒してしまう。


 僕がピエリスの方を見上げると、同じくピエリスも僕の方に顔を向けてきた。

 その表情からは『どうします?』と問いかけているのが分かる。


 エレナの方に顔を向けると、そわそわしているので、おそらく食べたいのだろう。

 特に決めてなかったし、ここで良いかな。


「じゃあ、せっかくなので」

「3名様ご来店でーす」


 中に入ると、他の客は見当たらなかった。

 混雑していると落ち着かないので、ちょうど良いかな。


 案内してくれた子は、また客引きの為か外に出て行く。


 代わりにおばさんが注文を取りに来てくれる。

 厨房におじさんが見えるので、親子で経営しているのかな。


「いらっしゃい、なんにしますか?」

「海の魚があるって聞いたんですけど、なんて魚ですか?」

「おーいアンタ、今日仕入れた魚、なんて名前だっけ?」

「はっはっは、なんだったかな?」


 ……おい、飲食店、なんだか分からないものを客に出しているのか。


「まぁまぁ、お客さん安心しな、揚げれば大抵の物は安全に美味しく頂けるさ」

「流石アンタ、良い事言うねェ!」

「だろ? はっはっは。俺らの仲も常に揚げたて熱々だぜ」

「やだよぅ、アンタったらもぅ……今晩は酒の肴を1品増やしてあげる」

「はっはっは、流石は自慢の嫁さんだぜ」


 夫婦仲が良いのは素晴らしいが、客を不安にさせないでほしい。

 もう店内だし、諦めて注文しよう。


 出された物を鑑定して駄目そうなら、食べずに別の店に行こう。


「…僕は海魚のフライ定食で」

「じゃあ、同じ物を」

「私もそれで」

「はいよ、少し待っててくださいね」

 

 5分くらい雑談しながら待っていると、客引きの女の子が戻ってきた。


「かーちゃん、もうお客さん来なそう」

「そうかい、なら今のうちにあんたも休んどきな」

「はーい、最近は近くに出来たピザ屋のせいで客足減っちゃったねェ」

「こら、お客さんのいる時に愚痴るんじゃないよッ!」

「ごめんごめん、じゃ、奥にいるから何かあったら呼んで」

 

 近くにピザ屋が出来たのか。

 こっちに来てからは1度も食べてないので、少し食べたいかも。


「ユーリオン様、ピザってなんですか?」

「エレナ、ピザはね、丸く伸ばした生地の上に色々な具材を乗せて竈で焼いたものだよ」

「パンに近い感じですか?」

「そうだね、少し似ているかも……帰りにお土産で買って行こうか」

「どんな料理なのか楽しみです」


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