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黒い家  作者: たま


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4/16

黒髪

「わあああ〜ッ!」翌朝洗面所から真治の悲鳴が響いた。

「どうしたの?」朝ごはんを作る手を止めて洗面所に走る。圭一は部屋の隅にまだベビーサークルの柵だけ残してそこでお昼寝もしてる。1歳過ぎて歩けるようになったが、まだまだどこへ走り出すか分からないのだ。

「やめてよ!こんなとこに毛束入れるとかあ〜」と洗濯機の裏を指さす。

怜羅がのぞくと毛束がモジャモジャとあった。

「ゲエエエエ〜ッ!嫌だあ〜これ、なに?」怜羅もひく。

「って、お前の毛だろ?洗濯機の裏がどうのこうの昨日言ってたから見たんだよ。そしたら…」とスッカリ怜羅のいたずらだと思っている。

「そんな訳ないでしょ!よく見てよ!この毛、真っ黒じゃん!私は茶髪だよ?」つまんで自分の髪の横に並べる。

「……」真治の顔が白む。

「誰の毛だよ?…長いし。圭一はまだ生え揃ったばっかりだし、そんな太くないし…」夫婦でこわばる。

「お前のイタズラじゃないの?本当に?」真治が信じたくないようだ。

「知らないよ!こんな毛!気色悪い!」とすぐゴミ箱に捨てた。

圭一が心配なのですぐキッチンに戻り大急ぎでレバーに手首でタッチして水を流し手を洗った。

新築に住めるのは嬉しい。機器が最新なのだ。キッチンレバーもタッチセンサー式だ。

しかし、黒カビなんて許せないし、知らない黒髪も気持ち悪い!

神妙な顔つきの真治がテーブルに座った。

朝ご飯しか家族で食べれないので、結構きっちりココに怜羅は力入れてる。

炊き立てご飯に味噌汁に焼いた魚に卵焼きだ。

野菜を別に取るのも面倒なので味噌汁の具にしてる。

「味噌汁の水は…ちゃんとウォーターサーバー?」と確認してから飲み出す。毎回毎回ウンザリだ。

「ココらへんは山が近いし多摩川の源流も近いよ?

多分、水道水は天然のエビアン状態だよ?

それにウォーターサーバーと言っても結局ペットボトルの水じゃん?ナノプラスチックの問題もあるよ。」

怜羅はハッキリと言わないが、真治の精子が少なくて元気ないのはナノプラスチックのせいじゃないかと思ってる。

それぐらいペットボトル1Lに24万個のナノプラスチックがどうしても製造工程中入ってしまうらしい。

それを何年も身体に蓄えてる真治なのだ。

恐いだろ?

「何言ってんだ?お前の使ってるテフロンのフライパンの方がピーファス問題なってるだろう。

その点、ウォーターサーバーはそれを除去してくれて…」と営業マンの受け売りを話し出す。

都会の人間は受け売りだけで実際の体験が伴ってない。どう考えても毎日口にしてるペットボトルの方が問題だろうに。

またせっかくの朝の食卓の会話はこんなので終わった。

子供が生まれてから、会社辞めてから2人はギクシャクしてる。共働きで忙しくしてたが、あのラブラブだった時代が懐かしい。

「それにしても、あの黒髪何なんだろう?」真治を圭一と見送った後、キッチンのゴミ箱を見つめる…が気持ち悪くてもう開けて見る気がしなかった。

元の「黒い家」みたいにヘタな欲の皮なんかなくても

2人で仲良く家庭営むだけで!

大変なんですよね〜生まれた家も育ちも違う2人が歩み寄り相手を理解し、自分を変え相手を変えていく。

もう、それだけで大変な作業なんですよね〜結婚生活って!

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