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黒い家  作者: たま


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13/19

特番スペシャル

「いや、これほどとは!いいよ〜夏のスペシャル悩んでたけど、ここでお盆スペシャル組めるよ!」まだ初夏だが、三笠達が興奮してる。

「撮れた!と思ったんですが〜カメラには映ってませんでした!残念!

でも、オレもこの目で見ました。

結構若い可愛い女の子でした!」スタッフのお兄さんが興奮してる。

確かに怜羅も手だけ見た。綺麗な手だった。

怜羅みたいに所帯じみたアカギレもない細い血管が浮き出るような白い手だった。

「ところで、どうなんです?話せましたか?」この休日にエラい騒ぎになってしまって。

どう誤魔化そうか怜羅は頭を巡らせる。

「井戸で自殺したとか殺されたとか記事無かったでしょ?

アレはこの井戸に執着してるけど、ここで死んではいません!

ただ生前、この井戸に異常に執着してる霊なんです。」三笠が説明する。

「意識はほとんどもう持ってないですね。

井戸に居なければならないとその一念しか感じません。貴方がた御家族を不愉快に思ってるのは確かです。」三笠が説明してくれる。

「実は世を恨み人を恨んだ貞子や伽椰子みたいな霊って意外と短い時間で去るんですよ。それだけあの世はいい世界なのです。

彼女達を苦しめた地獄みたいな世界がバカバカしいほど。」映画みたいなのは無いそうだ。

極楽浄土はランドみたいなものなので、ひと遊びすれば、反対にこの世に残されたものを憐れむ気持ちになるらしい。

「若い女性だし、もしかすると恋人か誰かとここで約束していたのかもしれないなあ〜

だから、邪魔が現れると恋敵と誤解してるのかもしれません。

「エ〜ッ、そんなの一体どうしたら?」

怜羅は途方にくれる。

撮れ高でホクホクしながら駅前ホテルに三笠達は帰った。定点画像が欲しいと洗面所と風呂にはカメラが24時間撮影するらしい。

仕方なく洗濯兼ねて夕方から三笠に貰ったスパランドのチケットで出掛ける。

帰ってきてる木戸さんが何事かと気にしてるので説明する。

「すみません。しばらくうるさいし人の出入りがあるかも?

昔に井戸埋める時に井戸祓(いどばらい)って神主呼んで儀式しないといけなかったのに、ただ埋めただけみたいで〜

今から水抜けして砂利入れてガス抜きして〜とやらないといけないんで、しばらく変な祝詞(のりと)とか工事の人の騒ぐ声がすると思うけど。

黒カビ撲滅には仕方ないみたい。」と説明する。

「わあ~っ、ウチも湿気はスゴいけど井戸は無くて良かったわぁ〜お金掛かりそうね〜」と不憫がられたがOKだ。

「旦那さんは?」と反対に聞く。

「うん、薬貰ったけど、ただの睡眠薬だし。どうかなぁ〜?」と心配そうだ。

2人が井戸端会議してると他の家の奥さん、まだ妊婦さんの枚方さんも出て挨拶に来た。

「すみません。ツワリがまだおさまらなくて。

今日はスゴい悲鳴も聞こえましたけど…大丈夫でした?」とやはり怜羅の家の騒ぎは丸聴こえだったようだ。

…頭がいたい。

木戸さんが、すぐに怜羅の話を復唱して枚方さんにも伝えてくれた。

「まあ、元々池で黒い家の下には井戸まで有ったんですね?!それは大変です!

うちも湿気スゴいんで、床下工事の業者頼んだんですよ。また、ウチもうるさくなるかも…」と何とかごまかせた!

『フウ〜ッ、後は真治の実家の仏壇ウチで拝むふりして三笠さんに定期点検してもらえば?

何とか住み続けられないかなぁ〜』と色々思い巡らせる。

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