105話:滅亡の危機
ボードに浮かび上がった文字を見て、全員が落胆し、下を向いた。空を見上げると、巨大な小惑星が迫ってきているのが見えた。しかし、善永に関しては、それどころではない。ヴァン・ペルトがアサルトライフルを乱射してきているのだ。他の人を巻き込まないために、皆から離れて逃げ、校舎に入っていく。
「逃げるな!臆病者!」
ヴァン・ペルトが構える。そのとき、ヴァン・ペルトの側を抹殺者が通り過ぎた。善永に向かって全速力で走っている。ヴァン・ペルトは抹殺者に向かってアサルトライフルを乱射した。抹殺者は動きが封じられる。
「あいつは私の獲物だ!邪魔するな!」
ヴァン・ペルトはとにかく乱射して、抹殺者を動けないようにした。それを見ていた荘介やなぎさたちだったが、荘介がはっとする。
「そうだ!次、俺の番か!俺がこのゲームを終わらせればいいんだ!」
荘介はサイコロを振る。出目など関係ない。車のコマがゴールにたどり着いた。その場にいた全員が歓喜の声を上げる。しかし、その喜びは長く続かなかった。ゲームを終了させたのに、ヴァン・ペルトが相変わらずアサルトライフルを乱射していたからだ。
「どうなっている!ゲームが終わったぞ!?」
本田が空を見上げる。小惑星も迫ってきているままだった。
「俺たち…死んじまうのか…」
「今、私の頭の中に、エアロスミスの『ミス・ア・シング』が流れているよ。珍しいこともあるものだ。」
荘介たちが見上げていると、黒い車がグラウンドにやってきて、銃を持った男たちが降りてきた。また、ヴェロキラプトルなどの肉食恐竜もやってきていた。荘介たちは、それを倒すため、構えるのであった。
小惑星の接近は、町の人々も呆然と見つめるしかなかった。善俊や雄康もただ空を見上げるだけであった。
一方、善永は走り続け、一人理事長室に向かっていた。抹殺者とヴァン・ペルトが、お互い争い合いながら、追いかけてきている。2階に上がる階段にさしかかったとき、階段の踊り場に山高帽を被った男が2人立っていた。拳銃を持っており、それを善永に向ける。もはやこれまで、と思ったそのとき、どこかから泥と花びらが飛んできて、それぞれ男に命中した。男は拳銃を落とす。
泥と花びら、これらを飛ばせる人間といえば…
「ここで待機していて正解でしたね。」
「大丈夫でしたか!?善永様!」
一太と宮ケ瀬だ。
「斎藤さん!宮ケ瀬!」
「さあ、ここは私たちに任せて、早くいってくださいまし!」
「助かった!ありがとな!」
「任せましたよ。」
善永は頷き、階段を急いで駆け上がっていく。抹殺者とヴァン・ペルトがそれを追わんとするが、宮ケ瀬の花びらと、一太の泥がそれを阻んだ。しかし、抹殺者とヴァン・ペルトは甘い相手ではなかった。抹殺者は体を液状にして、階段を上っていく。これには、宮ケ瀬や一太でも止められない。ヴァン・ペルトはその場を去り、別の階段に向かっていった。ヴァン・ペルトを止めようにも、山高帽の男たちが拳銃を拾おうとしており、それを止めるのに集中する必要があった。
「ここは、彼らに任せるしかありませんね…」
一太と宮ケ瀬は、男たちの対応に集中するのであった。
善永は2階に上がり、理事長室へ向かう。後ろから抹殺者が迫ってきていた。手を刃物に変形させている。抹殺者が善永に追いつき、ついに切りかかろうとしたとき、真剣がそれを受け止めた。
「早明浦!」
真剣を持っていたのは、早明浦だった。いつも竹刀だった早明浦にしては珍しい。
「ふふ…園田師範の刀をぬす…借りてきたのさ!善永!こいつは俺に任せて、先に進め!」
「早明浦!感謝するぜ!」
善永は先に進み、改めて理事長室に向かう。抹殺者は早明浦に手を突き刺そうとするが、避けられる。
「ふっ!刃物の使い方に関しては、こっちが上だぜ!」
早明浦は、抹殺者の首を狙って真剣を振るう。見事な横一文字が決まり、抹殺者の首をはねた。とはいえ、液体金属でできている抹殺者は簡単に死なない。はねられた首が液状になり、体と融合して元通りになった。早明浦がにやっとする。
「強敵はそうじゃねえとな!それじゃあ、こっちもマジでいかせてもらうぜ!」
早明浦は真剣に帯電させ、それで抹殺者に斬りかかる。抹殺者と早明浦の勝負が続いた。
善永は、ついに理事長室に到着し、その入口に立った。ドアを開け、ホワイトと対峙する。ホワイトの周りに張られてあった結界が消滅していた。ホワイトの後ろには窓があるのだが、小惑星が迫ってきているのが見えた。
「さすがですね。ゲームを終えてしまうとは…」
「あんた、外を見てないのか?まだ終わってないだろ!」
迫りくる小惑星を背に、ホワイトは微笑んでいた。
善永の挑戦状:映画『ジュラシック・パーク』や『ジュマンジ』などで使用された、生物を模したロボットを使って撮影する技術のことを、「アニメーション」と「エレクトロニクス」を組み合わせて何という?
前回の『善永の挑戦状』答え:ニーノ・ロータ




