33話:粛清委員会結成
クイズ研究会と野球部の対決から一日、生徒会で緊急会議がなされた。生徒会長が、声を荒げる。
「山南君、君には失望した!」
それを聞いて、山南は申し訳なさそうに頭を下げる。生徒会長は指パッチンをしながら、立ち上がった。
「…ああ!今、私の頭の中で、ショスタコーヴィチの『革命』が流れている!」
周囲の生徒がざわざわする。
「今日の会長、特に荒れてるな…」
「うん…ああなると、手がつけられないんだよね…」
生徒会長が2人の生徒を指差す。
「そこ!私語を慎め!」
「「ひぃっ!?すみません!」」
生徒会長は立ち上がり、腕を組む。そして、何かを閃いた。
「そうだ!粛清委員会を結成しよう!それで、クイズ研究会を抹消しよう!そうだ!それがいい!…今、私の頭の中で、ドヴォルザークの『新世界より』が流れた!」
「?」
生徒たちの頭上に?マークが浮かぶ。それに構わず、生徒会長は席に座る。山南が尋ねた。
「あの、粛清委員会って?」
「よく聞いてくれた。」
生徒会長は落ち着きを取り戻していた。ゆっくりと話し始める。
「諸君、この日本において、兆能力の暴発等による不慮の事故は年に何件起きているか、知ってるかな?」
「300件とかですか?」
近藤が答える。
「平均して、7091件だよ。」
「そ、そうなんですね…それにしても、なぜそんな話を?」
生徒会長がぼそっと呟くように言った。
「今年は、7101件になりそうだ…」
10件増えている。ちょうどクイズ研究会に所属している人数と同じだ。山南が突然立ち上がる。
「会長…つまり、そういうことですね?」
生徒会長は頷き、話を進める。
「もはや、あの部活を消滅させるのに手段を選んでいられない。野球対決の件で再認識できた。奴らの存在は厄介極まりない。さて、それで粛清委員会を結成するわけだが、指揮権は書記の土方君にとってもらう。いいかい?」
土方と呼ばれた、金髪の男子生徒が口を開く。
「OK!任せてください!」
続けて、生徒会長は粛清委員会の人員を指名し始めた。
「…以上、上手くやってくれ。事故のように見せかけるんだよ。」
「はい!」
数人の生徒が大きな声で返事をした。その後に、山南が口を開いた。
「会長…川路善永は俺にやらせてください。」
「いいとも。任せたよ。山南君。」
山南はばっと立ち上がり、教室を後にするのであった。
善永の挑戦状:ドヴォルザークの楽曲『新世界より』の「新世界」とは、どこの国を指している?
前回の『善永の挑戦状』答え:マン・イン・ザ・ミラー




