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文化祭の君  作者: 獅童最
side 佐藤菫 『文化祭の君』
24/33

舞台裏 『クマバチの花想い』

 *****


 初めはただ、姿勢が綺麗な子がいるなと思っただけだった。

 作業中でもスラッと伸びた背筋が視界の端にあって、感心していただけだった。


 そしたらなぜか、何度か彼女が困っているところに出くわした。それはいつも、本当に些細で大したことではなかったから、特に考えもせずに手を貸していた。


 親戚だなんて嘘をついたのは、本人にも言った通り単に教師への説明が、面倒だったからのはずだ。他意はない。


 けれど、そうしているうちにいつの間にか、素直で真面目で可愛くて、いつも一生懸命。それなのにちょっと臆病なところもある彼女を、見守るのがくせになった。


 しっかり者の割には時々危なっかしくて、目が離せない。でも、いつだって遠慮ばかりの彼女を、どうすれば甘やかせるのか、考えるのはなんだか楽しかった。


 彼女の作品づくりにかける情熱と集中が見事で、それなのに俺のつたない技術に大げさなほどに感心して、慕ってくれる様子は、なんだか嬉しかった。


 自覚したのはずいぶんとあとだったけど、手放せないと気づいたときは、もうダメだった。


 進学先に新幹線で数駅の距離にある高専編入を選んだことを、一度も後悔しなかったと言えば、たぶん嘘になる。


 編入試験は狭き門だ。受験に集中しなきゃいけないことは、わかっていた。それでも、居ても立ってもいられない気分になって、行き場のない気持ちを、創作にぶつけた。


 それが結果として編入試験に受かる決め手になったことは、皮肉と言うべきか、怪我の功名と言うべきか迷わしい。


 けれど結局は、進学先と、どうしても守りたい大切な存在を同時に手に入れた俺は、たぶん世界一の果報者かほうものなんだと思う。


 *****

『文化祭の君』の舞台裏、楽しんでいただけましたでしょうか?


このあと、親友の凜を主人公とした『凜と花咲き、君思ふ』も連載開始します。


菫も時々顔を出しますので、そちらもお楽しみいただけましたら幸いです。


もしよろしければ、ご感想やリアクションなどで評価をいただけますと、作者冥利に尽きます。


これからも、めくるめく物語の世界を、ご一緒させてください。

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