72話:夜の学校
放課後。いつもの部室に、善永、荘介、なぎさの3人が集まっていた。
「次に調査するのは、これだな。こいつが最後になりそうだ。」
『夜な夜な揺れ動いている人魂』
「うん…」
なぎさが元気なさげに返事する。
「有賀に伝えておく。そうすりゃ、堂々と学校に侵入できるだろう。」
荘介がスマートフォンで時間を確認していた。
「それじゃあ、ここは解散して、21:00に正門に集まる感じで。」
荘介の提案に善永が賛成した。こうして、夜の学校での調査に備え、それぞれ帰宅するのであった。
善永は、母の敦子に伝える。
「お母様、今日は友達の家で宿泊します。」
これが嘘であることに、敦子は気がつくはずもない。
「あら、口の利き方が改善されたじゃない!嬉しいわ!いってらっしゃいね!」
嬉しそうな敦子の顔を見て、善永はにこっと笑う。そして、急いで家を出るのであった。
善永は学校に向かう道を歩いていた。途中でなぎさと合流する。
「えいちゃん。こんばんは。」
「こんばんは…それにしても、なぎさ、どうした?今日、ずっと元気がないよな。」
「え?…いつも通りだよ!ほら!行こう?夜の学校だよ!わくわくするよね!」
なぎさはスキップしながら学校に向かうのであった。善永は、なぎさが無理をしているように見えたが、とにかくついていくのであった。
2人は、学校の正門に着いた。そこには既に、荘介がいた。
「来たか!」
「早いな、荘介。」
「そりゃそうだろ!夜の学校だぜ?めちゃくちゃ楽しそうじゃないか!」
荘介に関しては、心の底から楽しそうであった。
善永が紙切れを取り出す。
「これによれば、人魂を見かけるのは1階の家庭科室。そこに向かおう。」
3人が校舎に入り、家庭科室へ向かう。
「夜の学校…ドキドキするぜ!」
荘介の気分が高揚していた。それを、善永が冷めた目で見ていた。
「とりあえず落ち着け。声が響くだろ。」
家庭科室にさしかかったとき、なぎさが足を止めた。
「待って。何か聞こえてこない?」
善永と荘介が耳をすませる。
ごごごごごご!
と微かながら、轟音が聞こえてきた。
「これは!『1階廊下の床から聞こえる謎の轟音』だ!まさか、他の不思議に出会えるとは!」
「とはいえ、特にこれといった変化はなさそうだ。誰かがいるわけでもなさそうだし。それより、人魂だよ!そっちの方が見たいぜ!」
辺りを見回しながら、荘介が言った。そのとき、なぎさが何かに気がつく。
「見て!人魂だよ!」
2人が家庭科室の方に目を向けると、確かに人魂らしきものが浮いていた。荘介が急いで家庭科室に入った。しかし、家庭科室に入ったと同時に、人魂がふっと消えてしまった。
「間違いない…!あれは人魂だった!」
興奮した様子の荘介が家庭科室を出ようとしたとき、
「お前たち、そこで何をしている?」
と、3人に呼びかける声が聞こえてきた。声のする方に目を向けると…
「あわわわわわ!小熊先生!」
そこにいたのは教頭の小熊であった。
善永の挑戦状:東京帝国大学の4代目総長を務めた、「万歳」を「バンザイ」と発音するのが普及するきっかけになった社会学者は誰?
前回の『善永の挑戦状』答え:『奥さまは魔女』




