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社内編01話

――静かすぎる朝。

始業時間は過ぎている。

それでも。

静かすぎた。

相沢は席に座ったまま周囲を見る。

違和感。

いつもなら。

笑い声。

雑談。

課長の声。

今日はない。

キーボードの音だけが続く。

どこか、揃っている。

誰かが時計を見る。

別の席でも同じ動き。

待っている。

理由は出ない。

電話が鳴る。

音が浮く。

課長が立つ。

短く応答。

顔が固まる。

「……はい」

それだけ。

出ていく。

沈黙。

誰も動かない。

ドアが開く。

「全員、会議室」

理由は出ない。

会議室。

全員が揃う。

ドアが開く。

本部長。

部長。

空気が締まる。

「時間は取らせない」

低い声。

「最適化支援チームを立ち上げる」

それだけ。

「相沢」

呼ばれる。

「リーダーだ」

間はない。

「もう一人選べ」

相沢は一瞬だけ視線を落とす。

「……長瀬で」

止まる。

視線。

いくつも向く。

すぐに外れる。

長瀬は動かない。

ただ見ている。

「理由は」

「……必要だと思ったので」

それだけ。

決定。

――

解散。

人が動く。

「席どこだ」

部長。

相沢が指す。

見渡す。

「遠いな」

一言。

「詰めろ」

その場で。

配置が崩れる。

書類。

配線。

“いつもの形”が消える。

相沢が座る。

隣。

長瀬。

距離が近い。

誰かが小さく息を吐く。

「……急すぎるね」

返答はない。

長瀬は画面を見るだけ。

その配置が何を変えるのか。

まだ誰も見ていない。

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