こっちの知らない間に何があったの……あんたたち?
始業式終了後。
学校終わりによく行くカフェに桜花ともう一人、高校では私たち以外には優等生と言われている三木原秋華の三人で来ていた。というより、その秋華に拒否権なく連行されていた。
ソファ席の向かいには秋華がコーヒーカップを持ちながらため息を吐いている。
秋華から視線を隣に座っている桜花に向けると、目を泳がせながら秋華に視線を合わせないようにしていた。
「あのさ、あんたたち付き合いだしたの?」
この通り秋華は私たちの行動から訝しんでいるわけで、いま痛い視線を受けながら問い詰められてる。
なので、ここは正直に伝えた方が良いと思って桜花から秋華に顔を向けた。
「ごめん秋華。ちょっと前にね、桜花から告白されて……」
「ふ~ん、それで、OKしたと」
秋華が私の言葉に重ねてきた。その言葉に頷いてから桜花の方を見ると、俯きながらも「うんうん」と頭を上下に振っていた。ただ、何故か秋華の方には顔を頑なに見れない感じで何となく違和感があった。
その違和感がなんなのか、この後の二奈に向けた秋華の言葉で明かされることになるとは……。
秋華が桜花の顔を覗き込んだ。
「桜花はこっちと約束したこと忘れたの? せめて高校を卒業式までは二奈に手を出さないって」
ん? ちょっと待って、桜花と秋華が何? 約束? 手を出さない?
一瞬にして思考が追い付かずにグルグルわけわかんないことになってるんだけど。
それが表情に出ていたのか、秋華は混乱している私に「大丈夫?」と声をかける。
「大丈夫だけど、大丈夫じゃない。というか桜花と秋華の約束って何?」
ほとんど反射的に問いただしていた。
すると、さっきまでの威勢はなく立場逆転というように秋華が小さくなった。それからすぐに目を逸らし、バツが悪いのか俯きながら言いにくそうに口を開いた。
「高校卒業までは3人一緒に楽しく過ごすために、抜け駆けはしないって桜花と約束してたんだ」
言い終えた秋華を見ていると、耳まで赤くなっていた。
その向かいで私は固まっていた。




