私の高校ライフはどこへ行っちゃうの?
秋華にカフェで問い詰められた日から数日後、結果的には桜花との恋人関係を保留に戻した。
というのも嫉妬に駆られた秋華が、私と桜花の二人だけで放課後デートをしようものなら〇してやると言わんばかりに黒いオーラを放ちながらくっついてくるので、「これじゃあいままでと変わらないよね」と桜花と話し合って仕方なく決めたわけで。
だからというかなんというか、ひとりの時間が欲しくて放課後になってすぐ直帰した私は自室に入るなり制服のままベッドに転がった。
思考をぐるぐると回っているのは、いつでもカフェでのあの出来事。まさか秋華まで私にLOVEだったなんて。
確かに近いなって感じた時はあったよ。急にお揃いのキーホルダー付けようって渡してきたり、回転寿司屋では私の飲んでたドリンクを間違って飲んでたり。
それにさ、桜花とは知らないところで約束どころか協定なんて結んでいたらしい。内容はあまりにも生々しすぎて思いだしたくないけど……。
桜花とは両想いだったことは素直に嬉しい。嬉しすぎて「LOVEです」なんて返しちゃったけど、秋華の気持ちを考えると一年生の時とは違って、これからどうやって三人で付き合っていくのが良いのか、距離感がわからなくなる。
どこかの選択を一つ間違えると秋華が犯罪者になりそうな気もするし。
「ん~、どうすればいいのぉ~」
答えを出せずに悶えていると、スカートのポケットに入れたままだったスマホが震えた。
取り出して見てみると秋華からのLINEだった。私はLINEを開けることなく、通知画面でメッセージを確認した。
《もしかして桜花と一緒?》
既読を付けるのが怖いよぉ~、と戦慄していると間髪入れずに電話を掛けてきた。
四回ほどコールが鳴った後、スマホを耳に当てる。
『ねぇ、もう帰ったって聞いたけど』
誰に!? というか、やっぱり桜花の告白以降、秋華がなんというかストーカー染みてるよね。
「うん、ちょっとひとりで考えたいことがあってもう家に帰ってるよ」
と返すと、安堵のため息が聞こえた。と思った瞬間。
『よかったぁ~、桜花に処女奪われてるんじゃないかって……』
「秋華! 何言ってるのかな!?」
最後まで言い切る前に声を被せた。本当に何を言い出すんだ、秋華は。
暴走気味の秋華が変なことを言い出す前に話題を変えよう。咳ばらいをしつつ「何か用があったの?」と聞いてみた。
すると、さっきまでの暴走気味秋華から普段の秋華のテンションに変わった。
『考えたいことって、私と桜花のことよね、二奈』
それからごめん、と、最近は暴走気味だった秋華だけど、心配してくれていた。だから私も隠さずに伝えることにした。
「そうだよ。正直、これからどうやって接したらいいかわかんなくなっちゃって。桜花はいつも通りだったけど、秋華まで、そのさ……、好きだったなんて知らなかったし。でも知っちゃったら、知っちゃってるわけで」
結局まとまらない思考のまま、それでも耳を傾けてくれていたみたいで、秋華からある提案をしてくれた。
『これからそっち行ってもいい?』




