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兆兆発止 第2部 学園戦争  作者: ぱんろう
兆栄高校七不思議編
76/109

76話:憎き相手

英一が小熊を問い詰める。

「なら、なんでバッジを持っている!?」

「私だって何度もバッジを捨てようとした!それなのに、いつの間にか私の手元に戻ってくるんだ!」

小熊は頭を抱えながら喋った。見たことのない小熊の様子に、善永は目が離せなかった。小熊は続ける。


「20年前に私は組織から手を引いた。やり方に嫌気がさしていたからな。すると、暗殺部隊が私を殺しにやってくるんだ!私はいつも返り討ちにしていたが、それでも戦いは終わらなかった!怖かったよ…今でも夢に見る…奴らに命を狙われる夢をな!」


「全く同情できない!」

英一は再び小熊の胸ぐらを掴もうとしたが、善永が止めた。

「斎藤先生!落ち着いてください!」

しばらく暴れていた英一だったが、しばらくしてその場でへたり込んだ。そして、善永に語り始めた。自身の妻のことを。


「善永君…俺の妻は、首都警察官だったんだよ…」


「!」

「とても正義感の強い人でね…周りから信頼される人だった…」

下を向いていた英一だったが、突如小熊を睨み始めた。

「だが、10年前!忘れもしない!俺の妻は、SOCIOLOGIの残党に殺されたんだ!その頃、一太や二太郎は、まだ5、6歳だぞ!?わかるか!?親を失った子どもたちの気持ちが!」

「…」

善永や小熊は言葉が出なかった。特に善永は、同情するような目で英一を見ていた。その英一がおもむろに立ち上がる。


「それで俺は決めたんだ!SOCIOLOGIの人間は、例外なく、全員この世から消してやるとな!元だろうが、なんだろうが関係ない!」


英一は紫色のオーラを発した。善永が止めようとする。

「斎藤先生!落ち着けって言ってるだろ!」

「どけ!」

英一は、止めてくる善永を蹴り飛ばし、小熊に歩み寄る。小熊は動かず、何かを悟ったように目をつむっていた。英一が砂を宙に浮かせ、それを小熊にぶつけようとしたとき、何者かが英一の首筋に手刀を当てた。

「あがっ!」

英一はそのまま倒れ、気絶した。善永や小熊が、英一を気絶させた人物の方を見る。2人は驚いた。そこにいたのは、雄康だったのである。

「雄康のおっちゃん!」

「園田先生!」

雄康が善永を睨む。

「善永、お前ここで何してる?」

「…ええと、その…」

善永は返答に躊躇った。雄康がため息をつく。

「それは後にするか。それよりも、小熊先生に話を聞かなければな。なんせ、SOCIOLOGIの人間を、初めて生きたまま捕まえることができるのだからな。」

「!…そうか!園田先生、あなたは首都警察官だったのですね!」

小熊がふらふらと立ち上がる。

「聞いてください!この学校で、SOCIOLOGIの恐ろしい計画が進められています!私は、それを阻止しようと、夜の学校を調べていたんです!」

「なんだって?」

「はは…過去の清算になるかと思ったんですよ。ついてきてください。重要な情報を共有します。」

そう言って、小熊が歩き始めた。雄康と善永が顔を見合わせる。

「善永、お前は斎藤先生を。俺は小熊先生についていく。」

「あ、ああ。」

善永が気絶した英一に駆け寄ろうとしたとき、


「川路、お前も来い。」


と小熊が言った。雄康は小熊を睨む。しかし、小熊はそれでもなお、善永を手招きしていた。

「小熊先生、どういうことですか?」

「園田先生。この学校の謎は、教師や首都警察だけで解決できるものではありません。生徒の力も必要です。川路なら、ある程度戦力になるでしょう。」

「生徒を巻き込むのは、俺としては不本意ですね。」

「生徒の中に、SOCIOLOGIの人間がいるとしてもですか?」

「!」

雄康が驚いた。善永は雄康に、以前戦った作田や天童、彼・彼女らが生徒でありながらSOCIOLOGIの構成員であったことを話した。それを聞いて、雄康は開いた口が塞がらなかった。

そのとき、小熊の首筋を何かが貫いた。小熊の血が辺りに飛び散る。


善永の挑戦状:母に『はね駒』のモデルとなった春子がいる、東洋大学の学長を務めた社会学者は誰?


前回の『善永の挑戦状』答え:宇治の橋姫

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