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黒い家  作者: たま


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14/15

土間収納オプション

黒い家は、土間収納用に玄関が広く設計されていた。

今どきな家でよく見る子供のベビーカーや三輪車や何ならコート類の掛けれる2つの入り口に分かれてる玄関だったのだ。

しかし「土間収納はオプションなのです。追加で50万になります。」と電卓叩かれそうになったので、怜羅が止めた。

「そうすると、今有るのを取り除く事になりますよ?」と困った顔をされたが、取り除いて貰った。

おかげで田舎の玄関みたいに入り口がただっ広いのだ。

そこを旦那の実家の仏壇スペースにすれば、坊さんが出入りしてても祟りの家だとはバレない。

井戸祓いの話は、怜羅の田舎の実家で親が本当にやっていたのだ。庭のお狐さんの社は残したが井戸はちゃんと神主呼んで閉じたのだ。

「実家のデカい仏壇とか、あのご先祖様のズラッと並ぶ写真は嫌だなあ〜」とスパを出てランドリーの洗濯物が乾くのを休憩室で待つ間、携帯見ながら真治が文句言ってる。

「好きなのに変えれば良いよ。あんな重い仏壇運ばすの迷惑だよ。イケアのチェストにご先祖様の写真は一覧表にして収納して、上にほら、これ?

アナタが好きなマイクラのワープゲートみたいなの飾れば良いじゃん?

ぼんぼりじゃなくて、このバックライトの奴。

玄関に明かり欲しかったし。照明代わりにしとけば良いでしょう。」とにかく不気味なホラーゲームの廃屋の仏間みたいな感じは消すのだ。

「そうか!あそこで三笠に定期的にご先祖とセットで拝んで貰えば!幽霊1体とウチのご先祖様軍団なら勝てそう!」真治があまり深く考えず喜んでいる。

あちらのご両親にも絶対バレてはいけない。

そしてご近所にも見られても良いように。

決して呪われた家で封印行事を定期的にしてると感づかれないためだ。  

洗濯物をなぜかスパランドの休み所で畳んで帰宅する。洗面所が扉開いて仕掛けたカメラが飛び出してる…

三笠達の思惑は霊にバレたようだ…一応メールしとく。

「洗濯はスーパーの隣だから仕掛けて買い物して帰り道に持って帰れば良いけど、お風呂は入りたいなぁ〜」と怜羅がため息つくと、真治がニヤニヤしてる。

「また塩貰ったから、明日は会社から帰ったらまた3人で入ろうな!怜羅と風呂入るの付き合いだした頃数回だけだったし、何か俺は好き♪ 」とか真治が喜んでる。

怜羅にはラブホのスケスケ風呂が全く理解できなかったが、真治は確かに喜んでいた記憶がある。

気付くとすっかりケンカも言い合いも無くなった。

2人の育ちや生活スタイルの違いどころか、今せっかくローンを払い始めた我が家を失うかどうかの瀬戸際なのだ。

この街で圭一をこの黒い家で育てたい!

幽霊に何としてもこの気持ちを分かって貰いたいのだが…

しかし、裏の木戸さんの旦那さんはすでに不眠症らしい。

枚方さんも、もうお腹大きかったのにまだツワリだと顔色悪かった。

「うーん、この建て売り全体が呪われてるのかなぁ〜

皆ローン組んだばっかりだよ!何とか頑張れないかなぁ〜?」と洗い物しながら悩む。

食洗機もオプションなので付けなかったのだ。

実はディスポーザーで途中から面倒臭くて嫌になったのでオプションの類は避けるクセがついてる。

1度付けると外せないからだ!

ディスポーザーは結局野菜とかのカスとか挟み込んだりして臭うのだ。だから古い歯ブラシで毎晩毎晩、自分の歯と一緒に磨いて綺麗にしないといけない。

きっと食洗機もどっかにゴミが詰まってる部分があって、そこを毎晩清掃しないと気持ち悪くなる…気がする。

洗濯機だって、我慢してドラム式使ってるのだ。本当は縦型が使いたいが。干すベランダのない家だから。

セッセと毛くずを掃除しながら排水フィルターも結局使う度に清掃してる。

オプションになるのには訳があるのだ。


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