商人のフライア
次にやってきたのはフライアさんのお店だ。
商人という事は店を任せ、各地に仕入れに行ってる可能性だってある。
居てくれると良いのだが。
「すみません、フライアさんは居ますか?」
とりあえず店内へと入り、近くにいた店員さんに声をかける。
「失礼ですが、お約束は?」
「いえ、約束はしていません」
「それですと、お取次ぎはできません。申し訳ございませんが、約束をしてからお願いいたします」
丁寧だが有無を言わせない感じで断られてしまった。
取次ぎができないと言っているので、居る事は居るんだろうが…。
「わかりました。今日は買物だけにしときます」
「ご理解いただき感謝します。何かお探しでしたか?」
「いくつか欲しい物が有るので、少し見させていただきます」
「かしこまりました。ごゆるりとどうぞ」
店員さんが離れていく。
真面目で優秀そうな店員さんだったが、表情が硬いので少し圧を感じてしまった。
「自分が誰か伝えれば、面会できたのでは?」
「そうかもしれないけど、緊急事態でもない限りは、権力を振り翳すような真似はちょっとね」
ピエリスと話していると、後ろから声をかけられる。
「まあ! やはりユーリオン殿下ではありませんか」
振り向くと、そこには見覚えのある女性が立っていた。
「フライアさん!」
「何か私に話があるとか、応接室の方へとご案内させて頂きますわ」
「約束も無いのに良いんですか?」
「特別ですよ」
そう言ってウインクする。
ここはお言葉に甘えよう。
移動後、着席して1分も経たずにお茶が運ばれてくる。
前もって指示していたのだろうが、こういう部分は見習いたい。
「それで、ご用件は?」
「はい、まずは突然の来訪にも拘わらず、お時間を頂きありがとうございます」
「本来なら約束が無い場合、私の所まで話は来ないのですが、
今回は、少し変わったお客様だという事で、念の為にと私の所まで来たようです」
対応してくれた店員さん、確認してくれたんだ、ありがたい。
「本日はご相談というか、お願いがあって参りました」
「お話を伺いましょう」
「フェニックス領の街に出店して欲しいのです」
「……結論から言いますと、現状難しいですね」
「シャーッハッハッハッハッハ!! 評価しない読者だと? そりゃあ不運だったなァ
しかし、約束は約束 俺の前に一億話用意できなきゃ 俺も高評価するわけにゃいかねェ」
「外道……!!」
「だが まァ…! たかが一億話だ また ためりゃいいじゃねぇか!!
それとも逃げ出すか? ただし…その時はお前の作品全て低評価されることになるがな……!!
ん? どうしたナミ ついに逃げ出すのか!? シャハハハハハハ!!!」
「これまでだ!! ペンを取り戦うぞ!!!
私達は8年前 一度は打ち切りをとどまり誓った!
奴らがブクマも評価もせず どんなに苦しく屈辱でも 耐え忍ぶ戦いを続けようと!!
だがこれがあいつらの答えだ!!!」
「待ってよみんな!」
「ナミ……!」
「もう少しだけ待ってよ! 私また頑張るから! もう一度お話を貯めるから!!」
「もういいんだ……! よくここまで戦ってくれた!!」
「やめてよみんな!! もう私……! あいつらに傷つけられる作家を見たくないの!!」
「どきなさい!! ナミ!!!」
「!!」
「いくぞみんな!! 面白くなくても作家の意地を見せてやる!!!」
「アーロン! アーロン!! アーロン!!!……!……ルフィ……
なによ…! なにも書いてないくせに…!!」
「うん 書いてねェ」
「あんたには合わないから…! 別の作品を読めって言ったでしょう!?」
「ああ 言われた」
「…………ブクマと評価して…」
「当たり前だ!!!!」




