61話:病院にて
目が覚めると、そこは病院の一室だった。善永の意識が戻ったのである。
「ここは…」
「病院だ。丸3日も眠っていたんだよ。善永。」
「親父…!」
そこには、父の善俊がいた。善永はゆっくりと体を起こす。
「学校では、派手に暴れたらしいね。兆能力を使用することは、もう少し躊躇う必要があったんじゃないかな?」
「ごめんなさい…」
善俊は、善永の頭を撫でた。
「いいかい?これからは、無茶はしないでくれ。変なところで、お兄様に似る必要はない。」
「わかった…」
善俊は、にこっとしながら、ゆっくりと立ち上がる。
「さて、僕は仕事だ。先生いわく、あと3日は入院しておいた方がいいらしい。その間もちゃんと勉強してね。」
そう言って、善俊は病室を去ろうとする。それを、善永が呼び止めた。
「親父…」
「ん?」
「俺の兆能力が、レベル3になった…親父が言っていた、兆能力と対話したからだよ…」
「!!」
善俊が目を見開いている。そして、優しく善永に語りかけた。
「善永、『自身の才能を知る』というのは、『現実を知る』と同義だ。同時に、『その限界を超える』というのは、『それを受け入れてもなお、先に進み続ける』と同義だ。」
「…」
「それらを理解して初めて、才能は本領を発揮する。善永、よくやった。さすが、僕の息子だね。」
善俊は微笑んで、病室を後にした。病室の外では、雄康が待機している。
「善永の容態は?」
雄康が尋ねる。
「大丈夫そうだよ。」
2人は、そのまま病院のエントランスに向かっていった。病院を出たとき、雄康が口を開いた。
「善永たちの兆能力使用を可能にしたのは、あの学校のオーラ感知機が壊れているからだ。これは、異常事態だぜ。それなのに、修理しようとしないし、予算の都合でできないときたもんだ。」
善俊は腕を組む。
「やはり、あの学校には何かある。そして、きっと奴がいる。君を潜入させて正解だったよ。」
「ああ。だが、簡単には尻尾を出さない。」
「答えはすぐに見つかるものじゃないさ。肝心なのは、諦めないことだよ。」
「ああ。そうだな。」
善俊は強く決心した。
「絶対に見つけてやるさ…No.3をね!」
粛清委員会編 終わり
次回:兆栄高校七不思議編開始
善永の挑戦状:、辛いことでも我慢して続ければ、必ず成功するということを、石に座り続けることにたとえて何という?
前回の『善永の挑戦状』答え:三人寄れば文殊の知恵




