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【異世界転生】理想の執事を目指します  作者: 夜空のスピカ
幕間
166/216

麻雀



「……できた」


 この日、ユーリオンがコツコツと頑張って作っていた麻雀セットが、ようやく完成した。

 奉納する為に作っていたので、完成度はもちろん、素材にもこだわっている。


 牌や点棒、サイコロなどには、依然倒したロックドラゴンの素材が使用されている。

 奉納するなら最高の物をと、象牙の麻雀牌にヒントを得た結果だ。


 竜素材というだけでも希少なのに、なんと元は高レベルな竜の素材だ。

 普通なら売って金にするか、武器や防具を作るかの2択だろう。


 竜を使った武具を所持していれば、冒険者として箔が付くし、自慢にもなる。

 戦闘を生業にする冒険者ならば、誰もが憧れる竜素材だ。 


 そんな希少素材を遊具に使うと聞けば、冒険者でなくとも誰もが止めた事だろう。

 幸か不幸か、知ってか知らずか、ユーリオンを止める者はいなかった。


 そして卓にも当然こだわっており、フォレスティア産の最高級木材を使用している。

 流石に全自動麻雀卓の様な機能までは付いていない。

 だが、今のユーリオンに作れる最高の品だ。


 仮にこれを売ろうとした場合、いったいどれほどの値がつくのか恐ろしい。

 麻雀という新しい遊戯、それに必要な最高級の遊具。

 おそらく上級貴族でも簡単には手が出せず、欲と理性の狭間で大いに悩む事だろう。


「できたけど……どうしよう。

 奉納するなら新品だけど、未プレイでは不具合があっても気づけない。

 だけど、一度使った物を奉納するのもなぁ……」


 完成を目標にしていたので、これまでは考えてなかった事だ。

 ユーリオンが腕を組み、目を閉じて悩む。


「とりあえず、並べてみよう」 


 誰かと試しに遊ぶ事はせず、並べて確認作業だけ行う事にした。

 混ぜる必要は無いので、牌に傷が付かぬよう少しゆっくりと並べていく。


「うん、形の不揃いは無さそうだし、重ねた時に崩れたりもしない」


 どうやら、とりあえず問題は無さそうだ。

 片付けると、早速、奉納する為の準備に取り掛かる。


 祭壇を準備し、お供え物としてお酒なども混ぜておく。

 そして目を閉じて祈ると、待ってましたと言わんばかりに祭壇が光り輝く。


 目を閉じていても分かるくらい光っていたが、徐々に落ち着いていく。

 ユーリオンがゆっくりと目を開けると、無事奉納できた事が確認できる。


「よし、次は自分達用に作ろう……やっぱり、少し休んでからにしよう」 


 また作る事の大変さを考えると、やる気にストップがかかるのであった。


「呆れたぜ……とんだ妄想野郎だ……

 いいか…作家が夢見る時代は もう終わったんだ!!

 入賞!? 書籍化!? 大人気アニメ化!?

 夢に目がくらんだアホ共は気づかねェ…!!

 このネットの海に溢れる野郎共が幻想に振り回されて死んでいく!!

 死んだバカはこう言われるのさ『あいつは夢を追いかけて幸せだった』と」

「………」

「ハハッハ…!! 負け犬の戯言だ!!

 そういう夢追いのバカを見てるとオレぁムシズが走るんだ!!

 てめェみてェな半端なヤロー共が作家でいるから同じ作家を名乗るオレ達の質まで落ちる

 さっさと失せろ! 働けるうちにな!! ザコ共」

「………」

「ゼハハハハハ この作品はやっぱり最高だ!!

 アイツらの言う事は クソだ

 作家が夢を見る時代が終わるって………!? えェ!? おい!!

 ゼハハハハハ!! 人の夢は!! 終わらねエ!!! そうだろ!?」




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