18.風花
私は、どうしたらいいのかしら。
どこで間違えてしまったのか、もうわからない。ただ確かなのは、『あれ』のせいで全てが狂ってしまったということだけだ。
まともだったはずの景色も、時間も、何もかもが歪んでしまった。
あんなものを作ったせい?
ふと、そんな思いが頭をよぎる。私が、あんなものを生み出してしまったから。それがすべての引き金になったのかしら。
……いや、違う。あれのせいではないわ。
あの男のせい。
でも、どちらのせいだとしても、現実としてこんなことになってしまった。
今更、私にどうしろというのかしら。私に何かできるとでも言うの?
元に戻す方法なんてない。どこにも行き場なんてない。
胸の奥で張り詰めていた何かが、ふつりと音を立てて切れた気がした。
冷え切った心に浮かぶのは、ひどく凪いだ感情だけだった。
もう、確かに全てどうでもいい。
抗う気力すら、残ってはいない。
それに、みんな不幸になればいいのよ。
私だけがこんな理不尽な思いを抱えるなんておかしいもの。
何も知らない顔をして笑っている人間たちも、みんな揃って、同じ底なしの泥沼に沈んでしまえばいい。
声にならない乾いた笑いが、ふつふつと喉の奥から漏れ出る。
なんで、こんなことになってしまったのだろう。
せっかく、あれから逃げられたのに。
ようやく、すべてが終わったと思っていたのに。
これは、報いということなのかしら。




