再び宇宙人
トロンビアから山小屋には戻らなかった。下北沢でじっくりこれからの方針を考えよと思う。ポポゼウルの推理が正しいとしたら、魔物に仲間が瞬殺されることがあるということになる。それは絶対避けたい。それに、もしカソーピアと戦うことになったら、対人戦での戦術が必要になる。伊達にMMOやシュミレーションゲームをやってたわけでないことをここで示さんとな。そこでも雑魚だったけど。めげずに現有戦力の棚卸だ。まず俺から。
人間 ショウ スキル 鑑定4 魅了3 覚醒2 同期
HPやMPなんかが460くらいになってる。レベル46から50になると160あがった。人間はレベルが上がるとステータスの上昇も相当増えるようだ。41から45までが80だったから倍だ。引き続き戦力としては雑魚だけど。それとレベル50では、初めて新しいスキルが落ちなかった。これは悲しい。
妖精 リム スキル 火魔法 闇魔法3 特性 MP吸収
ケンタウロス エリーン スキル 回復2 特性 運搬 即死回避
レモルクス 特性 運搬 即死回避
コントピロ スキル 状態異常回復 特性 運搬
フォイヘス スキル 加速 特性 即死回避
エルフ モウル スキル 加速 特性 調薬 剣技 即死回避
サウサ スキル 雷2
フェイン 特性 調薬2
タンディ スキル 加速 特性 弓技
ドワーフ ペルカ スキル 物理防御 ハイスラッシュ 特技 剣技 鍛冶
ビジェイ 特技 鍛冶3
スリニー スキル 物理防御 ハイスラッシュ 特技 鍛冶
フォンジオ スキル 物理防御 特技 鍛冶
アカシュ スキル 物理防御 特技 剣技
オーク(戦闘系)シュレンモハン スキル スラッシュ 特技 HP吸収 剣技
ファロメイリン スキル 加速 特技 剣技
ファロリアス スキル 光魔法2
メイガロマトン スキル エレキショット 特技 弓技
ノーム サフィアス スキル 水魔法 感知2 特技 状態異常耐性
メレンタス スキル 火魔法3
サイクス スキル 氷魔法3
獣人 スティリアス スキル 加速 特技 暗殺3 剣技
ロストリン 特技 拳技2
忘れそうなので、シートに入れとこう。迷宮攻略については、結構前衛が補強されたので、ドワーフを何人かポポゼウルから借りれば3パテはできるとこまできた。しかし対人戦というか戦争だと、また違った見方が要る。カソーピアが相手だとほぼ人間なので、数で押してくるだろう。まずは囲まれないようにしないとな。決闘じゃないんだから向こうはこちらをボコろうとするだろうからな。
迷宮に関しては即死攻撃の対策を手に入れるまでは、いったん中止しよう。今は戦争対策を進める時だな。ジェローリアかペイニャの一方が攻められたときに片方に避難できるくらいの国力は必要だろう。ペイニャの開発はもっとスピードアップしよう。ペイニャも4000平方キロもあるんだから放牧だけじゃなくて畑も必要だ。
そんなことを色々考えて下北沢で数日すごしていると、夕方ドアがノックされた。また懐中電灯の宅配だろう。ドアを開けてサインしようとすると、地味な女の人が立っている。
「どうも、源田翔さん。宇宙人です。」
「え、えーと。」
「ここではなんなので、入れて下さいね。」
有無を言わさず、地味な女の人は部屋に入ってきた。部屋の中を見回して、
「ちゃんとした生活ができているようで良かったです。」
「どちらの宇宙人の方でしょうか?」
新手の強盗かもしれないが、この子だったら勝てるだろう。魅了もあるしな。
「被害者救済局の職員です。座っても良いですか?」
俺はお茶を入れながら考えた。宇宙人は魅了効かないかな。
「粗茶ですが。」
「ありがとうございます。実はこの前、翔さんに怪我をさせて奴ですが、逮捕されました。」
「あ、ああ、清里でのことですね。示談に応じましたが、なにか問題でも。」
一応話を合わせておこう。
「その件については示談が適切に終了しているのですが、その後が問題でして。」
「どういうことでしょう。」
「あなたの体を戻すときに、奴は過失で間違えてしまったと言ってましたよね。」
「は、はあ、そうですが。」
「それが嘘だったのです。奴は故意にあなたの体を強化しました。」
「そ、そうなんですか?」
まあ、色々役にたってるので、文句はないんだけどな。
「その行為で第6種知的生命傷害罪にて起訴されました。これは重罪です。普通だと禁固10万年くらいになります。」
そんなに生きんのか!
「そ、それで、俺に何か?」
まさか俺の向こうでの夜の乱行も禁固10万年とか。
「いえ、あなたに問題はありません。傷害についても被害者との示談で罪が軽くなるので、あなたにその意思があるか確認に参りました。」
また、示談か。新手のオレオレ詐欺とちゃうやろな。
「よくわかりませんが。」
「あなたが示談に応じるのなら、奴の情状は酌量されて、刑期は短縮されます。」
「示談の条件とはどんなものでしょうか?」
「奴は何としても示談に応じて欲しいといっているので、あなたの要望を聞きたいそうです。その内容が奴に受け入れられるもので、公序良俗・未開生物保護法に反しないものであれば、示談は成立します。」
俺が今やってることが公序良俗に反しそうだけど、それはオケなんだな。後の法律にはちょっとイラっとするが。宇宙人のルールはよくわからん。
「少し考えても良いですか?」
「どうぞごゆっくり。」
この宇宙人は俺の異世界生活は知っるのだろうから、それ前提で考えて良いんだな。あまり欲ばるのもどうかと思う。
「よろしいでしょうか?」
「はい、それでは記録します。」
「要望はふたつです。第一は異世界に持っていくキャパが少ないので、今のリュックを伸縮可能で100キロまで入る袋に替えて下さい。二つ目はゲートが使えなくなる目撃判定基準から家族を外してください。」
「はい、記録しました。少々お待ちください。」
宇宙人は空中にモニターのようなものを出して、なにか打ち込んでいる。10往復ほどのやり取りで、モニターは消滅した。
「ちょっと問題ありです。」
過大な要求で偉い宇宙人が怒ったとか?
「あなたの条件は被告も承諾し、裁判所も公序良俗・未開生物保護法に反しないと判断しました。しかしながら陪審から、示談の条件が前回の示談と比較して悪すぎるとの指摘がありました。なので、あなたの示談条件は認められましたが、更に交渉の権利を留保できることになりました。よろしければこれに署名をお願いいたします。」
よくわからないが、俺の要求は通ったみたいだ。
「お時間を取らせました。これで手続きは終了です。当局としては未開生物への補償にこれを用意しておりますので、呑み込んでもらえますか。」
また、大きな飴玉みたいなやつだ。
「これはなんですか。」
「ちょっと、機能はいえないのですが、あなたにとって不利になるものではありません。」
そんな怪しいの飲めるかよ、と思ったが、宇宙人の圧に負けてしまった。
「それでは手続きはこれで全て完了しました。たとえば示談の追加条件を交渉したいとか、元の体に戻してほしいとか、なにかあればこのスイッチを押してください。」
俺は銀色のスイッチを受けとった。これも金庫行きだ。地味な女の宇宙人は玄関から帰っていった。帰り方も地味だった
自称宇宙人が風のごとく現れ、風のごとく去って行った。まあ話の辻褄はあうので信用した。落ち着くといつものリュックの横に見たことのない袋がある。素材はよくわからないが、伸縮がすごい。これだと、色々はいるな。横に説明書きがある。
{この袋は大きいので、内部の物を取り出したあとは、自動的に収納され、ゲート使用モード時に自動的に出てきます。}
これは便利や。




