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【異世界転生】理想の執事を目指します  作者: 夜空のスピカ
幕間
178/216

アルムとアン3



 あの場では、どうするべきか答えは出なかったので、後日また会う約束をして別れた。

 

 今は夕食を食べ終えた後のお茶の時間である。

 自分1人では良い考えが浮かばなかったので、こういう時は素直に大人に相談しよう。

 きっと頼りになるはずだ。


「話はわかりました。では、私がサクッとアルデーヌ男爵家現当主を暗殺してきましょう」

「「「…………」」」


 アコの頼もしくも全く頼りにならない発言に全員ドン引きだ。

 物理的に、どうにかして欲しくて相談した訳では無いのだ。


「……却下で」

「何故ですか!? 証拠を残すようなへまはしませんよ?」


 逆に何故その案が受け入れられると思ったのか問い質したい。

 アコが不満そうな顔を見せる。


「ユーリオン様が助けたいという気持ちは分かりますが、相手が面倒ですね」

「兄さんの言う通りですねぇ……何か証拠を見つけても、貴族と平民では揉み消されて終わりですよ

 その後、逆恨みされてアルムさん…でしたっけ? その一家が狙われる危険だってあります」


 うーん、やっぱり難しいかぁ。

 ピエリスとアイリスも僕と同じような答えを出す。


「一応駄目元で聞くけど、僕が直接当主に話を聞きに行くのは?」

「流石にそれは、余計に話がややこしくなって悪手ですね。

 こちらが権力を利用すれば、向こうも派閥や寄り親に相談するでしょう」

「そうですね、もちろん争ったとしても、最終的には王子であるユーリオン様が勝ちます。

 ですが、余計な恨みを買うのは避けるべきかと」


 やっぱりそうなるよなぁ。

 何か自分では思いつかないような意見が出ないかと期待したが、そう上手くはいかないかぁ。


 皆が押し黙ると、アコが何かを期待するような眼差しで見つめてくる。 

 確かに暗殺は思いつかなかった案だが、流石にそれは無い。


 物語なら不正貴族を懲らしめて、アルムさん達を助けてハッピーエンドなんだけどなぁ。 

 現実的には、色々なしがらみと権力が邪魔をし、助けられない。


「……はぁ」

「こんな話を聞かされて、泣き寝入りするのも業腹ですがね」

「話は少し変わりますが、前にフェニックス領にある領主邸の側に牧場を欲しがってましたよね?」

「…?……うん、ジェードには止められたけどね」


 アイリスの発言で、そう言えばそうだったなぁと思い出す。

 ここ王都でもそうだが、基本的に畜産は城壁の外で行われている。


 いくつか理由はあるのだが、畜産にはある程度の土地が必要になるという事。

 汚れや臭い、騒音などの理由から貴族が遠ざけたがるというのが大きな理由だ。

 

 今のフェニックス領は人口が減っているので、領主邸の側に牧場を作ろうかと計画したのだ。 

 だが、貴族などが来客する事もあるし、田舎の下級貴族と侮られる等の理由から止められてしまった。


「こういう言い方をすると不謹慎ですが、ちょうど良いのではないですか?」 

「誘うって事?」

「はい、畜産の経験がある者達なら即戦力ですよね?」

「……でも、そんな弱みに付け込むような事…」


 確かに家畜や財産は失ったとしても、これまでの経験までは失われていない。

 新しく家畜を集めたとしても、これまでと勝手は違って苦労するだろう。

 

 だが素人が1から始めるのとは大きく違う。

 数ヶ月もあれば上手くやってくれるはずだ。


「とりあえず、選択肢の一つとして彼らに提示してみてはどうですか?

 家まで奪われては、よほど裕福で親切な親族でもいない限り、ろくな未来はありませんよ」


 ピエリスの言う事はもっともだ。

 今回の事を奇麗に片付けられないのであれば、せめて彼らの選択肢を広げるべきだろう。


「……明日、アルムさんと話をしてみる」


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