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黒い家  作者: たま


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9/15

天邪鬼

「分かりました。努力はしましょう。ただし、それで、うまく行くとは思わないで下さい。」三笠はそう言って清めの塩だけとりあえず置いてその日は去っていった。

駅前ホテルから通うそうだ。

「適当に(まじな)いとかして行けば、良いのに。

アイツもクソ真面目だからなあ〜」と真治がボヤく。

「あ〜、でもお風呂と洗濯機は使いたいなあ〜

とりあえず点検口だけフタして使わない?

あの毛は、もう嫌だあ〜」三笠が置いていった塩を持って真治が圭一を抱き上げた。

「どうする気?」怜羅が首を傾げる。

「1人で入る勇気ないから3人で入ろう?

顔洗うのは、しばらくキッチンにして風呂と洗濯は皆一緒に行こう!」確かに外へ通うのも大変だ。

今のところ、髪の毛だけだ。

三笠の言う女の姿は見てない。

「ハア〜ッ、そんな都合よく行くかなぁ〜?」真治の楽観主義がうらやましい。

塩を洗濯機の上に置いて、洗濯物を予約セットして3人で塩風呂にして入る。

何とか無事終わった。

居間でアイスを食べながら三笠の動画を夫婦で見る。

この頃ずっとイライラぶつかってたが、この騒ぎですっかりそれどころじゃない。

家も気に入らないと思ってたけど、この真っ黒な家が

好きなんだと改めて気付いた。

幽霊?に嫌がらせされて気付いたのだ。

何とかして住み続けたい!

方法は?

「…私、明日図書館行って地域資料探せたら探すよ。

この窪地が昔何だったか?

まず、そこからだわ。」あんなに真治に向かってたイライラは今は霊に向かってる。

霊から家族と家を守りたい。

真治が通勤で疲れ果てながら買った家なのだ。

予約してた洗濯機が動き出したようだが、ガンガンガンと鳴ったと思ったら止まったようだ…また圭一を抱いて3人一緒に見に行った。 

塩が散らばり洗濯機の赤ランプが点滅してる。

「…なんか嫌な予感しない?」真治が聞いてくる。

「…今度はアンタが開けなさいよ!」と圭一を横取りしょうとしたが真治が譲らない、頑なに。

「チッ!」仕方ない。怜羅が開ける。

そう、真治はアホで軽くて…繊細でヘタレなのだ。

カチッと、扉が開く音がすると点滅がやっと消えた。

ゆっくりと開けていく。洗濯物はまだ乾いてる。水が出る前に止まってしまったようだ。

ゆっくり洗濯物を引っ張る。

1枚目、真治のワイシャツは大丈夫だった。次の圭一の今日着てた服とスタイも。

少しホッとして全部引っ張り出す…が、1つだけ出せない衣類があった。怜羅の今日着てたブラウスだけ。

黒い毛がミッシリと絡みつきすでに外すことさへ不可能なほど。

怜羅は先日の髪の毛達全てを入れた袋にそのブラウスも入れて、外のゴミ捨て場に1人で運んで行った。

明日だが、厳重な金属製のゴミ箱なのでアパートの若い住人などは前日から出している。

怜羅も、もう家に髪の毛のゴミを置いとく事が限界で出させてもらう。

明日から洗濯はランドリーを使うしか無いだろう。

黒い家の洗面所だけじゃなく、多分あらゆる所から家族を監視してるのだ。その霊は!

そして、この家族で最もしつこい奴もバレてる。

怜羅は屁理屈言いだし天邪鬼なのだ。

ああ言えばこう言う女なのだ。

初めは真治が気に入って勝手に決めたと文句言ってたが、今となっては!

霊に出て行けと言われたからには!

絶対負けたくないのだ!

改めて「黒い家」あらすじ読んだけど…私の母にソックリだったよ。

父も社長だから生かして金絞れるだけ絞ったけど、退職金で株始めたと思ったら家の風呂で溺死。

「父、死んだ」って1文メールだけ!

いつもはスクロール長文送ってくる人が!

肝心な時は、一切無駄口叩かない!

警察の取り調べから翌日やっと帰ってきたよ。

退職金は山分けして家の上下で卒婚してたらしいけど、

退職金を株に溶かされてる話をしてた時、

「私の金なのに…」って呟いてたの聞き逃してないよ。

私が子供の時、言うこと聞かないと、すぐロープ目の前に突き出してきて「死ね!今死ね!これで、首吊って死ね!」てわめくし〜今だにあの声聞くと震える。

天邪鬼で良かったよ〜絶対死にたくなかったもん。

たまに気弱になると、「いつ死んであげたらおかあさん楽になるかなぁ〜」とか悩んだけど。

だから中学で「義父に犯されてて死にたい!」って言ってる子に会って「やっと、これでお母さんを楽にしてあげれる!」と喜んだもん。

でも、誘ったら逃げられた…

孫達も「あいつはヤバい!お母さんの母親だけど、アイツはダメだ!」と私が決別決めた時ホッとしてた。

社会人なった子どもから見るとヤバい女らしい。


でも妹は本物になったからなあ〜

その上、武道の黒帯だし。ヘタに母が罵倒したり手を出したら…殺されるだろう。

世の中って、上手く出来てるのかもしれない…黒い家って、実家かあ〜

家族ってヤバい集団だと思ってしまうのは過去に裏打ちされてたのか?



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