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第12章 約束

サボり捲ってすみません!!(土下座)

サボりん子した(言い回しがちょっと古い?)の分もちょっとずつ投稿していきたいと思います(⍢)

茶会日和と言っても過言ではない程に、ラキは穏やかな気候に包まれながら美味しい紅茶に口に付けた。

紅茶の良い香りに少し微笑んだ後、最近定番になりつつある茶会相手ロキの様子を伺いながら口を開いた。


「…どうかされましたか?」

「そんな酷い顔をしてたか?」

「酷いというより…憂鬱っていう感じですかね」


最初は具合が悪いのかと思ったものの、一見して元気そうだったのでその考えは却下された。次にこの茶会が嫌だったのかと思ったが…ラキが持ってきたロキの好物の1つであるアップルパイに目を光らせたり、紅茶を飲んでいる様子からそうでもなそうに見えた。そもそも茶会が憂鬱ならその日にキャセルすればいい。

…ということをものの数分に考え、結局わからないと結論になったラキはロキに聞くこととしたのだ。


「実は…大叔父に格闘技鑑賞に誘われたんだ」

「まぁ、それは」


ラキは扇を広げ、口元に隠す。彼の言う叔父は先代王の弟君であるラジアン・ルシファー公爵のことだ。ラジアンは武芸に長けており、また本人も戦闘狂までは流石に言わないがそれでも好戦的な性格をしている。そのために、国境近くの城塞を守っている。少し話したことはあるが、気前のいいおじさんという風貌と性格をが見事にマッチしたような人物であった。


「…あまり気乗りしなくてな」


ロキは、少し困ったような顔で言っていた。珍しい…と思いながらラキはロキを見ていた。格闘技の聞けば、多くの令息たちは目をキラキラとさせるものだ。そもそも格闘技鑑賞とはその名通り死闘を鑑賞するものである。この世界には奴隷という概念が存在している。奴隷のなかでも労働奴隷と戦闘奴隷というものがある。人とのやり取りが一種のビジネスさえここではなっている。その代表格が格闘技鑑賞である。格闘技鑑賞ではその戦闘奴隷がライオンやチーターなどと生死を掛けた戦いを繰り広げる格闘技場があり、それを取り囲んだ大きな客席がある。その死闘を見届けるために多くの人々が集まり、そこには熱狂の渦ができるそうだ。貴族や平民問わず…特に多くの貴族の紳士が好んで見ているものである。この国では貴族の1つ愉しなのような認識がある程であった。そんななかロキ殿下は「気乗りしない」と言ったので、ラキは少し驚いたのだった。ラキとしても、前世の記憶もあり、あまり好んで行きたい場所ではないのは確かである。


「口振り的に行ったことがある感じですね」

「あぁ、1回だけな」


珍しいと思ったものの、彼の性格を考慮すれば差して珍しいことでもない。ロキは人が良い性格だ。ラキから言わせてみれば、良すぎるくらいである。

そんな彼があんな血で血を洗うような死闘を見れば、戦闘奴隷に同情してしまい、苦手とするだろう。奴隷も同じ人間あることをしっかりと理解している。…この世界ではまだ奴隷は人ではないような認識がある。同じはずなのに、同じではないような扱いなのだ。

うん、やっぱりこの方はいい王になる。

奴隷は我々と同じ皮を被った何かという認識が強い…もはや固定観念とさえ言ってもいい。そんな価値観のなかでそれを囚われず、己の頭で考えるのは言葉で言う程簡単なことではない。…高揚感を感じた。

そうか、これが主を見つけるということなのかもしれい。前世のなかでは、個人暗殺業からボーディガードのような特定の人物隠密的な立場になる奴が一定数いた。そんな奴らのなかは総じて、「あの人に付いてきたいと思ったんだ」と言って去っていった。あのときは全然わからなかったが、この高揚感は正しくそんな感じであると勘が言っている。素質があるからこそ、あとは彼自身の自己肯定感さえを付ければ、賢王になるだろう。欲目かもしれないが。


「私も行ってもいいでしょうか」

「君が?」

「はい」

「何故?」


首を傾げる仕草とかちょっと可愛いな…って違う。流石に王族の前で頭を振ることはできないので、頭の中の己が首を振り、穂を両手で挟んでバシッと叩く。少し浅い深呼吸をし、その経緯を掻い摘んで話した。ことの始まりはラキが王宮に出入りするようになったことから始まる。今まで、ラキたちは用がないときは家を出ることはあまりなかった。そのため少数規模でも十分回せていたのが…ラキが移動するようになり、護衛が手薄ではないかと話になったのだ。これだけ回せなければならないというなら、回せなくはないがもう少し護衛があった方がいいのは確かである。

最近、間者の奇襲も減っていることからも王妃派が何を仕掛けてくるのかわからないというもある。

つまり、予断は許さない状態である。


「なるほど…しかし何故格闘技場に?」


格闘技場に戦闘奴隷は敗戦国の元騎士出の者だったり、サータニア人が多い傾向がある。サータニア人とは、この国の南部に位置するサステルブル地方に住んでいる民族たちのことを指す。彼らは元々の戦闘能力が高く、戦闘奴隷として高くやり取りされることが多いのだ。変なところでやるよりかは良いが、ラキのシェリ家で態々格闘技場まで探さなくても、多くの騎士が名乗りを挙げるだろう。ロキは心中で感じた鉛のような重いもののを感じながら、疑問を問いかけた。


「ふふ」

「何故笑う?」

「何で近場に騎士がいるのに、格闘技競技場で探すのがわからないって顔に書いてますよ。」


ロキは少し驚きながら、ラキを見た。ラキという女性は見た目以上に武芸に長けており、聡明な女性だ。そしてロキの表情をいち早く感じ取ってくれる。前よりは表情が出てきているとは言え、まだロキの表情を見極めて話す者は少ない。ましてやここまで正確に己の表情から感情を読み取れる人物は、父や乳兄弟であり側近のラパオくらいしかロキは知らない。


「私は騎士でも良いのです…ですが、日々生死を境目で日々生きる()()と騎士は剣の筋が違います。騎士の剣は確かに、型が決まり洗練された動きあります。私は…荒削りだろうが"生きる剣"の強さがある方を取りたいと思ってます」


ラキの微笑みを見て、自分の中にあった鉛のようなものが消えていくのを感じた。あぁそうか、私は彼女に無意識の内に、彼女は身分などを問わず平等に接する人間だと期待していたのか。そして…勝手に失望し、彼女は戦闘奴隷を彼等としっかりと言ってくれたことで無下に扱う人ではないとわかって、安心したのだ。


「そこまで言うならわかった。一緒に行こう」


ロキは気づいたらそう言っていた。

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