63話:七不思議調査
次の日の放課後も、七不思議の調査をしていた。
『1階廊下の床から聞こえる謎の轟音』
善永は、体を這いつくばらせ、床に耳をすませる。が、何も聞こえない。通りすがりの女子生徒に白い目で見られた。
『全くといっていいほど歳をとらない理事長』
3人は理事長のホワイトを注意深く観察する。途中、理事長と目が合い、微笑んできた。3人は微笑み返した。それ以降は、何も起きなかった。
『髪が変な理事長の秘書』
「ただの悪口だろ。」
善永はため息が止まらない。
「よし、有賀をもう一回ぶっ倒してくる。」
「落ち着いて、えいちゃん!」
「落ち着いてられっかよ!馬鹿にしているにも程があるぜ!」
調査に乗り気だった荘介も、ため息をついていた。
「思いのほか期待外れだったな。次の奴を調べたら、さすがにやめるか。」
『プール付近で見かける小人』
3人は、プールサイドに足を運んでいた。
「プールが使用されない時期に、小人を見かけるんだって!」
「小人か!少し調べがいがありそうだな!」
なぎさの話を聞いて、荘介がうきうきしていた。逆に、善永は気だるそうにしていた。
「何もなさそうだ。もう帰ろうぜ。」
そのとき、なぎさが何かを発見した。
「ねえ!あれ見てよ!」
2人はなぎさが指差していた方向に目をやる。そこには、小さな人間が空を飛んでいるのが見えた。これには、さすがの善永も驚かずにはいられなかった。
「すげえぞ!あれはガチだ!」
善永がその小人に近づこうとした瞬間、小人が襲いかかってきた。善永は危険を察知し、小人を避けた。
「こ、これは!どういうことだよ!?」
善永が動揺している。そこに、小人が再び襲いかかろうとした。その次の瞬間、
「そうはさせませんわ!」
聞き覚えのある声と同時に花びらが舞いこんできた。花びらは小人をばらばらに分裂させる。善永たちは気分が悪くなった。そこに2人の生徒が近づいてきた。黒部と宮ケ瀬だ。
「2人とも!また会えたね!」
なぎさが嬉しそうに言っている。黒部がにやっとした。
「俺たちはクイズ研究会だ。お前たちと一緒に行動するのは当然だろう?」
そのとき、小人が黒部の皮膚を引っかこうとした。
「おっとぉ、そうはさせないぜ?」
黒部はそれをかわす。しかし、相手が多すぎる。他の小人に引っかかれてしまった。
「っ!すばしっこいなこいつら!」
黒部は引っかかれた傷に手をやる。傷自体は大したものではなかった。
「はは。これじゃあ、俺の兆能力を発動するまでも…」
ばたっ!
黒部は突然倒れた。
「黒部!」
荘介が黒部に駆け寄る。黒部は意識を失っていた。
「あんな傷で倒れるだと!?どうなっているんだ!」
善永は、ズボンのポケットに入れていたスマートフォンを取り出す。
「aibo!起動しろ!」
『どうも。善永さん。』
「小人を出現させる兆能力ってなんだ!?」
『それは、『フェアリーサークル』でしょう。妖精は神経毒を持っていて、それを注入させようとしてきます。気性も荒いので、近づかないのが身のためです。』
善永は震えあがった。
「黒部は毒にやられたのか!」
小人―その正体は妖精―は、般若のような顔をしていて、鋭い爪を持っている。さらに、その妖精がどこからか大量に飛んできていた。それはまるで、蜂の大群がやって来たかのようだ。
「どこかに本体がいる!そいつを見つけ出してやる!」
善永は、紫色のオーラを発しながら、目をつむった。
善永の挑戦状:アーサー・コナン・ドイルも写真の内容を信じた、イギリスの村で撮影されたという妖精の写真を巡って起きた論争・騒動のことを何という?
前回の『善永の挑戦状』答え:ビザンチウムのフィロン




