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社内編02話

――決まったものは、戻らない。

別室。

ドアが閉まる。

外の音が消える。

本部長。

部長。

相沢。

長瀬。

四人。

「今回の件はトップシークレットとする」

低い声。

「共有されるのは結果のみ」

一拍。

「過程は扱わない」

空気が止まる。

誰もすぐには動かない。

「異論はあるか」

本部長。

沈黙。

それで終わる。

廊下。

ドアが閉まる。

空気が戻る。

「……重いね」

相沢。

長瀬は歩いたまま。

「そうだな」

短い。

「“過程は扱わない”ってさ」

少しだけ間。

「どういう意味だと思う?」

長瀬は止まらない。

「切る」

それだけ。

「……どこを?」

返答は少し遅れる。

「揺れてるところ」

相沢がわずかに止まる。

「……揺れ?」

長瀬は振り返らない。

「同じにならない」

それ以上は言わない。

デスク。

詰められた席。

距離が近い。

長瀬はすでに画面を開いている。

ログ。

並ぶ。

分岐。

選択。

人の動き。

「……これ」

相沢。

言葉が続かない。

長瀬の指が動く。

一つ。

消える。

また一つ。

分岐が減る。

「……なぞらないの?」

相沢。

「残さない」

短く。

処理が進む。

揺れが減る。

結果が寄る。

一つに。

どこかで笑い声。

別の席。

普通の会話。

ここだけ違う。

「……それ」

相沢。

「消していいの?」

長瀬は止まらない。

「残す理由がない」

淡々と。

また一つ消える。

画面が揃っていく。

揺れが消える。

「……全部?」

相沢。

少しだけ間。

「必要なものだけ」

同じ答え。

処理は続く。

“過程は扱わない”

その言葉が。

形になる。

誰も止めない。

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