↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/108

鍛冶3の波紋

もう一日町で過ごしたあと、俺もフォイヘスに乗って荘園に向かった。ちょうど荘園手前でケンタウロスたちの運搬車に追いついた。そこからは並走して村に入る。俺たちを見つけた村のオーク達が出てきて歓声をあげる。運搬車のオーク達も答えて歓声をあげる。うん、いい風景だ。

「皆の者、長旅ごくろうであった。わらわはレンドル公爵第一皇女である。これからは荘園の一員として、みな家族じゃ。皆で助け合って荘園を作っていこう。期待しておるぞ。

詳しい話は農業管理のミドリからじゃ。」

リムの演説にオーク達は歓声を上げた。まあ合格だな。後で頭を撫でてやろう。

「みなさん、長旅おつかれさまでした。私はショウ様の元で農業を担当するミドリと申します。これから歓迎の宴席を設けます。そのあとは、みなさんお疲れでしょうから、二日ほど小屋でゆっくり過ごしてください。その後具体的な仕事の割り振りをします。」

「ミドリ様、私どもは働くために参りました。二日の休みは長すぎます。」

年かさの雄オークが声を上げた。やるき満々だな。

「それはありがとうございます。しかしさきほどお姫様がおっしゃったように、皆さんは家族です。家族が疲れて働く姿をみたいですか?」

このミドリの言葉に多くの雌オークが涙を流した。ファインプレーだな。

80人ほどが一緒に食事を楽しんだ。リムはすこし遠くからこれを見ている。

「どんどん家族が増えてくるな。」

「そうじゃな、これもショウのおかげだ。」

リムは俺の肩に止まる。

「いや、リムの家族愛じゃないか。みんなをまとめてるのは。」

「そ、そうか、それなら良いのじゃが。」

俺は後ろからリムを抱きしめる。そんなよい雰囲気がぶち壊された。

「お姫様!ご主人様!」

泣きながらペルカが疾走するケンタウロスに乗って近づいてくる。


ペルカはケンタウロスの背中から転がり落ちるように降り、得意技の土下座攻撃を始めた。俺とリムは顔を見合わせた。またかよ!

騒ぎを聞きつけてエリーンとシュレンジュも駆け寄ってきた。

「おい、落ち着け。一体どうしたんだ。」

まさか、三兄弟が里で無礼を働いて、ドワーフたちが攻め込んでくるとか。

「すいません。すいません。」

「いや、それはもう良いから。何があった?」

「里で鍛冶3の特技について、三人で情報を集めていたんですが。」

そこまでは問題ないな。

「どこかで、ビジェイが伝説の鍛冶3であることがみんなにバレました。そのことが広まってしまい、次から次へと弟子入り希望者が殺到しています。家の周りを人が取り巻いてビジェイとスリニーは閉じ込められています。私は隙を見て逃げ出すのに成功したので戻って来ました。」

どうも、情報漏洩はお前が怪しいな。後で折檻だな。

「鍛冶3はそれほど珍しいのか?」

「今回調べて分かったんですが、70年ぶりらしいです。」

人間国宝クラス以上だな。

「それで弟子志願者はどれくらいいるんだ?」

「百人はいると思います。それ以上は勘定できません。」

「このままでは、ビジェイとスリニーはいつまでも帰ってこれそうにありませんね。数人弟子を選んで、他の人を納得させますか。」

エリーンがまっとうなことを言う。

「あの、ちょっと良いでしょうか。」

あ、これはシュレンジュが良いこと言うパターンや。

「今回エリーンさん一家が来て、物流が大幅に改善しました。迷宮に関するふたつの使命のうち、いままでは監視機能は十分ではありませんでした。」

なるほど、たしかにそうだな。

「これは輸送力がなくて、監視拠点の資材が送れなかったこともあります。今はこの問題は解消されています。しかしたとえ拠点ができても、遠征の時はほとんど戦闘力のある人は地上に残りません。これでは満足な監視はできません。」

おー、そういうことか話がやっと見えてきた。シュレンジュ凄いぞ。

「山の民で鍛冶を目指す人は最低レベル30だと思います。そんな人がたくさん監視所で生活していたら、監視機能も万全ではないでしょうか。」

「おお、そういうことか!監視所の場所に鍛冶場も設けるということだな。」

リムも気づいて興奮している。

「監視所のそばは鉄も採掘できますからそれは良いですね。」

ペルカお前は反省しとけ。

「シュレンジュ凄いぞ。それで何人くらいいける?」

俺は数字を見てないのでここは頼りっきりだ。だめな夫の典型や。

「そうですね。防具や武具の販路をみつければ30人くらいは大丈夫じゃないでしょうか?弟子なら食事と寝るところだけで大丈夫でしょうから。」

こんなブラックなところも俺好みや。

「それじゃ、大きな鍛冶村を監視所のところに設けるということで、良いかな。武具の販路は来週、俺がロンドビーと話をしてくるよ。」

「そ、そうじゃな、ショウの言う通りじゃ。それで計画を見直そう。」

「俺はちょっとコリコラスに飛ぶから、ペルカは鍛冶村の段取りをこっちで進めてくれ。」

「ご主人様、飛ぶとは?」

一同俺の発言に首をかしげる。

「ああ、俺は一度いったところには瞬間に移動できる。これは誰かに見られたら二度と使えないし、場合によって俺は死ぬ。なので緊急の時しか使えないが、今がその時だ」

「そ、そんなスキルがあるのか!」

リムが叫んでいる。

「いや、スキルじゃないんだ。毒無効と一緒で俺だけの技だな。」

みんなが引くが、これを言っとけば俺のゲート移動をのぞき見しようという輩はいなくなるだろ。

「そ、そうなんじゃな、しかしわざわざショウが行く必要があるのか?」

「俺の鑑定では、その人の伸びる方向も見極めることができるんだ。どうせ弟子にするなら、鍛冶に伸びしろがあるほうが良いだろ。」

みんな呆れてみんな無言だ。言い過ぎたかな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。