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新迷宮発見

翌日俺たちはペイニャ島に向かった。スフィージャ迷宮、俺はゲートで初めて行き先の名前を知った。モウルが予選通過者のパスを見せると、一行はノーチェックで入国した。

これから進むところは道があるわけではない。フォイヘスにサイクスとモウルが乗って先行して道を探す。サイクスは来ると言って聞かなかった。夫婦喧嘩の憂さ晴らしか。エリーンに俺とサフィアス、メレンタスが乗って魔物の波動を探索しながら進む。俺は役にたたんけどな。唯一フォイヘスとエリーンの間で使うトランシーバーの調子が悪い時のみ出番がある。悲しい。

フォイヘスが加速で通れそうなところを探すので移動はスムーズだった。しかし魔物の気配はない。みんな干し肉を齧りながら一日12時間進んだ。

4日目の夕方だった。もうすぐ海岸に近い山地が切れるところで、ほぼ島の北端に位置する場所だ。山が迫って海辺のルートが取れないので、南の山麓を進んでいる。

「魔物。」

サフィアスがつぶやく。エリーンは直ぐに先行するフォイヘスを呼び戻した。ケンタウロスから降りて、サフィアス、メレンタス、サイクスが手を握りあって目を閉じる。こうすることで感覚を更に研ぎ澄ますようだ。

「山の中腹に確かにいます。」

サイクスがこういうと、エリーンを先頭に注意深く山に向かった。暗くなってきたが、ノームの3人には問題無いようだ。登りが険しくなってケンタウロス二人はその場所で待機することになった。少し上るとサフィアスが感知2を使う。

「50メートル先、3体発見。」

モウルは剣を抜いた。俺は暗くて見えないし、みんなに任せよう。傾斜がきついので、ノームたちでも魔物は確認できない。かまわずにサイクスとメレンタスの氷魔法と火魔法がさく裂した。オーバーキルだな、何がいたかもわからない。焼け焦げたところは少し平らな地形になっている。もう真っ暗で俺はかろうじて懐中電灯で足元を照らすが、ノーム3人はハモッた。「迷宮発見。」


俺たち7人は二日でスフィージャ迷宮まで戻り、荘園に戻った。

荘園で報告すると、歓声が上がった。

「ちょっと、難しいですね。」

シュレンジュが地図を見ながら額に皺を寄せている。

「どうした?」

「20キロ四方の場所を見ているんですが、迷宮を含む土地だと、海岸線は入りますが海岸線から急に高くなります。そこに建物を作る場所がほとんどないので。」

「今回の所領競技は没収された所領が多かったので、一位には3ブロック、2位には2ブロック出るよ。」

こいつはいつも緊張感ないな。

「2ブロックならどうだ。」

「2ブロックあれば迷宮と港、両方大丈夫です。」

「おい、2位までに入るぞ。」

俺は役にたたないから、出たらいかんな。それでも作戦は考えないと、こんな時サイクスは頼りがいがある。夫婦喧嘩よかったかも。

所領競技の詳細ルールをエルフ語で書いた紙があるので、モウルに読み上げさせた。


・予選を通過したリーダーは最大10人のパテで挑戦できる。

・メンバーには上位種を含むことは禁止。傭兵はオケ。

・会場はペイニャ島の3つの迷宮。前日の抽選でどこになるか決まる。

・メンバー表は当日出発の30分前までに提出する。

・当日は3つの迷宮を一日封鎖する。競技関係者以外侵入禁止。

・31階層から40階層(41階層降り口)までの時間を競う。

・ゴールは40階層に設定された線をパテ全員が越える時とする。

・時間の短いパテから上位とする。同タイムの場合、報酬に影響のある場合は決定戦をおこなう。


「それぞれの迷宮31-40の魔物一覧はある?」

モウルが黙って紙をテーブルに置く。俺には読めんけど。モウルが妖精語で読み上げるのを、シュレンジュが書き写す。

「あっ、こうなんですね。」

エリーンが思わず声を上げる。どうした。

「これは弱いな。」

リムが止めをさす。俺も魔物の数と名前を聞いて頷いた。上位迷宮とこんなに違うのか。

「フォイヘスは何人まで乗せて迷宮を走れる?」

「3人は余裕ですね。頑張れば4人でしょう。」

「モウル、いままでの、記録はどれくらいなの?」

「前回は3時間くらいがトップ。」

「フォイヘスだったら加速使って、全部スルーしても大丈夫だ。」

サフィアスという最新ナビ付けて、フォイヘスというスポーツカーに乗ったらそうなるよね。

「なんかの異常事態にそなえて、お義母さんもお願いできますか?」

「はい、面白そうですね。」

モウル、フォイヘス、サフィアス、サイクスの4人で挑むことになった。それから数日はリショウム迷宮15階層で4人がトレーニングしてる。問題はサフィアスだ、フォイヘスが疾走するとすぐに車酔いで気分が悪くなるようだ。当日は飯抜きやな。訓練の間、俺は監視所で新たな鍛冶場の出来具合を見ていたら、ビジェイとスリニーが弟子を引き連れて迷宮から出てきた。ビジェイが挨拶もそこそこに慌てている。

「ショウ様、弟子たちが、迷宮を暴走してる魔物がいると言ってるんですが。」

「大丈夫だ、気のせいだと言っておけ。」

合図の狼煙を上げさせると、2時間ほどして、ケンタウロスたちが監視所に駆けてきた。

運搬車を繋ぐと、ドワーフたちを乗せて山小屋へと向かった。連絡を受けた荘園の面々が村に集まってきた。30人のドワーフの歓迎会だ。

「いよいよ100人超えたな。」

俺の肩にリムがとまる。

「まだまだ増えるのう。ショウももうすぐ二つの迷宮持ちじゃ。」

「いや、おれの迷宮なんて持って無いぞ。」

リムは黙っておれの頬に抱きついた。


迷宮組全員が戻ってきたので、残ったメンバーのレベル上げを始めた。サイクスが家出して来てくれてるので、レベル45が14人いる。これにレベルあげ対象者6人を連れて45階層に挑戦することにした。エリーンの父母、兄、4歳以上のオーク9人、それにペルカのいとこ二人が弟子に入っておりこれに覚醒が利いたので、合計14人だ。そのなかでハルカとメイガヘリスは町常駐なので別の機会を設けよう。

40階層を越えてもサフィアスの感知2のおかげで、極力ファイアーリザードとサソリを避けて下を目指す。少しくらいの乱戦でも、エリーンの全体回復のおかげで危機に陥ることはない。そして45階層入り口に陣を敷いてリム、メレンタス、サイクスの全体魔法で削って、ドワーフたちが止めを刺す。3日の遠征2回で全員がレベル45になった。


レモルクス(エリーンの父)  特技 運搬 即死回避

コントピロ(エリーンの母) スキル 状態異常回復 特技 運搬

フォイヘス(エリーンの兄) スキル 加速     特技 即死回避

フォンジオ(ペルカの従兄) 特技  鍛冶

アカシュ(ペルカの従姉)  スキル 物理防御

シュレンジュ        特技  経営 外交

シュレンパウス       特技  経営

シュレンビータ       特技  採掘2

ファロンビス(ミドリ)   特技  農業2

ファロピピン        特技  調薬2


今回も大漁だ。よかった!

外交とか訳わからんな。アカシュはやはり戦闘向きだったな。鑑定4がうまくいった。エリーンのお母さんも凄い。状態異常回復、今一番必要かも。


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