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兆兆発止 第2部 学園戦争  作者: ぱんろう
兆栄高校七不思議編
75/109

75話:教師同士の戦い

(斎藤先生!なぜここに!)

英一が善永に駆け寄る。

「大丈夫か?」

「え、ええ。なんとか。」

善永は何とも言えない表情で英一を見ていた。その向こうで、小熊が英一を睨んでいる。

「斎藤先生、なぜあなたがここに?」

「小熊先生、同じ質問が返されるのを知っての発言ですか?」

英一が小熊を睨み返した。最初に動いたのは英一だ。小熊の周りを砂が囲み、ついには閉じ込めた。しかし、それは一瞬にして破壊される。

「砂上の楼閣ですな。」

「使い方を間違ってますよ。」

英一が砂の塊をいくつか浮かび上がらせ、それを小熊めがけて発射した。小熊はそれら全てを難なく避けて、英一に接近していった。途中で善永のアイビームが発射されたが、小熊はそれさえも楽々とかわしてみせた。

「善永君、君はそこで座って見ていろ。俺一人で倒す。」

小熊が右ストレートや左フックを繰り出すが、英一はそれを避けつつ、砂を浮かび上がらせていた。

「小熊先生、あなたより若い俺の動きについてこれるでしょうか。」

「なめんでください。まだまだ若いのには負けませんよ!」

小熊の背中からウサギが飛び出してきた。

「背中からも出せるのか!」

「斎藤先生、オーラの変化は手を使わずともできるのですよ。」

英一は、浮かび上がらせていた砂をウサギめがけて発射する。それはウサギに命中し、爆発を引き起こした。

両者近距離で戦っていながら、ともにウサギの爆発に巻き込まれていなかった。

(なんて戦いだ…!)

「小熊先生、俺はね。この学校に潜む悪を倒したいのですよ。」

「そうですか。」

小熊は、龍を生成し、それを英一に向けて放った。英一は、自身の周りに砂の壁を張り巡らし、龍から身を守る。

「小熊先生、あなたはなぜここに?」

「そうですね。私を倒すことができれば、教えますよ。」

小熊は、砂の壁をよじ登り英一に接近する。そして、拳にオーラを纏わせながら、英一に殴りかかろうとした。英一はそれを、同じくオーラを纏わせた拳で受け止めた。衝撃が発生し、砂の壁を吹き飛ばした。しばらく拮抗していた。そのとき、英一がぼそっと呟く。


「善永君はどこにいったのでしょう?」


「!」

小熊が振り返るが、善永の姿が見当たらない。

「川路に攻撃させる算段ですか。でも無駄ですよ!」

小熊は、手から人魂を出現させる。それを見て、英一はすぐさま小熊から離れた。小熊は人魂を後ろに向けて投げつける。どこかを狙っていたようだが、どこかにぶつかることなく途中で爆発した。

「そんな!」

「小熊先生。甘いですね。」

小熊ははっとして、英一の方を見る。

(はめられた!こいつに近づいたのが失敗だった!)

英一は改めて拳にオーラを纏わせ、小熊の顔面に勢いよくぶつけた。

「くはっ!」

小熊は後方に吹き飛ばされる。何もないところで、壁にぶつかったかのように、小熊は激しく叩きつけられた。

そのとき、小熊と英一の周りで何かが崩れ始めた。よく見ると、崩れているのは砂であった。崩れている砂の向こうで、善永が心配そうに英一の方を覗き込んでいた。

「そう。俺とあなたの周りに砂の部屋を作り出していたのですよ。廊下の奥行まで再現した部屋をね。」

「うう…!」

英一は、倒された小熊の服に黒いバッジがついているのが見えた。英一はそれを手荒く奪い取った。

「これは!」

奪い取った瞬間、そのバッジが激しく燃え始めた。英一は思わずバッジを落としてしまう。一部始終を見ていた善永が唖然としていた。


「親父から聞いたことがある!そいつはSOCIOLOGIのバッジだ!そいつが原因で構成員は焼死するんだ!まさか、小熊先生がそれを持っているとは!」


英一は小熊の胸ぐらを掴んだ。

「あんたもSOCIOLOGIの人間か!?」

戦闘中、基本冷静だった英一が酷く取り乱していた。善永が英一を落ち着け、胸ぐらを掴んでいた手を離させる。起き上がった小熊がゆっくりと口を開いた。


「元ですよ…」


善永の挑戦状:丑の刻参りの始原になった、宇治川で夫を奪った女を呪ったのは「宇治の誰」?


前回の『善永の挑戦状』答え:申

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