100話:緊急出動
有賀が考え込む。
(タイタニックってのは、間違いなくあれだろうけど…どうタイタニックなんだ?)
「えいちゃん!前見て!」
なぎさが叫んだのを聞いて、善永は前方を俯瞰できる視界に切り替えた。前方に大型トラックが止まっているのが見えた。しかし、善永は後ろから迫ってきていた抹殺者に気をとられて、それに気がつくのが遅かった。
「ぶつかる!」
善永は勢いよくブレーキを踏む。ききーっと音を立てながらセンチュリーが減速するが、衝突は免れえなかった。トラックに少しぶつかる。その衝撃が4人を襲う。
「うわあ!皆!大丈夫か!?」
「イエス!」
幸い、皆無事であった。善永はすぐさまセンチュリーをバックさせ、進路を変えようと試みる。しかし、トラックに衝突している間に抹殺者がセンチュリーにしがみついていた。抹殺者が両手を刃物に変え、右手を車に突き刺し、左手を後方座席に乗っていた有賀と荘介を攻撃するために振り回す。センチュリーのリアウィンドウが割られた。
「うわあ!くるなあ!」
荘介が鞭を出現させ、振り回すが、抹殺者はお構いなしだった。しかし、有賀が発したビームには対応できない。頭を貫かれ、そのまま転げ落ちるのであった。
(やったか…どうやら、タイタニック号が氷山に衝突したのがモデルかな。トラックは氷山代わりだったってわけだ。)
センチュリーから落下した抹殺者はしばらく道路をころころ転がっていたが、すぐに体勢を立て直し、センチュリーが衝突したトラックに乗り込んだ。
トラックが急速度で追いかけてきている。
「しつこい野郎だな!」
トラックは交差点でも全く減速せず、数台の車と接触していた。それでもトラックは追いかけてくる。有賀が手の平から光電弾を出し、迫ってきていたトラックに投げつけた。光電弾がばらばらになって、トラックに穴を開けまくる。そのうち、トラックの燃料タンクにも光の弾が命中し、トラックが派手に爆発した。
「これでしばらく安泰だろう…さあ、サイコロを振りたまえ。」
有賀の命令口調にいらいらしつつも、荘介はサイコロを投げた。出目は2。ボード上に表示された文字は…
『岩が祝いにやってくる。』
「岩?ザ・ロックが協力者としてやってきてくれたらいいのだが…」
荘介がそう言っていると、センチュリーの後ろから轟音が聞こえてきた。荘介が振り返ると、巨大な岩が転がってきていた。
「善永!どこでもいいから曲がれ!」
「ダメだ!曲がれる場所がない!」
センチュリーは速度を上げて走行するが、岩もぐんぐんと迫ってきている。有賀が光電弾を岩に投げつけるが、効き目がなかった。しばらく走行していると、丁字路が見えた。善永はハンドルを切り、右に曲がる。岩は曲がることなく、そのまま直進して、壁に衝突した。
「ふう…ゆとりが一切ないな…」
センチュリーは走り続けるのであった。
一方、善永の家では、善俊がガレージに向かっていた。
「キーを差したままなのかな?」
八ッ場は、センチュリーの鍵もしっかりと釣っていた。鍵が無くなっていることに気がついた善俊が、それを探していたのである。ガレージを開け、善俊は唖然とする。
「な、な、な、ないい!?あれ!?車は!?」
善俊があたふたしていると、電話がかかってきた。スマートフォンを取り出し、対応する。
「はい。川路です。」
「川路!緊急事態だ!町で何かが大暴れをしている!今すぐに向かってくれないか!」
「中原首都警総監!直ちに向かいます!でも、車がありません!」
「なんだと!?なら、園田に乗せてもらえ!彼にも現場に向かってもらうところだ!」
「了解!」
善俊は電話を切り、雄康に電話をかける。
「もしもし…ヤス君かい!?実は頼みがあって…」
町には、複数の警察官や消防士、救急隊員が駆け回って、それぞれ対応に追われていた。そんな中、ヴァン・ペルトがショットガンを持ちながら堂々と歩いていた。善俊に容貌が似ていたヴァン・ペルトは、2人組の首都警察官に声をかけられた。どちらも最新式のアサルトライフルを持っている。
「君!そこで何を…って、川路首都警部!?ご苦労様であります!」
「ご苦労様であります!」
ヴァン・ペルトは目を点にしたが、にやりとした。
「お前たち、いいものを持っているな。貸せ。」
「はいであります!」
「あります!」
2人の首都警察官が持っていたアサルトライフルをヴァン・ペルトに手渡した。ヴァン・ペルトは、どこかに向かい、歩き始めるのであった。
善永の挑戦状:映画『タイタニック』ではバーナード・ヒルが演じた、沈没したタイタニック号の船長を務めていたのは誰?
前回の『善永の挑戦状』答え:T-1000




