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兆兆発止 第2部 学園戦争  作者: ぱんろう
粛清委員会編
35/109

35話:恐怖の歯ブラシ

電動歯ブラシが善永の目めがけて飛んでくる。

「なんだよ!これ!」

善永はそれをかわし、目をつむる。そして、テレポートビジョンを発動した。電動歯ブラシは軌道を変えて、善永の方に向かってくる。

(物を操る兆能力…『付喪神(つくもしん)』か?aiboに聞いてみよう…)

善永はズボンのポケットに入れていたスマートフォンに話しかける。

「aibo!物を操る兆能力といえば、『付喪神』だよな!?」

『善永さん!今日はいい天気ですね!』

「は!?」

aiboは善永の質問を無視した。今までは、少し風変わりな質問に対しても、丁寧に返してくれたaiboがだ。

「aibo!質問に答えろ!」

『善永さん!明日の天気は雨です!』

「!」

やはり、aiboは質問に答えない。

(どうなっている!なぜaiboは質問に答えない!)

そうしている間にも、電動歯ブラシが善永の目を狙って飛び回っている。

「ああ!鬱陶しいな!」

善永はアイビームで電動歯ブラシを撃ち落とそうとした。

(すばしっこいな!)

しかし、命中させることができなかった。それに、下手に撃つわけにはいかない。自分自身に命中させてしまう可能性があるからだ。善永は電動歯ブラシをかわすことしかできなかった。それを嬉しそうな顔で見ていた武田は、新たに電動シェーバーを取り出した。

「筋書はこうだ。髭を剃ろうとしたら、誤って喉を切ってしまった!完璧だ!」

そう言いながら、それを投げつけた。電動シェーバーが宙に浮き、善永めがけて飛んでいく。電動歯ブラシをかわしていた善永が動揺する。

「なぬ!?」

善永は後ずさりをした。ただでさえかわすのに必死なのに、攻撃がさらに加わってくる。善永は決心する。

「こうなりゃ、本体を直接叩く!」

善永は洗面台近くに立っていた武田の方に向かっていく。武田は逃げるようにトイレから出た。善永は、2つの電気製品による攻撃をかわしながら、武田を追いかける。

「待ちやがれ!お前から仕掛けてきたんだろうが!」

武田は善永をじっと見ながらも、逃げ続ける。しばらく武田を追い続ける善永だが、後ろから激しく何かを吸い込むような音が聞こえてきた。ふと振り返ると、キャニスター型の掃除機が善永を追ってきていた。

「うわああ!なんだこれ!」

善永は武田を追うことではなく、掃除機から逃げることに集中することにした。階段にさしかかったとき、武田は階段を素通りしたが、善永は階段を駆け上がった。

「なんだと!?」

(どうだ!掃除機なら追いかけることはできまい!)

善永が階段を駆け上がっていると、電動歯ブラシや電動シェーバーも動きを止めて、その場で落下した。

「そうか!奴の視界に入っていないと、操ることができないのか!ってなると、付喪神ではないぞ!あの兆能力は、物に魂を込める…それゆえ、本人の視界から外れても動くことができる!付喪神じゃないとすれば…」

階段を素通りした武田が後戻りしようとした。

(まさか、追いかけるのをやめるとはな!)

これは悪手であった。階段にさしかかったとき、踊り場から善永が飛びかかってきたのが見えた。

「馬鹿が!不意打ちを予見できなかったのか!?」

善永は、階段付近を俯瞰できる位置に視界を設置していた。これによって、不意打ちのタイミングを見計らっていたのだ。

「うわあああ!」

善永は拳にオーラを纏わせていた。そして、そのまま強烈なパンチを武田の腹部に打ち当てた。武田は後方にあった教室の中に飛ばされていった。

「ふん。なめるなよ。aibo、聞こえるか?」

『はい。なんでしょうか。』

「電気製品を操る兆能力とかってあるのか?対処法は?」

『はい。『フリー・アプライアンス』ですね。相手の視界から離れることで、逃れることができます。』

aiboはしっかりと善永の質問に答えた。

「そうか。お前もあのとき、操られていたんだな。元に戻って嬉しいよ。」

安心した善永は、その教室に入っていき、武田の様子を見ようとした。教室に入った瞬間、巨大なテレビが点いているのが見えた。

「ここは、視聴覚室だったか!」

そのテレビには、井戸が映っていた。


臭いに悶絶していた荘介は今にも気絶しそうだ。それでも、立ち上がることを諦めない。

「そろそろ倒れてくんない?次に行きたいのだが。」

「!…次…だと?」

永倉のぼやきに、荘介は反応せずにいられなかった。

「そうだ。他の部員も…ふふふ。」

永倉は不気味に笑う。それを見て、荘介は怒りに燃えた。


「お前らの思い通りにはさせない!!絶対にな!!」


荘介は力を込め始めた。すると、なんとか立ち上がることができた。さらには…

「オ、オーラの色が…」

荘介の発するオーラの色が青みがかっていた。


善永の挑戦状:ダイソンの掃除機がその代表である、掃除機の中でも、遠心力を利用してゴミと空気を分離するのは何式の掃除機?


前回の『善永の挑戦状』答え:チオアセトン


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