第21章(最終話) 祝福
最終話です!!
「美味しいです」
「あぁ、美味しいな」
お互いに微笑み合いながら、お茶するのはロキとラキである。ヘルトの意思確認が終わり、あの出来事から1週間経った。この間に、ロキもラキも事件を後始末に追われていた。あの後、公的にロキが次期王太子になり、ヘルトは次期宰相として広められた。チェリー王妃やラキのことは伏せられ、表向きにはチェリー王妃は少し身体の体調があまり良くないということで今後は舞踏会などの社交界は必要最低限になるということだ。他にもチェリー王妃の行動が幾許か制限された形となった。第2王子派であった貴族たちも上手く折り合いを付け、次期王太子の派閥は一件落着となった。だが、ラキはさらに、今回の経緯を事前に両親や兄たちに伝えにも関わらず、こんな危ない橋を渡るようなことをっ!という一斉にこってり絞られた。お陰で精神的にも肉体的も疲労困憊と成り果ててた。
そんなラキを見兼ねてかはわからないが、ロキが気分転換にお茶会を開こうと誘ってくれたのだ。しかも、この前約束していたシフトのショートケーキも付けてくれていた。実はラキが色々と追われていた間に次の予定だったよはずのお茶会があり、そのときのケーキは食べられなかった。ロキから申し訳なそうにそのときを聞いたときに、再度チェリー王妃の怒りが再熱しかけたのはいた仕方がないことだったと思う。
そんなで見るからに落ち込んだラキを憐れに思ったのか再度取り寄せてくれたのだった。
「ラキ嬢」
「はい」
「陛下…父上に言われたことがある」
ロキはヘルトの意思確認後から3日後のことを思い出していた。呼び出しを受け、父からは個人的に今回の事件の発端は自分であり、お前を守り切れず申し訳なかったなどの謝罪を非公式ながらに受けたのだ。ロキとしては謝られても困るというところが正直な気持ちであったが、「気にしておりません。謝罪はしかと受け取りました」と言い、その呼び出しは終わった。父でもある陛下は己にとっていい父親だったかと言われると微妙なところはある。だが、ある程度己も大きくなり視野が広がったことで…父のチグハグな動きにも一種の納得感というものは持っていたのだ。
「父の姿を見ながら…私も父と同じような道を辿るところだったかもしれないと思ったのだ」
「なんですか??」
「私は、このまま行けば王になる。そうなれば、世継ぎを残さなければならない。私は無論、そこに恋心などがなくとも、親愛に近い者でも結婚したら大切に相手を尊重しながら生きていくつもりだった」
「王族として素晴らしい考えだと思います」
「…そうだろうな。王族としては正しい。だが、それは相手の気持ちを私の定規で推し量ってることなんだと、それをすることで再度自分のような子を作っても可笑しくなかったのだと…そう思ってしまったのだ」
静かにラキはロキの顔を伺っていた。ロキ自体がここまで自分の気持ちをさらけ出すのも珍しいと思いながら聞いていた。そして、ロキが言った問題はロキのような王族だけではなく上流貴族たちの間にも燻っている問題でもあった。無論、情熱的な恋などではなくてもお互いにお互いを大切しながら、ゆっくりと愛を育む貴族たちも沢山いる。だが、一方で今回のようなお互いが持っている熱に温度差があることもあるのだ。
「それでも、チェリー王妃が貴方に行ったことの理由付けにはなりません。チェリー王妃自身も寂しかったら寂しいと周りや誰かに弱さを見せるべきだったんです…まぁ、今更の話しになってしまいますが」
「貴方らしい意見だな」
「…褒め言葉と受け取ってもいいんでしょうか」
「あぁ、褒めている」
ラキは次に出る言葉を思わず呑み込んだ。ロキが此方の本当に優しい笑みで見ていたからだ。目にはどこか熱が篭っているよな…何を!ラキはそこで思考を停止させた。混乱しながら、ロキの次の言葉を待った。
「私は腑甲斐無い男だ。王妃の脅威を感じながら、結局自分ではどうにかすることさえしなかった。社交だって、剣技や学術も得に特出したものはない」
えぇー急にネガティブキャンペーンとかどうしたの?と己もそこそこまだ混乱していることを感じながら、ラキは「そんな…」と言おうとしたところで、ロキが少し伏し目がちだった顔をラキの方でに挙げてきた。
「こんな私が私自身が嫌いだった。だが、ラキ嬢に「それも一種の長所だ」とそのままの己を受け止めてうれたときに少し荷が軽くなった。少しだけで自分を受け止められたと思う。他にも私は君から沢山のものを貰ってきた。その度に貴方が私の中でどんどん大きなかけがえのないものになっていったんだ。」
それはよかっ…今は何と言った?かけがえのないものって言わなかった?いや…でもそれは家臣とかそういうこともあるかもしれないし…ラキは必死にどんどん早くなっていく脈拍を押しとどめていた。
「…このまま婚約を続けて貰えないだろうか」
「へ?」
「いや…派閥同士の戦いが終わったところで、まだまだこの国にはやるべき事や課題が山積みだ。それを通して貴方に沢山の苦労や迷惑を掛けていくだろう」
「いや、そんなこと…」
ないと言う前にロキが口を開ける。
「だが!私の人生全てを掛けて貴方を絶対に幸せにする。だから…私の隣にずっといてくれないだろうか」
「嫌です」
ロキの切実な声を物としないで、スパッとラキの声が響く。取り付く島がない様子のラキに思わず、ロキは一瞬固まり、愕然と肩を落とす。
「…嫌か」
「ロキ殿下も一緒に幸せにならないと意味がないでしょう?私だけ幸せにしてもらうなんて嫌です。」
「え?」
ロキが顔を上げると、そこには、泣きそうなでも嬉しそうな笑みを零すラキの姿があった。
「貴方が人生掛けて幸せにしてくれるなら、私だって私の人生掛けて貴方を幸せにします。」
「…それはつまり」
「2人とも幸せになれるなら婚約を続けます」
「!、もちろんだ!なろう、2人で幸せに」
ラキもロキも2人で当分笑いあった。
_それから5年後。
ラキは白いドレスを来て、教会に立っていた。
この間にラキはロキのことを「ロキ様」と呼び、ロキはラキのことを「ラエル」と呼ぶ。詳しくは知らないが、自分だけの呼び名を作りたいと思ったようだ。
「ラエル、手を」
「はい、ロキ様」
ラキはロキの差し出された手に取り、微笑んだ。
ロキも嬉しそうに満面な笑みを浮かべる。
後ろで2人の門出を祝うように鐘が鳴り響いた。
ここまで読んだ頂きありがとうございます。
私としても初めてとなる、20部以上に渡る長編小説を書かせて頂きました。
少し、皆様に楽しんで貰えたら幸いです。
拙いところも多々あり、反省すべきところは沢山あるなというところです。
機会などがあったら、ここでは書けなかった2人の5年間の生活や裏のことなども書けていけたらいいなとも思っております。
本当にここまでお付き合いして頂きありがとうございます!また、新作出たら宜しくお願いします!




