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兆兆発止 第2部 学園戦争  作者: ぱんろう
粛清委員会編
38/109

38話:砂の城

一太と本田が襲撃された次の日、善永は、篠原となぎさの2人と一緒に、体育館裏で話し合っていた。

「そんな…僕が休んでいる間にそんなことが…やっぱり、野球でのことが…」

なぎさが酷く落胆している。善永がなぎさの肩に手を置きながら言う。

「気を落とさないでくれ。これはなぎさの責任ではないからな。俺の責任だ。」

「でも…」

今度は篠原がなぎさを慰める。

「なぎさ、お前は何も悪くないんだ。皆もそう言っている。」

それでもなぎさは落ち込んだままだ。しばらくそれをじっと見ていた善永が閃く。

「そうだ!部室に皆がいるはずだ!会いに行こうぜ!」

「あんなこともあったんだ。いるといいがな…」

3人は部室に向かうため、移動を始める。途中で建物の中に入り、しばらく進み続ける。

先に異変を感じたのは篠原であった。

「おい。俺たち、どこに入ったんだ?」

「どこって…校舎でしょう。」

善永が笑いながら返答する。

「えいちゃん!この校舎おかしいよ!特に足元が!」

なぎさがそう言ったのを聞いて、善永は足元を確かめる。確かに様子がおかしい。とてもざらざらする。善永はしゃがんで、床を触った。何かの粒が善永の指にくっついた。

「こいつは砂だ!なんで砂がこんなところに!」

そのとき、天井が崩れ始めた。よく見ると、崩れているのは砂だった。大量の砂が3人になだれ込む。

「まずい!俺たちは砂でできた建物に入り込んでしまったんだ!逃げろ!」

3人は、外から見たら校舎の一部にしか見えない、砂の建物から逃げようとするが、固まった砂によって出口が塞がれていた。3人はあたふたしているが、その間にも砂がなだれ込んできている。いつ、生き埋めになってもおかしくない。

「おいおい…俺たちは砂時計の中にいるのかよ!?」

「言ってる場合じゃねぇ!このままじゃ、無事ではすまないぞ!」

善永と篠原が焦っている横で、なぎさが叫んだ。

「落ち着いてください!僕がなんとかします!」

すると、なぎさの体が光り始め、別の衣装にチェンジした。マジカル・ガールを発動したのだ。

『レタ』

なぎさは、そう唱えながら、砂でできた壁に杖を向けて放水し始めた。水が砂と混じり合い、ドロドロにさせる。

「砂の城をイメージして!水を多くすれば、ドロドロになって、崩れちゃう!これで出口を作る!」

「そ、そうか!それは名案だ!」

だが、それは一瞬にして没案になった。ドロドロになった砂が固まり始めたのだ。

さらさらの砂が流れ込んでくる。それは3人の膝下ぐらいにまで積もっていた。

「砂の状態を自在に操れるのか!俺のペインティングに似ている!」

「そうだ!篠原さん!ペンキを固めて砂が流れてくるのを止めればいいんですよ!」

「そうか!」

はっとした篠原が様々な場所にパンチし、ペンキをまき散らす。ペンキは固まり、砂の流入を止めた。

「やったぞ!後は出口を作って…」

篠原が砂の壁に右ストレートをぶつけようとしたとき、再び砂がなだれ込んできた。篠原のペンキが混ざっていて、カラフルになっている。

「なぜだ!粘性はこっちも調整できるのに!」

篠原が動揺している。


「えいちゃん!建物の外に、この兆能力の使い手がいるはずだよ!探して!」

なぎさは善永に向かって叫ぶ。その善永は、目をつむっていた。

「やっている!だが、オーラを発している奴がいないんだ!生徒会の奴もいない!」

「なんだって!?それじゃあ、これは誰の仕業で…」

なぎさが再び叫ぶ。

「誰か立ち止まっている人は?不審な人はいないの!?」

「いない!どいつもこいつも歩き去っている!…いや、2人だ!2人いる!」

「そいつらは誰だ!?」

「生徒指導の斎藤先生だ!誰かを説教しているぞ!だが、彼らのうちの誰かが犯人とは思えん!」

善永は、テレポートビジョンで砂の建物外部を見回すが、オーラを発する人物を見つけることができない。そんな中、篠原が何かを思い出すように口を開いた。


「そうだ!斎藤先生…斎藤英一先生は、一太の親父だ!!」


善永の挑戦状:世界最大の砂時計がある、島根県にある砂の博物館は何?


前回の『善永の挑戦状』答え:一条鞭法

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