99話:荒れる状況
ボードに浮かび上がった文字を見て、なぎさは恐れおののく。どんな乱暴者がやってくるのだろう、と。教室のドアを乱暴に開け、大男が入ってきた。
「ひっ!?」
パーマ頭で機関銃を持っている。大男は口を歪ませながら、機関銃を上に向けて発砲し始めた。
「うおおおおおおおおおおおおお!!」
突然の出来事に、善永を狙っていたヴァン・ペルトは怯み、その場を去る。大男は機関銃を連射し続けている。
「今のうちに逃げろおおおおおおお!!」
それを聞いて、善永たちは窓から逃げた。大男は発砲を止める。
「任務…完了しました…!」
そう言って大男は帰っていった。善永たちはグラウンドにまで逃げてきた。ヴェロキラプトルは追いかけてこなかったが、ボードとサイコロは違った。善永の目の前にまで近づいている。
「俺の番か…さっきの男みたいに味方だったらいいんだが…」
善永はサイコロを振り、4を出した。ボードの上に浮かんだ文字を見て、善永は絶望した。
『抹殺者』
「絶対追いかけてくるパターンだろ!」
荘介がなんとか慰めようとする。
「味方かもしれない!サングラスをつけていれば、味方だ!」
そのとき、遠くから何者かが走ってきていた。警察官の制服を着ている。それは、アメリカンポリスの風貌に近い。
「終わったな。敵の方だ。」
荘介が目を逸らしている横で、有賀が光のビームを発射していた。善永もアイビームで抹殺者を狙撃する。それぞれのビームが、抹殺者の体に穴を開けたが、すぐに塞がった。
「ダメだ!あいつの体は液体金属でできている!逃げるしかない!」
善永たちは抹殺者から必死に逃げる。しかし、足の速さは抹殺者が上だった。ぐんぐん距離を詰められる。抹殺者は腕を鋭利な刃物に変形させ、今にも善永を切り裂きそうだ。そのとき、餅とペンキが抹殺者の足に纏わりついた。抹殺者は動けなくなる。
「本田さん!篠原さん!」
三年生がやってきている。
「俺たちがそいつを止めておく!お前らは逃げろ!」
善永は2人に感謝の言葉を述べつつ、八ッ場にビジョン・シェアをする。
「ん!?なんだこれ!」
「八ッ場!突然ですまないが、こいつを釣ってくれ!」
「ああ!わかった!」
八ッ場は釣り竿を勢いよく振るい、あるものを釣った。それはセダンタイプのトヨタ・センチュリーだ。
「これって、善俊おじさんの車じゃ…」
なぎさが不安そうに見ている中、善永は平気そうな顔をしていた。
「大丈夫だ!傷さえつけなければいい!」
「すまん。釣るときにちょっと擦ったかも…」
「え!?…まあ大丈夫だろう!」
そのとき、センチュリーの助手席側についてあったサイドミラーがぽろっと落ちた。
「…木工ボンドでつければいい!急いで乗るぞ!」
善永はセンチュリーの運転席に乗り込む。助手席になぎさを、後ろの席に荘介と有賀を乗せた。
「シートベルト締めた!?」
「イエス!」
「じゃあ、いくぞ!」
善永はルームミラーの位置を調整した後、センチュリーを急発進させる。
(意外とそういうところは丁寧なんだ…)
そう思う有賀であった。センチュリーは学校を飛び出て、通学路を走り抜ける。途中、ヴェロキラプトルが暴れていて、逃げ惑う市民の姿があった。
「ちいっ!」
善永は暴れているヴェロキラプトルにアイビームを命中させる。それを見たなぎさが驚愕する。
「えいちゃん!目開けなくて大丈夫!?」
善永は目をつむって運転していた。危険極まりないが、普通に運転できている。
「ああ!安心しろ!車の前―視界①―と後ろ―視界②―をそれぞれ俯瞰できるように、視界を設置してある!マリオカートをやってるようなもんさ!視点の切り替えもできるぜ!」
善永は視界②で見た。抹殺者が走って追いかけてきている光景を。
「まずい!2人を振り切ったか!」
善永は視界②からアイビームを発射して、抹殺者の腹部に穴を開けた。一瞬だけ動きを止めることができたが、すぐに抹殺者は追跡を再開する。有賀は後ろを気にしつつも、サイコロを振った。出目は2。ボードの上に文字が表示される。
『タイタニックで大パニック』
善永の挑戦状:ロバート・パトリックがその役を演じた、液体金属でできており擬態能力を持つ、『ターミネーター2』に登場するアンドロイドは何?
前回の『善永の挑戦状』答え:『イエスマン “YES”は人生のパスワード』




