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85話:生徒会長・有賀栄太郎

4人の後ろで鈴木がほくそ笑む。

(幸運だ!こいつらが近くにいて!今からこいつらには、俺の身を守るために戦ってもらう!)

「君たちは何をしている!」

有賀は取り乱した様子で4人に尋ねる。近藤が口を開いた。

「体が勝手に!ごめんなさい!生徒会長!」

近藤が弓を出現させ、有賀に矢を放った。有賀はそれをビームで相殺したが、今度は針が飛んできていた。新見が飛ばした針だ。有賀はすかさずそれをかわす。だが、心休まる暇はない。山南の炎玉弾が向かってきていた。有賀は手の平から光電弾を出し、それを向かってきた炎玉弾に投げつけた。光の弾と炎の弾がぶつかり合い、激しい爆発を引き起こす。煙が辺りに立ち込め、有賀は4人を見失った。しばらく見回していると、煙の中から金髪の生徒が突如として現れた。土方だ。手をチョキにしながら、有賀に襲いかかろうとする。

(まずい!挟まれてしまう!)

土方の兆能力はシザーズ・ボディ。体のどこでも、挟みさえすれば相手を一刀両断できる。有賀は光の剣を出現させ、それを容赦なく土方に振り下ろそうとした。土方はチョキの手を引っ込めるが、有賀の振り下ろす剣を、避けようとも、受け止めようともしなかった。有賀は焦って光の剣を消滅させる。

「なぜだ!土方君なら、受け止められるだろう!なぜ動かない!」

「I Don’t know!なぜか動かないんです!」

鈴木は笑いをこらえながら、有賀を見ていた。

(そいつらはSPやボディーガード、アメリカ合衆国シークレットサービスのエージェントなどだ!俺の身を守るのが『役割』!自分の身は関係ないのさ!)

有賀が攻撃をやめるやいなや、近藤が放った矢や、針が飛んでくる。近くでは土方が有賀を攻撃しようとしてくる。そうしている間にも、鈴木がその場から逃げようとする。

「ぐふっ!」

(逃がすか!私の身に何が起きようとも!シューベルトの『魔王』のように、しつこく追いかけてやる!)

有賀はそれらにぶつかりながらも、鈴木に近づこうとしたが、どうしても4人が立ちはだかる。有賀は、体のあちこちに針が刺さり、やけどを負っていた。近藤は涙を流していた。山南が叫ぶ。

「生徒会長!私たちはどうなっても構いません!鈴木を倒しさえすれば…」

山南が言いきる前に、有賀が怒鳴った。

「馬鹿者!滅多なこと言うんじゃない!!」

「!」

有賀の怒号に、山南は口を閉じる。

「私はこの学校を治める者、生徒会長・有賀栄太郎だ!!同胞を、友達を傷つけてでも、前に進むわけにはいかない!」

「生徒会長…」

4人は感動していた。それでも、体は勝手に動く。それぞれが有賀を攻撃しようとする。近藤の矢、新見の針、山南の炎玉弾、土方のハサミ、有賀はそれらを見事にかわしながら、光の剣を出現させ、近藤に斬りかかろうとした。

「言ってることと、やってることが違うじゃないかぁ!生徒会長さんよぉ!」

鈴木がせせら笑っていた。有賀も笑っていた。

「馬鹿が。」

近藤は動かない。光の剣が近藤の目前にまで迫ったとき、有賀は光の剣を消滅させた。そして、有賀はすかさず近藤の脇に手を突っ込んだ。

「ひゃっ!?生徒会長!何を!?」

近藤が赤面しているのを横目に、有賀は近藤の脇を通した手で指を差していた。

「失礼、近藤君。」

その指は、鈴木を差していた。鈴木は狼狽する。

(そうか!無抵抗になるのを利用してきたのか!)

「安心しろ。鈴木君、足の怪我で済ませてやる。」

有賀は指を光らせ、ビームを発射する。それは、鈴木の足に命中した。

「あぬ!」

鈴木は足を押さえながら、どこかに逃げていった。4人は自由の身になる。

「生徒会長!」

4人は鈴木を追うのではなく、有賀に寄り添った。

「私ではなく、鈴木君を…」

「嫌です!僕たちで保健室に連れていきます!」

新見が有賀を支える。

「でも、なにも4人じゃなくとも…」

「何言っているのですか?俺たちは友達なんでしょう?だったら、一緒に行って当然でしょう?」

山南がそう言ったのを聞いて、有賀は目を見開く。それと同時に、笑みがこぼれた。

「やれやれ…聞き分けの悪い友達を持ったな…ふふふ…」

有賀たちは保健室に向かうのであった。


一方、鈴木はトイレに逃げこむことで、有賀の追跡から逃れることができた。

鈴木は洗面台で顔を洗う。

「鈴木、君は何をしているんだいぃ?」

突然聞こえてきた声に驚き、鈴木が振り返る。が、顔を見て安心した。

「なんだ、お前かよ…」

「君、SOCIOLOGIに『失敗』の二文字はないよ?」

鈴木が眉をひそめる。

「わかっている!今度は失敗しない!」


「今度ぉ?何を言っているんだい?僕たちごときに、2度目のチャンスなんかあるわけないだろう?」


「まさか!」

そのとき、鈴木が発火し始めた。しばらくもがいていたが、いずれ動かなくなった。

「さーてぇ、僕の出番だねぇ…!?ひひひ!行くよ?荘介ぇ?」

その人物は、棒立ちになった荘介に抱きつきながら、不気味に笑い続けるのであった。


善永の挑戦状:ゲーテの詩に触発されて作曲された、シューベルトが18歳のときに作曲した歌曲は何?


前回の『善永の挑戦状』答え:ロニー・ピーターソン

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