↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/108

裏切りと粛清

夕方になって一同が到着した。なぜかサイクスがサフィアスを連れている。大丈夫か?

「まだ眠い、主様。」

大丈夫とちゃうな。

船長7人と到着した5人、モウル、シュレンジュ、俺がテーブルに向かい合う。

サフィアスが席に着くと同時に、突然指さした。

「左から2人目の人、おかしい。波動が黒い。」

「何を無礼なことを!」

指摘された船長は剣を抜きサフィアスに切りかかろうとする。しかしモウルが加速を駆使して、その剣をはじき飛ばし、取り押さえる。グッジョブ!こういう時は凄いな。場の全員が氷ついた。サイクスが静かに言う。

「サフィアスは魂の波動を感じる力が強いのです。例えば敵に内通している魂には葛藤や悪意が渦巻くので波動が黒くなります。」

「何をでたらめを!」

取り押さえられた船長が反論する。

キャリアスが静かに立ち上がり、近づいて行った。

「スリザイン船長、どうして言葉ではなく、切りかかったのですかな。」

「そ、それはあまりに無礼なので。」

「いつも冷静なあなたらしくありませんな。」

キャリアスが他の船長を見回すと、全員頷いた。キャリアスは剣を抜くとスリザイン船長の首を刎ねた。ええー!!

キャリアスは跪いた。

「王様、皆様、お恥ずかしいところをお見せしました。また、大事な部屋を汚してしまいました。最近当方の情報がカソーピアに漏れる事案がいくつかありました。まさかと思っておりましたが、世代が変わると結束や忠誠ももろくなります。しかし残ったわれら6名の忠誠は揺るぎません。」

この言葉に他の5人の船長も席を立って跪いた。なんか涙が止まらない。リムは当然号泣や、しっかりせい。サイクスは首のない遺体に近づくと瞬時に氷魔法で冷凍した。

「それではお話を進めましょう。これで当分問題ありません。」

さすがお義母さん!

「皆さん、今日はお越しいただきありがとうございます。先日キャリアス船長から血筋の件を指摘された後、自分に何ができるか考えておりました。祖母からこのペンダントを受け継いだ時から私には何かの使命があることは意識しておりました。その使命がこれほど大きいとは知りませんでした。まだまだ若輩で一人では何もできませんが、今言えることは、コンポロ島の皆さんの自由を取り戻すために、私は命を懸けることを誓います。」

スティリアスの言葉に船長たちは涙を流した。俺たちもその言葉に感動した。

「今日おめにかかれてその言葉を伺えただけで、今までカソーピアに抵抗してきた苦労が報われました。今すぐ何かを動かそうという訳ではありません。王の意思に従い、私共は行動致します。なんなりとご命令ください。」

少しのあいだ沈黙が支配した。

「船長の皆様、一言申し上げる。わらわは空の民で、公爵家の一員である。モウルも森の民の貴族である。しかし我らは種族を超えてショウというあるじの元で、家族として結束しており、家族ひとりの問題は家族全体の問題として解決していく決意です。」

リム、泣けるぞ!

「お姫様、新参の私にそんな優しいお言葉を、」

スティリアスも言葉が続かない。

「俺があるじというのは少し違いますが、我々は家族として結束しているのはその通りです。また同じくカソーピアの脅威を感じる者として、全力でスティリアスを支えていきます。」

「ショウ様、お言葉ありがとうございます。今日は6人ですが、コンポロ船団11隻はショウ様にすべてを委ねますので、ご指導ください。」

改めて、船長たちは跪いた。これは重たいぞ。


その後も話は続いたが、首を刎ねるところから始まった顔合わせにしては最後はやわらかい感じで終えることができた。その後、スイザリン船長の船を他の船が包囲して、全員を下船させ、サフィアスが副船長二人も通じていることを見抜いた。その二人は獣人たちが処刑した。その後裏切りについて、スイザリンの船員に告げたところ、全員が引き続き王の為に戦うと誓った。これで12隻に戻ったな。

粛清の件もあったので、この夜は宴会もせずに、簡単な食事をして、船長たちは船に戻った。その後一同は集まった。長い一日だ。

「まだ、船長たちには、言わないが、半年以内にコンポロ島を奪還する。」

「ほほっ、ショウさんならそういうと思っていましたわ。」

サイクスが微笑む。さすがベテラン。

「ショウ様、無理はなさらないでください。」

「スティリアス、無理ではないんだ。それくらいのスピードでないとカソーピアに飲み込まれる。これは家族全体のため必要なんだ。」

「ショウ、よく言ったぞ。さすがわが主じゃ。」

「主様、誰切ったらいいの~。」

家族の意思は固まった。

翌日、荷を下ろした7隻の船は、次の段取りを決めて帰って行った。小舟に乗る船長たちを見送った後、俺はリムに言った。

「海の民にもう一度、会いに行く。」

「そうなると思ったわ。今回はわらわもいくぞ。相手が上級種でその上家族なんじゃろ。」

「え、そんなこと言ったか?」

「ばかもの、わらわはショウの正妻ぞ。分からぬはずがなかろう。なにかあったらもろともじゃ。」

「ありがとう。」

俺はリムを抱きしめて離さなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。