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86話:不気味な女子生徒

元に戻った善永たちは一息ついていた。外は暗くなっており、校内に残っている生徒は少なくなっていた。

「ふう。斎藤さんも正気に戻ったことだし、今日はもう帰る…って、あれ?荘介は?」

善永は荘介がいないことに気がついた。一太が口を開く。

「そういえば…確か、1階の下駄箱にいたときまでは一緒だったんですが…」

「それじゃあ、そこに向かおうか。」

なぎさの提案に皆が頷き、下駄箱に向かった。


しかし、下駄箱に着いても、荘介は見つからない。テレポートビジョンでも探してみるが、なぜか見つからない。しばらく1階を歩き回っていた。家庭科室にさしかかったとき、善永はついつい足を止めた。

「家庭科室…」

善永は家庭科室に入る。理由は特にないが、引っかかることがあった。しばらく見回していると、早明浦の震えている声が聞こえた。

「お、おい!あんた誰だよ!?」

早明浦がどこかに向かって指を差している。何を怖がっているのか、と思いながら善永は目をつむる。善永はテレポートビジョンで家庭科室の外を俯瞰した。早明浦が指差す方向には、確かに誰かがいた。じっと動かず、こちらを見ていた。そこが、どこか不気味であった。

(女子だ…確かに、ずっとこっちを見てきて気持ち悪いな…)

いたのは、ボブカットの女子生徒であった。早明浦や一太をじっと見ては、不気味に微笑んでいた。

「誰だ!」

善永が家庭科室を出て、その女子生徒に声をかける。しかし、返事はない。ひひひ、という不気味な笑い声だけが聞こえてきた。善永はゆっくりとその女子生徒に近づく。すると、女子生徒の背後から、銃を持った別の人物が飛び出してきた。

善永は即座に家庭科室へ逃げ込む。


「敵だ!銃を持っている!」


「なんだってぇ!?」

その場にいた全員が家庭科室に入り、身を伏せる。善永は目をつむって廊下の様子を俯瞰する。

(銃を持っているのは…男か。)

男は家庭科室に入ろうとする。善永は、それをアイビームで牽制した。男は後ずさりし、青いオーラを発した。

(…親父がよく言っていたな。銃は、決定打がない兆能力使いの持つもんだって。)

男は再び家庭科室に入ろうとする。善永はまたもやアイビームで牽制した。男は、それをかわして、アイビームが飛んできた方向に発砲した。

「なんだと!発射源を特定しやがった!」

善永はそれに動揺してしまい、男が家庭科室に入るのを許してしまった。男は家庭科室に入るやいなや、四方八方に発砲した。銃弾が飛び交う。

「まずい!当たっちまう!」

そのとき、泥が善永たちに覆いかぶさった。一太の泥だ。それは、銃弾をはね返していた。

「相手がレベル2でよかった…私の泥で皆さんをお守りします!」

「助かります!斎藤さん!」

(相手の兆能力はなんだ!?なぜ、あんなに素早く銃を発砲できる!?)

善永はスマートフォンを取り出す。

「aibo!起動しろ!」

『こんばんは。善永さん。夜も近いです。帰り道には気をつけて。』

「銃を四方八方に発砲できる兆能力ってなんだ!?」


『それは、『ワイルド・ガンマン』ではないでしょうか。銃を持つことで、自身の身体能力を高めます。』


善永はスマートフォンをしまう。

(そうか!銃そのものに関連した兆能力だったのか!)

善永は、男の手元を狙ってアイビームを発射した。それは男が持っていた銃に命中し、それを破壊してみせた。

「ワイルド・ガンマンってことは、銃を破壊すれば、ただの丸腰になるってわけだな?」

男のオーラが消え去っていた。善永は拳にオーラを纏わせながら、男に近づく。男は構えるが、泥が飛んできて、ひるんでしまった。善永はそこに強烈なパンチをぶつけた。男は吹き飛ばされ、そのまま発火し始めた。

「こいつは、SOCIOLOGIの人間か!」

真っ黒こげになった男の死体を踏みつけながら、ある人物が家庭科室に入ってきた。例の女子生徒であった。


善永の挑戦状:1984年にファミコン版が発売された、任天堂が開発した『光線銃シリーズ』の1作目にあたるゲームは何?


前回の『善永の挑戦状』答え:『魔王』

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