60階層2
「みんな、次に蜂が来たら、ちょっと距離を取ってくれ。それと大きな音がするから驚かないでくれ。特に霧の民は耳を塞いで。」
俺が何を言っているのか、一同は理解できない感じになった。そうなるわな。
少しすると前方に蜂2グループ5匹が現れた。
「みんな、ちょっと待ってくれ。」
俺はルガー57を取り出しサンフランシスコで散々絞られて手に入れた射撃術を披露した。
轟音と共に蜂が爆砕する。
「おおっ、どうなっとるんじゃ!」
全員が歓声を上げリムが飛びついて来る。もっと褒めて良いぞ。
「一撃だったな、凄い威力だ。」
俺はそう言いながら近づいて来る残り4体の蜂も次々と殲滅した。
一同はその威力に声もでない。矢だと3発かかるのが一撃だ。
「ショウさん、それも魔道具ですか?」
エリーンが冷静に聞いてくる。
「そ、そうだな、そんなものと思ってくれ。」
「どうしてもっと早く使わなかったのじゃ?」
「そうだな、これは呪われた武器だ。できれば使わずに済ませたかった。」
「呪われているのか?」
「人間が船を作ってから島の間での争いが増えただろう。これはそれと同じようなものなんだ。何十年かすると人間はこれを作るようになるかも知れない。だからみんな、ここで見たことは内密にしてくれ。」
「そ、そんな恐ろしいものなのか。」
「武器は悪いわけではないけどな、おそらく人間が持つと大変なことになる。」
「人間がこれを持つと恐ろしいことだというのは分かります。」
スティリアスが声を震わせる。
「だが、今は迷宮攻略が優先だ。この迷宮をでたらこのことは忘れて欲しい。」
一同は頷いた。
「ショウさん、それはどれくらい矢があるんですか?」
「これは矢ではなく弾丸というものを打ち出すんだ。弾丸は500あるから行きで250は使えるな。」
「弾丸はまた作れるのですか?」
メイガロマトンが聞いてくる。
「いや、こっちの技巧では無理だな。俺の島でまた調達してくることはできる。またメイガロマトンやタンディには戻ってから話をしよう。」
弓技もちたちは興味深々だ。
「今回は蜂が複数グループきたら俺が対応するので、1グループだったら弓で頼む。」
メイガロマトンとタンディは頷いた。
「お義母さん、霧の民は耳大丈夫ですか?」
「まだ、ちょっと聞こえにくいですが、問題ないです。」
「すいません。音を小さくする細工ができるか次回までに試しておきます。」
しかしHP3000の蜂を瞬殺とは凄い威力だな。こんなのカソーピアなんかに持たせたら大変なことになる。
その後は蜂を順調に撃破して3時間ほどで52階層の降り口に着いた。長時間いるほど、蜂との接触が増えるので、結構短時間で走り抜けた感じだ。
「52階層の入り口でも少し様子を見ましょうか?」
サイクスの提案に従って、52階層の入り口でも1時間ほど様子を見るが、魔物の種類は増えない。そこからまたスピードを上げて53階層の降り口に3時間ほどで着いた。銃と蜂の相性が良いので楽してる。
「さて、53階層だから、新しいのが来るな。」
俺たちは53階層の入り口で新たな魔物を待った。蜂や蚊を何組か殲滅してから、
「赤、来ます。」
サフィアスの声に全員が前を凝視する。視力で劣る俺にも見えた、木だ。
大きな木が二体、近寄ってきている。
「カニとクワガタを出してくれ。」
人魚たちが使役する魔物が前に進むと同時に木から何かが飛んでくる。俺は魔物のステータスを追ったが、木からの攻撃でカニとクワガタが相次いで爆砕した。
「魔法攻撃、ダメ500くらいだ。」
俺の声に反応して、魔法防御90%のドワーフたちが前に走り出し、魔法職はそれぞれ遠距離の攻撃を加える。ドワーフたちは木の枝の攻撃に阻まれなかなか近づけない。ペルカが物理防御を発動して接近して幹を切り付けるが、ダメが入らない。スラッシュも使ってで500程度だ。2000ほどの物理防御を持っている。
「物理防御あるから、魔法を強めて!前衛は戻ってくれ。」
俺の声に反応してリムやロルは遠距離魔法の強度を上げる。その間にも木の投げる実のようなものがこちらのパテに降りそそぎダメを与え続けた。しかしエリーンの全体回復で特に問題はなさそうだ。魔法攻撃は入るのでまもなく木は爆砕した。
「この木はMPが多いから、わらわが中心で攻撃しよう。たくさん撃っても大丈夫じゃ。MP回収できるからな。」
リムが自慢げに言った。
「それは良かった。リム頼むぞ。」
「おう、まかせるのじゃ。」
これで下痢回避できるな。
「木が投げてきた実は火属性ですね。」
「そうだと思います。お義母さん。」
「それなら、挟まれた時に、おおだこで時間稼ぎできそうですね。」
「なるほど、火属性の魔法攻撃にはおおだこ強いですからね。ジェイパスその時は宜しく頼む。」
「任しておくのじゃ。」
上位種二人はしっかりよいしょしないとな。弱いギルマスとしての役目だ。
フォーメーションをしっかり守って、サフィアス、メレンタスの道取りの確かさもあって、俺たちは問題なく55階層への降り口に到達した。
「レベル上げもあるので55階層の入り口で休憩しませんか?」
サイクスの提案に従って、パテは55階層入り口で休息しつつ、レベルを上げた。
ショウ 魅了4
リム 闇魔法4
エリーン 蘇生
レモルクス 回復
コントピロ 加速
フォイヘス 回復
モウル 弓技
サウサ 雷魔法3
タンディ 弓技2
ペルカ 魔法絶対防御
アカシュ ブーメランアタック
フォンジオ 加速
シュレンモハン ハイスラシュ
ファロメイリン 物理絶対防御
メイガロマトン エレキショット2
スティリアス 物理絶対防御
ロストリン 拳技3
凄い!これほどスキルや特技が手に入るとは50階層の反動かな。
「なんかみんな凄いな。リムもおめでとう。闇魔法4かっこいいな。」
「そうじゃな、これであの光魔法の僧正とも渡り合えるのじゃ。」
リムは興奮気味に言う。
「エリーンの蘇生というのは、まさか。」
「説明はないんですが、ショウさん一度死んでもらえます?」
なんでやねん!
「それは既に禁忌レベルのスキルですね。利用制限とかあるかも知れないので、慎重にしないといけません。」
サイクスが冷静に言う。
「そうですね。帰って調べてみます。」
マニュアルには載ってるはずだ。
「我々が回復を得たので、エリーンの負担を分担できそうです。」
エリーンの父親のレモルクスが嬉しそうに言う、良かった。
「ペルカさんは魔法防御まで手にいれて、不死身ですね。取りあえず魔物の中に投げ入れても大丈夫ですね。」
サイクスの言葉にペルカは涙目で、
「許して下さい。両方使うにはMPが足らないので~。」
得意の土下座攻撃だ。
「タンディの弓技2はどんなだ?」
「長距離射撃ができるようです。」
「それはすごい、先制攻撃できるな。」
「頑張ります!」
「ブーメランアタックも聞いたことないけど、誰か知ってる。」
「昔伝説の戦士が持ってたスキルだと聞いたことがあります。斧を投げて攻撃して、斧が投げた人のところに戻ってくるようです。」
物知りのスリニーが解説してくれる。
「拳技3も凄そうだな。」
「何と物理防御1000が追加されました。」
「お、おぅ、それは物理絶対防御並みの硬さだな。MPなしで使える前衛が増えて作戦に幅がでる。」
「そうですね、MP使わずは大きいですね。」
サイクスが相槌を打つ。
「エレキショット2は?」
「それが70%の確率で麻痺させるようです。」
「70%!それは2発撃てばほぼ100%だな。」
「色々凄すぎて、作戦が立てにくいですね。」
サイクスとエリーンが嬉しそうに話している。
「私は器用貧乏。」
モウルが寂しそうに下を向くがそうじゃないよな。
「そんなことないぞ、色々できるのは大事なことだ、頼りにしてるぞ。」
「ほんと、それなら嬉しい。」
中間管理職は色々つらい。
最後に誰にも言えないが俺の魅了4についてだ。
{魅了4 ユニークスキル すべての知的生命体異性の意思を制御できる。相手の記憶は有りと無しを選択できる。}
これで、クリトアン公爵を制御してる奴に追いついたんだろうか?しかし公爵は雄だから俺には制御できないな。敵は雌なのか?




