商人のフライア2
〝現状〟ということは、今が改善されれば好転するという事。
〝難しい〟ということは、条件次第で可能という事だろう。
「問題点を説明させていただきます」
「お願いします」
「新たな領主を迎え、名前を変えて現在復興作業中な事は商人なら知っていて当然です。
なのになぜ目ざとい商人達が、領主に恩を売る絶好のチャンスに食いつかないか分かりますか?」
「……それを差し引いても、マイナスと考えているからですね」
「そうです、現在フェニックス領の街では、冒険者がほとんどいませんね?
狩る者が減れば、移動中にモンスターや賊に襲われる危険が高まってしまいます」
これは分かっていた問題点ではあるのだが、簡単に解決できる問題では無い。
やはり、冒険者を惹き付ける何かが必要不可欠かもしれない。
「そして危険を乗り越えて商品を運んでも、領民に買う余裕があるかどうか。
いくら領主への恩が魅力的でも、金にならないのであれば、大商会でもなければ躊躇ってしまいます。
護衛に冒険者を雇うのも無料ではありません。やはり、利益が見込めなくては」
実は2件ほど大手から出店の話は来たのだが、あまりにも足元を見た話だったので、断っている。
1度でも下手に出れば更に足元を見られるだろうし、それでは長続きしない事が予想できるからだ。
〝交通〟と〝利益〟この2つの問題は言われるまでも無く、分かっていた事だ。
しかし分かってはいても、解決策がまだ浮かんでいない。
例えば、僕が頑張って危険なモンスターを狩り、賊を捕らえて減らしたとしよう。
そうすると、更に冒険者の仕事が減り、余計に寄り付かなくなる。
力技では解決できないのだ。
お茶を飲んで一息入れる。
やはり、〝それでも〟と思わせる何かを提示できなければ、商人は動かせない。
「1つ質問しても宜しいでしょうか?」
「はい、なんでしょうか」
「殿下ならば、指摘するまでも無く問題点を理解していたはずです。
なのになぜ、私の元へと来られたのですか?
私は自分の店に誇りを持っていますが、中規模にも満たない小さな商会です。
あえて私どもを選んだ理由が知りたいのです」
問題点は分かっていた事だし、今回で良い答えが聞けるとは考えていなかった。
それでも来たのは、いつかに向けて話だけでも聞いてもらおうと思ったからだ。
「フライアさんの商会では、女性しか働いていませんよね?」
「……ええ」
「僕は差別や偏見の無い街を作ろうとしています。
なので、女性の立場向上に一役買いそうなフライアさんの店には、いずれ出店して欲しいと思ったのです」
「…………」
フライアさんが驚いた表情のまま固まる。
そこまで変な事を言ってないと思うだが……。
「……フライアさん?」
「…はッ……失礼いたしました」
「いえ」
「殿下は……それが本当に実現可能だと、お考えなのですか?」
「非常に難しいとは理解していますが、必要な事なので諦めるつもりはありません」
「……それは、誰かの為ですか?」
「はい」
それができないのであれば、領主になんかなった意味が無い。
まっすぐ執事への道を進みたいのに横道に逸れてしまったんだ、少しくらい我が儘を通しても良いだろう。
「……出店の件ですが、少し考えさせてください。話し合う必要もありますから」
「え? ですが、全然メリットを提示できていないのですが」
「いいえ、十分すぎる程に〝希望〟を見せて頂けましたよ」
そう言うと、フライアさんは優しく微笑むのだった。
「オーナーにススメられて呼んだ作品に震えた 後で知ったんだけど、なろう作家だった
もうね死んでる場合じゃないって 私もこんなふうに誰かを感動させたいって
でも……もう作家あきらめようかなって思ってる
書くのは好きだし続けたいけどブクマも評価も低いし、正直潮時かなって……」
「英子さん、自信を持ってください あなたの作品を楽しんでいる人間が目の前にいるのですから」
「でも……」
「三話…英子さんの作品を三話まで読ませていただきました
心が震えもっと多くの人に読んで欲しいと思いました
ですから私があなたの軍師になります」
「え?(めちゃくちゃ序盤じゃんッ!!)」




