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98話:町の危機

有賀は浮かんできた文字に目を通し、ほっと一息ついた。

「なんか安全そうなのがきた。私の頭の中にヘンデルの『メサイア』が流れてくる。」

そのとき、ホワイトが有賀に尋ねた。

「有賀さん、あなた、生徒会副会長の近藤さんが好きだという噂を聞いたのですが、本当ですか?」

突然の質問に有賀は取り乱し、必死に否定する。

「違います!根も葉もない噂です!」

有賀がそう答えたとき、理事長室の床が壊れた。4人が1階の教室に落下する。

「な、なんだあ!?」

4人はなんとか受け身をとるが、なぜこうなったのか理解できなかった。上からホワイトの声が聞こえてくる。

「本当のことを言った方がいいですよ。好きなんでしょう?」

「違う!好きじゃない!」

そのとき、上から黒いソファーが落下してきて、有賀に命中しそうになった。それを見て、荘介がはっとした。


「どんな質問にも『イエス』と答えなければならないんだ!生徒会長!嘘でもいいんで、『イエス』と言ってください!」


「嫌だ!」

デスクが落下してきて、有賀に命中しそうになった。観念した有賀が大声で叫んだ。

「イエス!イエス!これでいいんだろ!?大大大好きだよ!」

有賀がそう言うと、場が静まり、何も起きなくなった。善永がにやにやしている。

「ほーん、そうなんだなぁ…」

「おい!その顔はなんだ!それよりも次だ!次!」

次の番は荘介であった。ボードとサイコロが宙を浮いて、荘介のもとに引き寄せられていた。

「なるほどな。続行しなければならないというのは、こういうことなんだな。」

荘介はサイコロを振る。サイコロの目は、5を示していた。

「やった!5だ!」

ボードの上に文字が浮かび上がる。


『獰猛な肉食恐竜、どう思う。』


4人が震えあがった。これは、間違いなくやばいマスだと、一目見てわかった。4人が言葉を失っていると、教室の中に何かが入ってきた。鋭いかぎ爪を持つ恐竜だ。

「ヴェロキラプトルだ!『ジュラシックパーク』仕様の!」

荘介は鞭を出現させる。それを見て、なぎさが不思議がった。

「あれ!?念写は!?」

「佐藤が死んでから使えなくなった!鞭しか使えん!」

荘介が鞭を振るい、ヴェロキラプトルを牽制する。ヴェロキラプトルは、ぐるるとうなりながら、荘介を攻撃する機会を狙う。そのとき、ヴェロキラプトルの首をビームが貫いた。有賀が指からビームを発したのだ。ヴェロキラプトルは、倒れながら消滅していった。

「大したことなかったな。」

有賀が笑っていると、背後から気配を感じた。後ろにもう一匹のヴェロキラプトルがいた。

「きしゃああ!」

ヴェロキラプトルが有賀に噛みつこうとする。それを、善永のアイビームが貫通した。

「おい!油断すんじゃねーぞ!」

「イエス!」

有賀が威勢よく返事する。


教室に恐竜がやってこなくなった。一安心していたとき、なぎさがあることに気がついた。

「あれを見て!」

なぎさが指差す方に皆が目をやると、数匹のヴェロキラプトルが学校を出て町の方に向かっていくのが見えた。善永はうなだれる。

「このままじゃ、町が危ない!」

善永は目をつむり、ヴェロキラプトルを追うが、

ぱんっ!

銃声が聞こえてきた。銃弾が教室の窓を割る。

「撃ち殺してやる!川路善永!」

ヴァン・ペルトが教室に入ってきていた。ショットガンを構えている。しかし、撃つことができなかった。

「弾切れか!」

有賀がヴァン・ペルトに指を差し、光のビームを放とうとしたが、善永に止められた。

「やめてくれ!親父は撃てない!」

「イエス!」

(だが、あいつは偽物だろうが!)

有賀は心の底でそう思うのであった。その頃、なぎさがサイコロを振っていた。サイコロの目は6。ボードの上に文字が表示された。


『乱暴者現る』


善永の挑戦状:決断を迫られたときに「イエス」と答える男をジム・キャリーが演じた、2008年公開のコメディ映画は何?


前回の『善永の挑戦状』答え:『ジュマンジ』

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