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26話:ボールを釣る

八ッ場が打席に立つ。永井が嘲るように言った。

「ふん、落ちこぼれめ。こっちで結果を出せないからって、クイズ研究会で活躍しようってか?鳥なき里の蝙蝠もいいところだ。」

「お前は蝙蝠にすらなれないがな。」

八ッ場は吐き捨てるように言いながら、バットを構える。


「釣りする阿呆に見る阿呆だ!」

「同じ阿呆なら釣らねば損損だ!」

骨川がボールを投げる。八ッ場が勢いよくバットを振った。

『ジャストミート!勢いよくボールが飛んでいく!』

ボールがライトの方に飛んでいった。ライトを守備しているアロマが風を吹かせて、ボールを自身の方に寄せていく。そのとき、ボールがふっと消えた。

「くそ!八ッ場め!ボールを釣りやがった!」

コレクターの永井からある程度離れたことで、八ッ場がエニィウェア・フィッシングを発動していた。

「これで2点はいただきだよ。」

八ッ場は場外にボールをリリースした。

『なんてことだ!ボールが消えたかと思えば、場外に!ホームランです!』

会場は大盛り上がりだ、それ以上にベンチが沸き立つ。

「やったぞー!2得点だ!すごい!」

「本田!八ッ場!よくやった!」

ホームベースに戻ってきた本田や八ッ場がメンバーに迎えられ、それぞれハイタッチしている。

「やっぱり野球部だっただけあるな!」

善永がにこっとしながら言う。

「ふっ。」

八ッ場はクールに笑いながら、ベンチに戻っていく。善永はそれを嬉しそうに見守る。

『2得点!まだまだクイズ研究会の攻撃は続きます!八番バッター、善永さん!』


善永が打席に立つ。キャッチャーの永井が呟いた。

「あんたが大将か。ぱっとしないな。」

「なんだと!」

善永はそれに反応した。ベンチの荘介が大声で言う。

「トラッシュトークだ!相手にするな!」

善永はなんとか気を取り戻してバットを構える。ふと骨川の方を見ると、青色のオーラが見えた。

(ついにこいつも兆能力を!)

「火傷してしまえ!」

「!」

骨川がボールを投げた。それは、善永の足に命中した。

「ぐああああああ!」

『おっと!足にボールが当たった!これは痛い!』


「善永!あの野郎!」

善永はその場で足を押さえ、悶える。ベンチの篠原がマウンドに立っている骨川の方に近づこうとしていた。

「落ち着け!篠原!」

それを本田が諌めようとするが、止められない。


『おや!篠原さん、たまらずベンチから出る!これはまずい!乱闘か!?』

骨川はへらへらしている。周りに永井や三矢、半崎が集まってきて、悶える善永をあざ笑っていた。

「お前ら!それでもスポーツをやる者か!」

篠原が殴りかかろうとする。

『篠原さん!怒りが収まりません!右ストレート!左フック!野球部員は逃げ回る!』

ベンチに座っていたメンバーが慌てて篠原を止める。球審が篠原に警告をした。

「当たっていれば退場だぞ!退場になりたくなければ、今すぐベンチに戻れ!」

篠原は骨川たちを睨みながらベンチに戻るのであった。


なぎさは善永のもとに駆け寄っていた。

「えいちゃん!大丈夫!?」

「うう…」

善永は足を押さえたままだ。球審も駆け寄る。

「足どうした!見せてみろ!」

善永のズボンの裾をめくり、ボールが命中した部位を確認する。メンバーも心配そうに見ている。

「酷い火傷だ!それに、当たり所が悪い!早く手当を…」

「それは困る!俺がいなくなれば、試合を続行できない!」

「馬鹿野郎!それどころじゃない!試合は中断だ!」

球審が怒鳴ったのを聞いて、善永は涙を流す。

「嫌だ!こんな負け方だけは、嫌だ!」

その場にいたメンバーは下を向いて何も言わない。かける言葉もないのだ。そのとき突然何かが光った。皆が眩しそうにする。それと同時に、決意を固めた者の、決断の言葉が飛び出てきた。


「僕が出るよ!えいちゃんの代わりに!」


善永の挑戦状:ピンク・レディーの曲『サウスポー』のモデルになった、左のサイドハンドで活躍した投手は誰?


前回の『善永の挑戦状』答え:バスター

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