18話:あらぬ疑い
クイズ研究会とサッカー部の戦いは、さすがに教師も見過ごせなかった。むしろ、今までよく目をつむっていたぐらいだ。ついに善永たちは説教された。それでも、「止めろ」とまでは言われなかった。生徒会がそうさせていた。
サッカー部との対決から数日後、生徒会の緊急会議が開かれていた。
「なぜ、見逃しているのですか!」
副会長の近藤が怒りを露わにしながら立ち上がった。それを生徒会長が宥める。
「私たちで、試合の約束をしてしまった。それを破ることは、生徒会の信用に関わる。それに、山南君が納得しないだろう?」
「それじゃあまるで、追放された斎藤君と同じじゃないですか!」
近藤は山南の方を見る。
「山南君!君はどうなの!?」
皆の視線が向けられた山南は口を開く。
「生徒会長と同じ意見だ。それと、俺はあいつらを真っ向から叩き潰したい。ああいう奴は、一度ぼこぼこにしておかないと改心しない。」
「…」
近藤は怒りで震えているようだ。
「まあまあ、近藤君、ここは山南君に任せようじゃないか。」
近藤は不服そうに座る。山南が再び口を開いた。
「近藤、俺たち野球部が、あんなガラクタどもに負けると思うか?今に見てろ…あの野郎…!」
山南は机を激しく叩く。周りはびくついていたが、生徒会長だけは違った。
「山南君、それは学校の備品だよ。丁寧に扱いなさい。」
山南は頭を下げる。
「すみません…つい…」
そんな善永たちは部室でクイズを楽しんでいた。そこに、焦った様子の荘介が入ってきた。
「大変だ!」
善永が険しい顔をする。
「ちょっと待て!果たし状はお断りだぞ!せっかく全員揃ったんだ!たまには普通の活動を…」
「いや!それよりも重大な話だ!」
皆が荘介の話に耳を傾けようとする。
「最近、下着泥棒が問題になっているのを知っているか?」
篠原が口を開いた。
「ああ。うちのクラスの女子もやられた。なんでも、テレポートのように下着が姿を消すらしいな。」
「そうなんです!それがまずいんです!主に、3つの点で!」
クイズの問題集を読んでいた一太が尋ねる。
「どうまずいのですか?」
「まず一つ!善永!お前が疑われているんだ!」
善永は呆気にとられた。
「え?俺?」
「善永君、感心せんぞ!」
腕を組んでいた本田が怒鳴る。
「いや、俺はやってないですよ!なんで俺が疑われているんだ!」
「お前のテレポートビジョンが悪目立ちしちまっているんだ!」
宮ケ瀬がため息をつく。
「全く、そんなに欲しいなら、私に言えばよろしいのに…」
「お前は喋るな。」
同じく、全身絆創膏だらけの早明浦もため息をつく。
「全く、もっとばれないようにしろよ…」
「お前は二度と喋るな。」
座ってくつろいでいたなぎさが立ち上がる。
「それよりも、2つ目のまずいことは何?」
「ああ。善永の次に、俺が疑われているんだ!これも、目立ったことによる影響が大きい!」
黒部が立ち上がり、突然叫んだ。
「荘介に限ってそんなことはしない!」
他の者も同意している。
「ああ、確かにあの鞭は便利だが、荘介君はそんなことしないよな!」
「荘介…同情するよ…」
「おい!俺のときと反応が違うじゃねーか!」
眼鏡を拭いていた一太が尋ねる。
「それで、3つ目のまずいことは?」
「俺と善永の共犯説だ!これが一番有力らしい!」
「!」
一太が腕を組む。
「それはまずいですね…あらぬ疑いは晴らさなければなりません。」
「そうですよね!?」
本田も便乗する。
「そうだな!ここは、疑われている2人が真犯人を探せばいいんじゃないか!」
「「え?」」
ということで、あらぬ疑いを晴らすため、善永と荘介は犯人捜しに乗り出すのであった。
善永の挑戦状:1868年に斬首された、新選組の局長を務めた人は誰?
前回の『善永の挑戦状』答え:黒部ダム




