2話 追い求むもの
「ふうん、昔の彼女を探しにね…でも、探すあてはあるんかい?」
と僕の親友の意嗣勇気は言った。話している場所は僕らの中学校の教室である。
僕は彼女から送られてきたはがきを示しながら、彼女は生きている、そしている場所ははがきの写真の背景の山でわかると力強く言った。
「なるほど、彼女の住所は書いていないな…、ああ、この山はk府のa山だな。そこらへんの家を探してみるんだな。いつ出発するんだ?」
ちょうど長期休暇だしあさってからにしようと思う、と僕は答えた。
「ふうん、ま、がんばれや。」
彼は励ましてくれた。
そして、出発の日になった。母は心配そうな表情をしながら、左手で僕の方をポーンとたたいた。
そして、駅。人はごった返している。見送りに来てくれるという、意嗣を待っていた。僕はベンチに座ってペットボトルの水を飲む。5分、10分、15分…待ち合わせの時間をとうに過ぎていた。
すると、駅前の電光掲示板のアナウンサーが速報を話し始めた。
「たった今入ってきたニュースによりますと、o市で少年が誘拐されました。」
o市は僕が住む町だ。
「誘拐された少年の名前は意嗣勇気です。」
僕は衝撃を受けた。さらにアナウンサーが続ける。
「なお、誘拐犯は上下黒のスーツ、サングラスにマスク、そして2メートルもの大男だそうです。周辺地域の…」
きゃーーーー、と悲鳴が起きた。なぜなら、アナウンサーが言ったとおりの人物が、すぐ近くにいたからだ。僕のほうをその人物は見ている。僕は動けない。彼は左手に刃物を持ち、走ってくる。
僕の手を誰かがつかんだ。白くて細い手。意嗣の手ではない。誘拐犯は僕たちを追うのを諦めた。僕たちが群集にまぎれたからだ。僕はやっと白い手の人物を見ることができた。その人物は、意外な人物であった。…「彼女」だ。いなくなったはずの。




