鉱山の入手
俺はハルカ、ペルカ、シュレンビータをフォイヘスに乗せて、モイナムの鉱山に向かった。思えば精霊の町が全滅しているので困っているんじゃないかな。
「この辺りだと思うんだが。」
眼が良い種族がいないので、見つけるのに時間がかかる。リムでも連れてきたらよかった。
シュレンビータがこっちじゃないかというところを探すとやっと見つかった。さすが採掘3だ。山道を進むと、洞窟がいくつかある。気配を感じてドワーフが出てきた。
「こんにちは、モイナム殿はおられますか?」
「何者だ、ここは立ち入り禁止だ!」
ドワーフは叫び、斧を構えた。ペルカが俺の前に立ち塞がり闘気を高める。穏便に頼む、お前に勝てるドワーフなんていないんだから。騒ぎを聞きつけてドワーフたちが出てきた。
「これは、ショウ様ではありませんか!」
「おお、モイナム殿、お久しぶりです。」
「ご無事でしたか。町があんなことになったので、案じておりました。」
「カソーピアは殲滅したので、ご安心を。」
「そうなのですか!さすがショウ様ですな。しかし3公爵家があんなことになって、私どもの商売も先が見えません。この鉱山を閉めてコリコラスに戻ろうかとも思いますが、町があの状況では船の手配もできません。」
「お察しします。船の手配が必要ならお手伝いできますが。」
「そうですか!それは助かります。」
「それに、よろしければこの鉱山を買い取らせていただくことも可能です。」
「それはありがたい話ですか、採掘持ちでないと使いこなせませんぞ。」
「そこは何とか致します。」
「そこまでおっしゃるなら、言い値でお譲いたします。」
「それでは金100キロでお願いします。」
「何をご冗談を。」
「冗談ではありません。本気です。」
モイナムは少し俺を見つめた。
「私どもは誠実な取引をしてきました。そのような施しを受ける訳には参りません。」
「これは失礼しました。それでしたら、金50キロで今お持ちの宝石をすべて譲っていただくという条件では、いかかでしょう?」
「宝石をすべてですか。儂が隠すかも知れませんぞ。」
「さきほど、誠実な取引と言われたではありませんか。」
「これは、参りましたな。分かりました。その条件で結構です。よろしくお願いいたします。」
「船の手配ですが、こちらは何人ほどおられますか?」
「80人ほどおります。」
「それでは二週間後に草原の民20人で迎えに参ります。船2隻をレンドルの港に準備します。それまでに準備してください。」
「それはありがたい。早速手配いたします。」
「少し鉱山を見せていただくことは可能ですか。」
「どうぞ、ご案内いたします。」
俺たちはモイナムの案内で坑道に進んだ。中はひんやりしている、暗いので俺は見えないが、ペルカはずんずん進んでいく。オークも本来は暗いとこは苦手なはずだが、シュレンビータも特技のおかげで見えるようだ。どうなってんの。
「こっちには鉱脈が通じていますね。」
シュレンビータが壁を見てつぶやいた。モイナムが聞きつけた。オークが何を言ってるという感じだ。そうなるわな。
「そちらには鉱脈はないですよ。」
「実はシュレンビータは採掘3なのです。」
モイナムは凍り付いた。
1時間ほど坑道を見て俺たちは外に出た。
「そのような方がこの鉱山を見ていただけるのは嬉しい限りです。」
モイナムが俺の手を握って頭をさげる。
「しっかり引き続き使わせていただきます。」
俺たちはフォイヘスに乗って荘園に戻った。
「シュレンビータ、どうだ?」
「まだまだ、掘れるところはたくさんありそうです。50人ほど山の民を使えれば安定的になります。」
「わかった、手配しよう。ペルカ頼むぞ。」
「はい、わかりました!」
返事だけは良いな。
2週間後に宝石と金の交換になるので、その準備と第二の扉攻略を一か月後に変更した。
2週間後運搬車を曳いたケンタウロス20人がペルカに率いられて港に到着した。
「ショウ様、色々ありがとうございます。」
モイナムが深々と頭をさげる。
「故郷での成功をお祈りします。」
「それでは、これをお受け取りください。」
モイナムが木箱を出してきた。俺も準備しておいた50キロの金塊を取り出した。
お互い、中身を確認することなく受け取った。
「これだけあれば、向こうでまたしっかり生活が始められます。感謝します。」
「無事の航海を祈っています。」
モイナムたちは2隻の船に分乗して長年住んだジェローリアからコリコラスに向かった。




