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89話:抗う心

家庭科室に銃声が響き渡る。荘介は目をつむりたくて仕方がなかった。しかし、それをする自由さえ、与えられなかった。だが、それによって知ることができた。銃弾が善永に命中せず、男に命中したことを。

(かわしたのか!?あの銃弾を!)

善永は咄嗟にしゃがむことで、銃弾をかわしてみせた。

「荘介の手元が見えるように、視界を設置しておいた。引き金を引こうとする瞬間にしゃがむことで、かわしてやろうと思ってな。」

ゆっくりと立ち上がった善永の背後で、男が発火していた。これには佐藤も狼狽する。

「そ、そんなぁ!?荘介ぇ!何やってるのぉ!?」

さらに佐藤にとって不幸だったのは、荘介がマスケット銃を消滅させたことだ。

「なぜだ!なぜ銃を消滅させているぅ!」


「…ぐぐぐ!…俺は、お前の操り人形じゃねえ!…三田荘介だ!」


荘介はとにかく抗った。自由にはならないものの、善永たちへの攻撃を止めることができた。善永となぎさが佐藤のもとに向かおうとする。

「くるな!この女は俺がやる!」

荘介が叫び、2人を止めさせた。荘介は佐藤を睨む。

「なあ…あいつらを、倒しさえすればいいんだよな?だったら、マスケット銃だけに頼る必要はないってことだよな?」

「な、何が言いたい!」

そのとき、荘介の周りにガスが立ち込め始めた。


「善永!なぎさ!倒れた2人を担いで逃げろ!毒ガスを念写した!」


ガスは、家庭科室全体に広がろうとする。それでも、善永たちは動かない。

「荘介!お前はどうすんだよ!?」

「構うな!逃げろ!」

善永たちは仕方なく、倒れた一太と早明浦を担ぎながら、家庭科室を脱出した。善永が目をつむり、家庭科室の中を確認する。だが、一面にガスが充満しており、よく見えない。しばらくすると、家庭科室が激しい音を立てながら大爆発した。その爆風に、善永たちは吹き飛ばされる。

(ガス爆発か!佐藤が発火したことで、ガスに引火しやがったんだ!)

善永は受け身をとり、すぐさま家庭科室に駆け寄る。煙が立ち込め、中の様子がわからない。

「荘介!大丈夫か!?荘介ェ!」

善永は荘介の名前を呼び続ける。しかし、返事がない。善永は煙が立ち込めているのもお構いなしに、家庭科室に入っていった。せき込みながらも辺りを見回すと、悠然と立っている人影が見えた。

荘介だ!善永は荘介に駆け寄る。

「荘介!」

善永は荘介に抱きつく。

「抱きつくのは勘弁してくれよ。」

荘介は笑いながらも、それを受け止めた。

「さっきの女に抱きつかれるよりはましだろ?…だが、どうやって助かったんだ?」

「念写だぜ?ガスマスクや強固な壁を出現させることだってできるさ。それよりも善永…」

荘介がある方向を指差した。善永はそこに目をやる。

「これは!」

そこには、大きな穴が開いていて、階段があるのが見えた。荘介から離れて、善永はその穴を覗き込む。


「これか!小熊先生が見つけていたのは!」


善永が穴を見つめていると、後ろからなぎさの声が聞こえた。

「ねえ…えいちゃん、これって…」

善永が振り返り、なぎさの方を見る。なぎさは、綾小路レイ事件について書かれた本を手に持っていた。

「!?…なぜそれが!?さっき、燃えたはずなんだが!」

善永はなぎさから本を受け取る。確かにこの本は、落雷攻撃によって燃えたはずだ。それでも、しっかりと形を残している。ページをめくれば、事件の内容が詳細に残っていた。

「処分に困っている原因はわかったな。」

「これからどうする?さすがに、穴を調べるのはまずいよね…」

「ああ。親父に電話するよ。さすがに、こればっかりは公的機関の捜索を免れないだろう。」


しばらくすると、消防車や救急車、パトカーなどの緊急車両が到着して、学校中大騒ぎになった。

救急車は、一太や早明浦を搬送するのであった。それとすれ違う形で、セダンタイプのトヨタ・センチュリーが到着する。そこから、善俊が出てきた。その場にいた警察官・首都警察官が善俊に敬礼する。警察官は紺色の制服だが、首都警察官は黒色の制服を着ているので、それで判別できるようになっている。

善俊は、善永を発見すると早歩きで近づいた。

「善永、とんでもないものを発見したね。」

「だろ?これも生徒だからこそできたんだ。」

「ははは。参ったよ。」

善俊は、笑いながら、善永の頭をぽんぽんする。

「ははは…いてっ!痛い痛い!ちょっと手加減して!」

しばらく善永の頭を叩いていた善俊だったが、例の穴に向かっていった。善永もそれについていく。

「さて、これが例の穴だな?なるほどな。SOCIOLOGIは、この学校の地下に拠点でも作ろうとしていたんだな。」

善俊は目をつむり、紫色のオーラを発する。しばらく目をつむっていたが、ゆっくりと目を開けた。

「誰かいるかと思ったが…誰もいないようだな。」


善永の挑戦状:ストレスや不満を解消するための行動や手段のことを、気体を意味する言葉を使って「何」抜きという?


前回の『善永の挑戦状』答え:『007は二度死ぬ』

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