27話:なぎさ参戦
驚きの発言を聞いて、皆がなぎさに注目する。さらに驚くことに、なぎさが制服とは別の衣装を身につけていた。それは、フリルのついた真っ白なドレスだ。さらに、杖を持っている。
「なぎさ!?お前それは…!」
善永が呆気にとられたように口を開く。なぎさはただ頷いた。宮ケ瀬が嬉しそうに言った。
「魔法少女になれる『マジカル・ガール』!なぎささんのその姿、お久しぶりにお目にかかりましたわー!」
善永は口を開けたまま、なぎさを見つめる。その目は、何かに燃えている。善永も頷いた。
「わかった!俺の代わりに頑張ってくれ!」
なぎさは微笑んだ。
「さあ!そうと決まったら、早くこいつを保健室に!」
善永は数人の生徒によって、保健室に運ばれていった。
黒部がなぎさに声をかける。
「それじゃあ、早速で悪いが、善永の代わりに塁に出てくれ。」
「わかった!」
なぎさは一塁に出た。ベンチに座ったメンバーが心配そうに見ている。
「なぎささん、無理はしていないでしょうか…」
「ああ、それに、練習に参加していない。この戦いについてこられるのか?」
その中で、荘介だけが余裕の表情をしていた。
「まあ見とけ。こういうときのなぎさは、俺や善永なんかより頼りになる。」
そして、九番バッター、黒部が打席に立つ。黒部は、保健室に運ばれていく善永を見守り、バットを構える。骨川はにやにやしている。
『少しざわつきましたが、試合続行です!善永さんに代わり、なぎささんが出場するそうです!見てください!彼女の服装!何かのコスプレでしょうか!さて、九番バッターは黒部さん!』
「策士策に溺れなければいいなあ!?」
骨川がボールを投げる。それと同時に、黒部が兆能力を発動した。ボールは、善永のときと同様、足に向かってきていた。ついに、ボールは黒部の足に命中した。
「あの野郎!懲りずに!」
黒部は声を上げた。
「いっ!」
その後、にやりと笑った。
「なんてねー!痛くないよーだ!」
「!」
骨川が動揺する。
「なぜだ!全力でやったのに!」
「だろうな。だが、その痛みは俺に届かない。そうだな…自分の足に聞いてみたらどうだ?」
「何言って…!ぐああああああああ!」
骨川がその場でうずくまる。黒部のアンチ・スケープゴートによって、骨川に痛みが押しつけられたのだ。
「お前の兆能力は、相手を料理するかのように戦う『料理之鉄人』だな。兆能力範囲を熱する技『ブロードボイル』でボールを熱していたってところか。それにしても、泳ぎ上手は川で死ぬとはこのことだな?」
「てめぇ!」
骨川はなんとか立ち上がる。
『今度は黒部さんに死球だ!ですが、妙なことに、ピッチャーが痛がっています!』
『人に悪いことをすると、返ってくるんだなぁ。』
善永ほど当たり所が悪くなかったのか、骨川はまだマウンドを降りないようだ。
『これでクイズ研究会は一塁と二塁にランナーがいる状態です!そして、打順は一周しました!一番、早明浦さんです!』
早明浦が打席に立つ。いつもと違い、かなり真剣な表情をしている。永井がからかう。
「どうした?さっきみたいにホームラン予告でもしたらどうだ?」
「俺はお前たちを許さない!」
「!」
早明浦はエレクトリック・ショックを発動する。かなりの電気をバットに帯びさせる。
「この量は!引き寄せられない!」
「友達を傷つけやがって!」
永井はバットの電気を全て引き寄せることができない。荘介が興奮している。
「すごいぞ!早明浦!」
早明浦はバットを構える。
「ふん、投げろ!」
「調子に乗ってんじゃねーぞぉ!」
骨川がボールを投げる。早明浦はバットを全力で振る。ボールはライト方向に飛んでいった。
『見事だ!ライト部分に飛んでいった!だが、厳しいか!』
ライトを守備していたアロマが向かい風を吹かして、勢いよく飛んでいるボールを減速させようとする。だが、そのボールが突如消滅した。
「消えた!どこ!ボール!」
アロマはボールを探す。その間にも、なぎさや黒部、早明浦が走る。
「なぎさだ!なぎさが魔法を使ってボールを消したんだ!」
荘介が立ち上がりながら言う。それを聞いてベンチのメンバーはなぎさを見つめる。すると、なぎさが持っている杖が光っているのが見えた。
「『マジカル・ガール』が使う技は『魔法』と呼ばれている…その特徴は、なんといっても種類が多様なところ!なぎささん、さすがですわー!」
『ボールが消えた!アロマさん!ボールを見つけられない!クイズ研究会、一気に3得点!合計5得点でかなり稼いでいる!』
「よっしゃあああ!いいぞ!早明浦!なぎさのフォローもナイスだ!」
「見直したぜ!」
ベンチは大盛り上がりだ。皆でその喜びを共有し合った。しかし、この調子は長く続かなかった。次のバッター、一太がアウトになり、二回表は終了した。
迎える二回裏、相手のバッターは四番、アロマだ。
善永の挑戦状:東映アニメーション制作の『ふたりはプリキュア』の主人公は、雪城ほのかと誰?
前回の『善永の挑戦状』答え:永射保




