97話:恐怖のボードゲーム
善永たちは、後ずさりしながら、戦慄した。
「なんだって!?」
ホワイトがにっこりしながら手招きする。
「おいで?お菓子もありますよ?」
仕方なく、善永はホワイトに近づこうとする。それを篠原が制止した。
「落ち着け、ブラフかもしれないぞ。」
「そう思えません。見てください。あのオーラを。」
善永に言われて、篠原がホワイトの方を見る。ホワイトから紫色のオーラが発されていた。
「さあ、来てください。ボードゲームもありますよ?」
善永と荘介、なぎさが理事長室に入る。三年生たちは理事長室の外で様子をうかがう。
「ふん。腰抜けだね。」
有賀が、三年生を嘲笑しながら、堂々と理事長室に入っていった。八ッ場が歯をぎりぎりさせていた。
「あいつを女子更衣室にでも放り込んでやりたい…!」
こうして、4人の生徒が理事長室に入った。ホワイトは4人に、黒いソファーに腰かけるよう勧めた。4人は勧められた通りに腰かける。真っ先に口を開いたのは善永だ。
「あなたがNo.3なんだよな?斎藤先生に何をしたんだ?」
「ふふふ。地下に入れて、部下に始末させようとしたんですよ。不幸にもほとんどが役立たずだったようだけど。」
ホワイトはあっさりと、かつ堂々と答えた。
「そんなことよりも、ゲームをしましょう?せっかく4人もいるんだし…」
ホワイトの周りに謎の結界が出現する。立ち上がり構える善永たちだが、ホワイトはそれを静めた。
「安心して?これは、私を守る結界ですよ。」
「なおさら安心できるかよ。なんのつもりだ。」
「だから、ゲームをするのですよ。ボードゲームをね。ルールを説明します。」
ホワイトはルールの説明を始めた。簡潔にまとめると、次の通りである。
①ゲーム中、ゲームマスターにあたるホワイトには、あらゆる攻撃が通用しない結界が張られる。
②一度ゲームを始めれば、ホワイトの兆能力範囲から出ても、クリアするまでゲームを続行しなければならない。
③4人協力型。4人でゴールを目指し、たどり着けばゲームクリアになる。
④ゲームが終われば、ホワイトは30分兆能力が使えなくなる。
「これが私の兆能力『リヴ・アンド・レット・ダイ』のルールです。そして、4人に楽しんでもらうゲームは、これです。」
デスクにボードが出現した。4人は恐る恐るデスクに近づき、そのボードを見つめる。
「『ムービー・スタジオ』?」
ボードには、スタートとゴールを除き、全部で30のマスがあった。ボードの上に、車のコマと立方体のサイコロが置かれていた。ホワイトは微笑みながら善永に語りかける。
「映画のスタジオを車で巡るツアー…そういう設定のボードゲームです。まずは、あなたから。サイコロを振ってみて?」
善永はホワイトを見る。にっこりと笑っているが、逆に不気味だ。唾を飲み、善永はサイコロを手に取った。そして、投げた。
サイコロがころころ転がる。サイコロがぴたりと止まり、3の数字を示した。すると、車のコマが一人でに動きだし、3マス分進んだ。
「なるほどな。これでゴールに着けばいいだけか。ちょろいな。」
「文字を読んでください。」
「え?文字?」
善永が戸惑っていると、ボードの上に文字が表示された。善永はそれを音読する。
『森の老いたハンター、盛り返す。』
「なんじゃこりゃ?ハンター?」
善永が謎の文字列に戸惑っていると、
ぱんっ!
理事長室に銃声が鳴り響いた。善永が辺りを見回すと、黒いソファーに穴が開いていた。理事長室の外にいた三年生たちを押しのけ、ショットガンを持っている老人がやってきた。ハンティングジャケットを身につけ、ハンチング帽を被っている。善永はその老人を見て驚いた。顔があまりにも、父の善俊に似ていたのだ。
「親父?」
「誰が親父だ!私はヴァン・ペルトだ!それじゃあ、なんだ?お前の名前はエン・ペルトか!?撃ち殺すぞ!」
ヴァン・ペルトと名乗る老人は、ショットガンの銃口を善永に向け、発砲する。銃弾は善永の側を通った。ヴァン・ペルトは再びショットガンの引き金を引こうとする。そのとき、ヴァン・ペルトが一瞬にして消滅した。理事長室の外にいた八ッ場が釣り竿を振るっていたのだ。
「あの男は体育館近くの倉庫にリリースした!」
「助かります!…それにしても、どうなっているんだ!」
荘介がしばらく考え込み、手をポンと叩いた。
「『ジュマンジ』だ!ザ・ロックじゃなくて、ロビン・ウィリアムズの方の!マスに書かれたことが、現実でも起きるんだ!」
「そんな…これをやらないといけないの?あと27マスもあるんだけど…」
いつの間にかサイコロを振っていた有賀が口を開く。
「できる限り6を出せばいいだけの話だよ。」
サイコロが転がり、ぴたりと止まった。1だ。
「な!?」
車のコマが1マス進み、ボードの上に文字が浮き出る。
『あなたは神を信じますか。答えはイエス。』
善永の挑戦状:1作目はロビン・ウィリアムズが、2作目以降はザ・ロックが主演を務めた、あるボードゲームを題材にした映画シリーズは何?
前回の『善永の挑戦状』答え:風船太郎




