31話:強敵、加賀美サリー
鞭を握っていた荘介が叫ぶ。
「善永!足は大丈夫なのか!」
善永は足をさすりながらも、サリーを睨んでいた。
「…火傷どころじゃないぜ!」
サリーは、善永を見て目を輝かせた。
「善永君!お久しぶりです!お会いしたかったです!」
「俺は二度と会いたくなかったんだがな!」
サリーはなぎさ同様、善永に惚れているらしい。もっとも、一方通行であるようだが。
「まあ酷い!でも、そういうところも好きです!」
「いいなあ、善永。3人の女の子に愛されるなんて…」
早明浦がぼそっと呟いた。
「言ってる場合か!この状況下で冗談は禁止だ!」
善永はアイビームでサリーに牽制している。
「もう!善永さんったら!」
『ドュルアーグ』
サリーの周りに盾が出現した。
「防御魔法ドュルアーグか!あらゆる攻撃をはね返すぞ!」
山南が善永に近づく。
「お、おい!俺に何かできることはないか!?」
「ない!消えろ!」
善永は冷酷に言った。
(荘介がサリーの杖を封じているが、所詮それは動きだけ…魔法は使ってくる!)
そのとき、本田と篠原がサリーの前に立ちはだかる。
「俺たちで押さえる!」
ペインティングを発しながら、篠原が地面をパンチする。ペンキが飛び散り、サリーの足に纏わりついた。さらに、本田が手を伸ばし、サリーの手に纏わりつく。
「ナイスです!四肢の動きを封じたのは大きい!」
そして、サリーが手に持っていた杖も消滅した。
「杖が!」
「こいつは大物だね。」
八ッ場がエニィウェア・フィッシングでサリーの杖を釣り上げていたのだ。
「さすがのサリーも、この人数では大暴れできないな!」
善永が安心しながら、宮ケ瀬の方を見る。
「宮ケ瀬!手鏡だ!」
「ええ!」
宮ケ瀬が手鏡を取り出す。サリーは大暴れだ。
「まだです!善永君を…善永君をホルマリン漬けにするまで…!私はあの女に主導権を握らせない!」
突拍子もなく飛び出た恐ろしい言葉に、その場にいた全員が戦慄した。それがよくなかった。サリーが本田の手を振りほどいた。
「なんて力だ!」
「宮ケ瀬!早く!」
「わかってますわ!ただ、目をつむっているんですのよ!」
サリーは目をつむったまま暴れているのだ。早明浦が提案をする。
「それじゃあ、目に帯電させてでも開けるか!?」
「ダメだ!なぎさの体を傷つけるわけにはいかない!」
速攻で却下された。そうしている間にも、サリーが足に纏わりついたペンキを剥がしていた。
「嘘だろ!俺のペンキを…!」
「宮ケ瀬!手鏡は荘介にパスだ!」
手鏡を割られないようにするため、宮ケ瀬は荘介に手鏡を投げる。荘介は鞭で受け取った。しかし、サリーはそこに目もくれず、杖を釣っていた八ッ場の方に向かう。
「こっちに来たか!」
八ッ場は杖をどこかにリリースしようとする。そして、それを守るために早明浦が立ちふさがった。サリーは足を止める。
「どの方もこの方も!!」
サリーは激昂しているようだ。
「杖を遠くにリリースした!こいつの脅威を消し去ったぞ!」
それを聞いて、荘介がサリーのもとに向かう。
「サリー!小学校のときは俺が好きだと言ったよな!?こっちを見ろ!今の俺もなかなかいい男だぜ!」
サリーは思わず荘介の方を向く。
「過去の話を引きずらないでください!」
荘介がよしきたと言わんばかりに、手鏡をサリーに見せようとする。が、その鏡は割られてしまった。
「!?そんな!」
荘介がサリーを見る。その手から煙が出ていたのが見えた。手から魔法を出したのだ。
善永の挑戦状:あらゆるものに変身できる加賀美あつ子を主人公とする、赤塚不二夫原作の魔法少女作品は何?
前回の『善永の挑戦状』答え:『魔法使いサリー』




